フットボールフィリピン

編集長コラム|AFCカップでフィリピン勢が勝ち進まなければならない理由とは?

それでは最新の「AFCクラブコンペティションランキング」を見てみましょう。

photo via sepakbola indonesia fansbook

画像のタイトルが「MAランキング」となっていますが、これは以前の呼称「AFCメンバーアソシエーションランキング」のことですね。東南アジアでは今でもこのように呼ばれているのでしょう。

ランキングは3月13日時点のものですが、いくつかの順位の変動が確認できます。上位の方では韓国と中国、それとオーストラリアとタイが順位を入れ替えました。そしてその下ですが、我がフィリピンがマレーシア、香港、ベトナムを上回って6位に浮上していますね。

そして、今年の12月に発表されるランキングで、2021年と2022年に開催されるACLとAFCカップの線引きと出場枠が決定されることになっているのです。はい。仮にこのまま推移した場合は、我がフィリピンがACLの出場グループに加わることになるわけですよ。

タイやオーストラリアに次ぐ6位の座を争う国は、国内リーグの基盤がしっかりと整っているところなのですが、完全プロ化のリーグがわずか2年で破綻して、以前のプロ・アマ混合リーグに逆戻りしているフィリピンが、なぜランキングを上げているのでしょうか。

その要因は、セレス・ネグロス、グローバル・セブ(現ユナイテッド・マカティ)、カヤ・イロイロといったフィリピンのクラブチームが、継続的にAFCカップの舞台で結果を残してきたからに相違ありません。フィリピン勢は過去にAFCカップを制した実績はないのですが、毎年決勝トーナメントには進出しており、これまで地味にポイントを稼いでいるのです。

AFCカップは全体的には西地区のレベルが高く、東地区で最後に大会を制したのは、2015年大会のジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)で、マレーシア勢はその後、活躍の場をACLの舞台に移しています。

2019年のポイント加算は、AFCカップに出場しているセレス・ネグロスとカヤ・イロイロの勝ち上がり具合によって変わります。フィリピン勢が共にアセアンゾーンの4強以上に駒を進めることになれば、シンガポール勢やベトナム勢を抑えることができますね。

ただ、ACLに出場しているジョホール・ダルル・タクジムがある程度の結果を残せば、上の舞台のポイントの方が大きいので、再び順位をひっくり返されるようなこともあるでしょう。

現状のままであれば、フィリピン勢はACLの大舞台にはまだ相応しくないです。チームの実力も会場の施設もかなり見劣りします。おそらく、2017年と2018年の香港勢(イースタンSCとキッチーSC)のような有り様を露呈することになると思います。

ですが、現在のランキングを見てしまうと、こんなチャンスは二度と来ないかも知れない(笑と思わざるを得ない。リーグ戦のホームタウン制度撤廃、マニラ集中開催でのプロアマリーグへの回帰、クラブの相次ぐ撤退や未払い騒動など、ここ数年のフィリピン国内の惨状が眼に余るだけに、セレス・ネグロスとカヤ・イロイロには何とかポイントを稼いでもらいたいのです。

フィリピンにどうかチャンスをください。

ではまた次回に。

フットボールフィリピン編集長 池田宣雄

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