編集長コラム|AFCカップでフィリピン勢が勝ち進まなければならない理由とは?
川崎フロンターレ、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、鹿島アントラーズが出場しているACL( AFCチャンピオンズリーグ)2019と並行して、タイとマレーシアを除く東南アジア諸国のクラブチームが出場しているAFCカップ2019も開催されています。
ACLとAFCカップに出場する国(のクラブチーム)の線引きはどこに設定されているのか。皆さんはしっかりと把握していないと思いますので、ここで少しフィリピン目線で解説していきたいと思います。
まず、ACLの下に AFCカップがあると思っていただいて結構です。このふたつの大会は、AFC(アジアサッカー連盟)加盟国を東と西に分けて開催して、最後の決勝戦で東と西の勝者が対戦するフォーマットになっています。
東と西の分け方については、東が東アジア連盟と東南アジア連盟、西が南アジア連盟、中央アジア協会、西アジア連盟の加盟国となります。とりあえず、我々にとって重要なのは東地区ですので、今回は西地区の説明は省きますね。
何をもって上下の線引きをしているかと言うと、これはクラブチームの大会ですので、FIFAランキングとは別にある「AFCクラブコンペティションランキング」のポイントをベースに、東地区の1位から6位までの国のクラブチームがACLへ、7位から12位がAFCカップへと、基本的な線引きがされている状況です。
今年(ACL/AFCカップ2019)と来年(ACL/AFCカップ2020)の線引きは、2017年12月時点でのランキングで決定しており、今後も2年毎に線引きと国の入れ替えが行なわれることになっています。ランキングによって出場枠数も変更となります。
今年と来年の2大会に適用された2017年12月時点のランキングは以下のとおり
1位:??韓国:4枠(3出場+1プレーオフ)
2位:??中国:4枠(3出場+1プレーオフ)
3位:??日本:4枠(2出場+2プレーオフ)
4位:??オーストラリア:3枠(2出場+1予選2回戦)
5位:??タイ:3枠(1出場+2予選2回戦)
6位:??マレーシア:2枠(1出場+1予選2回戦)
——〈線引き〉——
7位:??香港:1枠(予選2回戦)
8位:??ベトナム:1枠(予選2回戦)
9位:??フィリピン:1枠(予選1回戦)
10位:??シンガポール:1枠(予選1回戦)
11位:??インドネシア:1枠(予選1回戦)
12位:??ミャンマー:1枠(予選1回戦)
1位の韓国から6位のマレーシアまでは、本大会の出場枠が確保されていますね。ここまでがACL出場グループで、7位の香港以下がAFCカップ出場グループとなります。7位以下の国は、ACLの予選やプレーオフで敗退しても、AFCカップの本大会出場枠が確保されています。
一応、12位のミャンマーまで、予選とプレーオフに勝てば(の話ですが)ACLに出場できますが、プレーオフで待ち構えている上位のラスボスとは実力的な格差が存在します。実際に今年の大会でもプレーオフから出場した4チームが本大会に駒を進めました。
肝心どころはこのランキングの6位までに入っていることです。5位のタイまでがACLの常連国で、6位の座をめぐってマレーシアからフィリピンあたりまでが熾烈なポイント争いをしていることを、皆さんはご存知でしたでしょうか。