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3カ国対抗:シンガポールの壁は厚かった-キム新監督初黒星

シンガポールサッカー協会FASが主催する3カ国対抗戦の第2戦となるシンガポール代表対マレーシア代表の試合が3月28日(土)にシンガポール国立競技場で行われ、マレーシア代表はシンガポール代表に1-2と敗れています。

今回対戦したシンガポール代表は、昨年2021年12月に自国開催となった東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020でベスト4となったチームです。この大会ベスト4を置き土産に退任した吉田達磨前監督に代わり、現在は吉田前監督の元でコーチを務めたナシル・ナズリ監督代行が指揮をとっていますが、このナシル・ナズリ監督代行は2019年3月にマレーシアのブキジャリル国立競技場で開催されたエアマリンカップに出場したシンガポール代表でも監督代行を務め、その大会ではマレーシア代表を1-0で破った実績もあります。(この時は当時のファンディ・アフマド監督が兼職していたU22代表監督してAFC U23選手権予選に出場していたことから監督代行でした。)

ナシル監督はこの3カ国対抗に向けて、キャップ数が0の4選手を初招集していますが、この試合では、今季のシンガポール1部リーグ3試合で3ゴールを挙げているトーフィク・スパルノ(タンピネス・ローヴァーズ)が先発しています。

一方のマレーシアですが、快勝した3月23日のフィリピン代表戦の先発XIからキム・パンゴン監督は、センターバックの1人がクザイミ・ピー(ヌグリスンビラン)からアイディル・ザフアン(JDT)に、右ウィングがアリフ・アイマン(JDT)からサファウィ・ラシド(JDT)に代わり、先発11名中8名がJDT勢で占められる布陣を選択しています。またこの試合では主将もファリザル選手からアイディル選手となっています。

かつては同じ国だったマレーシアとシンガポールは、独立後もシンガポールはマレーシアの国内リーグでプレーしていたこともあります。こう言った経緯もあり、両国の対戦はその間にある陸路コーズウェイにちなんでコーズウェイダービーと呼ばれ、互いに強烈な対抗意識を持った試合になります。

この日の試合は、試合開始からマレーシアが積極に仕掛け、サフィク・ラヒム(JDT)、サファウィ・ラシド、アキヤ・ラシド(JDT)ら次々とシュートを放つも、いずれもゴールを捉えられませんでした。そんな中、15分にはシャフィク・アフマド(クダ)に代わり早々とムハマド・スマレ(JDT)が投入されましたが、これはシャフィク選手のケガによる交代でした。シャフィク選手はハムストリングを痛めたという報道もあり、この大会後に再開されるMリーグ出場も危ぶまれます。

この交代以降もシンガポールサイドでのプレーが続きましたが、シンガポールGKハサン・サニの好手もあり、マレーシアはゴールを割ることができませんでした。そうこうしている内に30分にはカウンターから、帰化選手のソン・イニョンの左からのクロスをエースのイクサン・ファンディが押し込んで、シンガポールが先制しました。ちなみにこの後も、前線に位置することが多かった右サイドバックのディオン・クールズ(ベルギー1部SVズルテ・ワレヘム)は、裏にパスを通される場面が度々ありました。

キム監督は後半開始時にコギレスワラン・ラジ(PJシティ)に代えてリリドン・クラスニキ(インドスーパーリーグ オディシャFC)を起用しました。後半開始早々の46分には、サファウィ選手がペナルティエリア内で倒されPKを得ますが、自身で蹴ったシュートはゴールポスト上に外し、マレーシアは同点機を逃してしまいます。その後もマレーシア優位で試合が進むも得点できない中、57分、ついにマレーシアが同点に追いつきます。相手のパスをカットしたサフィク選手から、アキヤ選手がゴール前のクラスニキ選手にパス、これをクラスニキ選手が落ち着いて決めて同点としました。コソボ出身の帰化選手でもあるクラスニキ選手はこれが代表初ゴールでした。

65分にキム監督ははサファウィ、アキヤ両選手に代えて、アリフ・アイマン(JDT)、ファイサル・ハリム(トレンガヌ)とフォワードの2選手を投入し、一気に逆転をはかりますが、その隙を着いて76分にイクサン・ファンディがDF3人をかわしてこの試合2つ目のゴールを決め、シンガポールが再びリードします。

さらに81分にはMFのサフィク選手に代えてFWルクマン・ハキム(ベルギー1部KVコルトレイク)、DFアイディル選手に代えて同じDFドミニク・タン(サバ)を投入、試合終了間際にはペナルティエリアのすぐ外と絶好の位置でPKを得ましたが、これもゴールには至らずしましたが、試合はこのまま終了。シンガポールが2019年以来のコーズウェイダービーに勝利し、マレーシアは2014年以来の勝利とはなりませんでした。

シンガポールサッカー協会FAS 3カ国対抗戦
2022年3月26日@シンガポール国立競技場
シンガポール 2-1 マレーシア
⚽️シンガポール:イクサン・ファンディ2(30分、76分)
⚽️マレーシア:リリドン・クラスニキ(57分)

試合のハイライト映像はアストロアリーナのYouTubeチャンネルより

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