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2023マレーシアスーパーリーグ第14節
結果とハイライト映像-ジョホールは14連勝で首位堅持、PDRMはサバを破り3連勝、前節初勝利のクランタンUはスランゴールに大敗

マレーシアスーパーリーグは6月7日から9日に今季第14節が開催されています。今季は14チームでスタートしたスーパーリーグは今節より後半戦に突入しますが、開幕からの13試合で得点51失点1という驚異的な成績で前半戦を13連勝で終えたジョホール・ダルル・タジムの強さは際立っており、2位スランゴールとの勝点差は既に11と開き、今季の興味は優勝争いからAFCカップ出場権のかかる2位争いへと移っています。なお、今節予定されていたクチンシティ対クランタンの試合は、7月21日に変更になっています。
また今月のFIFA国際マッチカレンダー(FIFAカレンダー)でソロモン諸島、パプアニューギニアの両代表と対戦するマレーシア代表候補27名も発表されており、今節はこの27名のプレーの様子なども併せて書いていきます。
なおこのFIFAカレンダーにより、スーパーリーグはおよそ2週間中断し、6月23日の第15節から再開します。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年6月7日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:1,242人
クランタン・ユナイテッド 1-7 スランゴール
⚽️クランタン:デヴィッド・シルヴァ(75分PK)
⚽️スランゴール:ムカイリ・アジマル(4分)、エイロン・デル・ヴァイエ3(10分、45分、79分)、ファイサル・ハリム(29分)、ヨハンドリ・オロスコ(51分)、アリフ・イズワン(78分)
🟨クランタン:インドラ・プトラ、S・シャーヴィン、
🟨スランゴール:なし
MOM:エイロン・デル・ヴァイエ(スランゴール)

 前半戦最後となった前節第13節で待望の今季初勝利を挙げたクランタン・ユナイテッドがホームにスランゴールを迎えた試合は、やはり前節にPDRMにまさかの敗戦を喫したスランゴールがその鬱憤を晴らすかのように、今季リーグ最多タイとなる7ゴールを挙げて圧勝しています。
今月のFIFAカレンダーを前に10日から始まるマレーシア代表候補合宿にも招集されているU23代表のキャプテン、ムカイリ・アジマルが開始4分でスランゴールの先制ゴールを決めると、10分には1点目をアシストしたエイロン・デル・ヴァイエがペナルティエリアの外から放ったシュートが決まり、スランゴールはリードを広げます。さらに28分にはやはり代表合宿に招集されているファイサル・ハリムのゴール、そして45分には再びエイロン・デル・ヴァイエがロングシュートを決め、前半はスランゴールが4-0として折り返しました。
後半もスランゴールは手を抜かず、チームに欠かせない存在になりつつあるヨハンドリ・オロスコが51分にゴールを挙げて5-0としますが、クランタン・ユナイテッドは78分に得たPKを決めてその差を4点とします。ちなみにペナルティエリア内でクランタン・ユナイテッドのヤン・ヴィクトルを倒してこのPKを与えたのは、これまた代表候補のシャヒール・バシャーでした。しかしその後もスランゴールはU19代表のアリフ・イズワンが今季初ゴール、そしてその1分後にはエイロン・デル・ヴァイエがハットトリック達成となるこの試合3点目を決め、終わってみればスランゴールが7-1と圧勝しています。

2023年6月7日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:7,320人
クダ・ダルル・アマン 3-0 ペラ
⚽️クダ:アミルベク・ジュラバエフ2(26分、54分)、ウィリアン・リラ(67分)
🟨クダ:アミルル・アフィク、リー・タック、アリフ・ファルハン
🟨ペラ:サンディ・アフォラビ
MOM:アミルベク・ジュラバエフ(クダ・ダルル・アマン)

 クダは唯一の代表候補に選ばれたリー・タックからのクロスをウィリアン・リラがゴール前に落とすと、それをアミルベク・ジェルバエフが押しこんで25分に先制すると、後半の54分には再びタック選手からのクロスをこの度はアミルベク選手が頭で合わせてゴール!さらに67分には、タック選手のコーナーキックをリラ選手がヘディングシュート。これも決まってクダが3-0で快勝しています。

2023年6月8日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:人
ペナン 1-1 KLシティ
⚽️ペナン:ジオバネ・ゴメス(45+1分)
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(7分)
🟨ペナン:ザーリル・アズリ、アディブ・ラオプ、ラフマット・マカスフ
🟨KLシティ:ケニー・パッラジ、ザフリ・ヤハヤ、セバスチャン・アヴァンジーニ、ライアン・ランバート
🟥ペナン:ラフマット・マカスフ(🟨x2)
🟥KLシティ:ジャンカルロ・ガリフオコ
MOM:アディブ・ラオプ(ペナン)

 3連敗中のペナンが2連勝中のKLシティをホームに迎えた試合は、最後は共に10人となった両チームが引き分けています。
途中1部と2部に分かれるなど対戦がなかった時期があるものの、KLシティが最後にペナンのホームで勝利したのは1987年と36年前のことでした。しかしこの試合は、代表候補に選ばれたパウロ・ジョズエからのパスを受けたチェチェ・キプレがペナンDF2人を振り切って、自身のMリーグ通算100得点目となるゴールを決め、開始7分でKLシティが先制しました。一方のペナンはソニー・サアドを中心にKLゴールを狙いますが、代表候補のGKアズリ・アブドル・ガニに代わってこの試合に先発したU23代表GKアジム・アル=アミンが好守を見せて得点には至りません。しかし前半終了間際のロスタイムにアディブ・ラオプのシュートがKLシティDFに当たって跳ね返ったボールをジオバネ・ゴメスが押し込み、ペナンが同点に追いつきます。
後半に入ると74分にはKLシティのジャンカルロ・ガリフオコがプロフェッショナルファウルで1発退場となり、ペナンが数的有利になったもののそれを活かせず、後半ロスタイムにはKLシティのライアン・ランバートと揉めたラフマット・マカサフが2枚目のイエローで退場となってしまいます。このプレーでペナンはフリーキックを得ますが、ゴメス選手のシュートは枠内に飛んだもののGKアジム選手が反応よくこれを防ぎ、試合は1-1で終了しています。なおKLシティで代表候補に選ばれたもう1人のザフリ・ヤハヤは前半で後退しています。

2023年6月8日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:986人
PDRM 1-0 サバ
⚽️PDRM:ナビル・ラトピ(26分)
🟨PDRM:アミルル・サイフル、アリフ・ナジミ・シャアイニ
🟨サバ:ダニエル・ティン、ガリー・スティーヴン・ラバト、ラウイルソン・バトゥイル
MOM:アリフ・ナジミ・シャアイニ(PDRM)

 PDRMがホームでサバも撃破し今季初の3連勝。一方のサバは2連敗となっています。
前節は2位のスランゴールを破ったPDRMは、現在3位のクダにも勝利していますが、この試合でも上位チームキラーぶりを発揮しています。
試合はサバが優勢にするめるものの、前節は総得点リーグ2位のスランゴールを完封した守備陣がこの試合でも選手たちが身体を張ってボールを止め、バドロル・バクティアルやパク・テスらにシュートを打たれながらも失点を許しません。そして試合が動いたのが25分でした。PDRMはカウンターからサフィー・アフマドがサバDFの裏へ出したパスにナビル・ラトピが反応し、サバDFに競り勝って蹴り込みゴール!PDRMに先制を許したサバは、相手ゴールを目指しますが、PDRMの守備陣が最後まで守り切って3連勝を果たしています。一方のサバは代表候補のドミニク・タン、ダニエル・ティン、スチュアート・ウィルキンの3選手がいずれも目立った活躍ができず、この日の敗戦で今季のアウェイ通算成績が1勝2分4敗となっています。
PDRMの鈴木ブルーノ選手は60分から交代出場し、最後までプレーしています。

2023年6月9日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
観衆:2,877人
スリ・パハン 4-3 ヌグリスンビラン
⚽️パハン:ステファノ・ブルンド2(24分PK、90分)、デヴィッド・ローリー(80分)、クパー・シャーマン(90+4分)
⚽️ヌグリスンビラン:エラルド・グロン(8分)、シャーレル・フィクリ(15分)、カサグランデ(24分)
🟨パハン:ズハイル・アイザット
🟨ヌグリスンビラン:シーク・イズハン、ハリズ・カマルディン、ナスルラー・ハニフ、カサグランデ、ハスブラー・アブ・バカル
MOM:ステファノ・ブルンド(スリ・パハン)

 両チーム合わせて7ゴールの試合はパハンが2点差を逆転して連敗を2で止めています。
第11節までは今季無敗だったパハンは、第12節でジョホールに敗れると、第13節ではKLシティににも敗れて2連敗。一方のヌグリスンビランは直近の4試合を2勝2分と調子を上げています。この試合は序盤は両チームの勢いの差が現れ、原因不明の体調不良による欠場から5試合ぶりに復帰したエラルド・グロンのヘディングシュートでアウェイのヌグリスンビランが8分に先制しました。さらに15分にはこのグロン選手のパスをゴール前でカサグランデが落としたところを代表候補のシャーレル・フィクリが蹴り込んで、ヌグリスンビランがリードを広げます。パハンもステファノ・ブルンドのPKで1点を返しますが、ヌグリはすぐさまカサグランデのゴールで再びリードを広げて前半を終えます。
後半もパハンは好機を作りながらゴールを破れず、このままヌグリスンビランが逃げ切るかとお話割れましたが、攻守でチームを支えていたエラルド・グロンが69分にケガで退場すると、状況は一変しました。80分にデヴィッド・ローリーのゴールで1点差に迫ったパハンは、90分にブルーノ選手がペナルティエリアの外からフリーキックを決めて同点に追いつくと、ロスタイムにはゴール前へのロングスローにクパー・シャーマンが頭で合わせて逆転ゴールを決めています。代表候補のシーク・イズハンは試合終了前の10分で3ゴールを許し、ヌグリスンビランは手中にしていた勝利を逃しています。

2023年6月9日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:10,819人
トレンガヌ 1-3 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️トレンガヌ:ソニー・ノルデ(28分)
⚽️ジョホール:フェルナンド・フォレスティエリ(21分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(45+2分)、エンドリック・ドス・サントス(90+4分)
🟨トレンガヌ:アルグジム・レゾヴィッチ
🟨ジョホール:アフィク・ファザイル
🟥トレンガヌ:アルグジム・レゾヴィッチ(🟨x2)、イヴァン・マムート
MOM:ハビブ・ハルーン(トレンガヌ)

 先日発表された代表候補13名(!)を擁するジョホールが一度は追い付かれながらも、審判の力を借りて開幕からの連勝を14に伸ばしています。
ジョホールはGKシーハン・ハズミを筆頭に、ラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズの左右サイドバック、センターバックのフェロズ・バハルディン、右ウィングのアリフ・アイマンの5名の代表候補が先発、一方のトレンガヌもU23代表と兼任の右サイドバック、アザム・アズミが先発しています。
試合は21分にリーグ得点王のフェルナンド・フォレスティエリがペナルティエリアの外から見事なバイシクルキックでゴールを決め、ジョホールが先制しますが、トレンガヌも28分にソニー・ノルデのフリーキックが決まり、すぐさま同点に追いつきます。しかしこのまま前半終了かと思われたロスタイムに自陣ペナルティエリア内でノルデ選手がアリフ・アイマンを後ろから引っ掛けてPKを与えると、これをベルグソン・ダ・シルヴァが決めて、ジョホールが2-1とリードして折り返します。
後半に入るとジョホールは、ナチョ・インサとシャマー・クティ・アッバの両代表候補を投入、トレンガヌを突き放しにかかります。一方のトレンガヌは52分に長身センターバックのアルグジム・レゾヴィッチが2枚目のイエローで退場となりますが、パハンのファンディ・アフマド監督は、逆に攻撃的な選手交代を次々と行なって勝負をかけます。しかし審判の判定が全てを台無しにしてしまいました。68分に投入されたFWイヴァン・マムートがマークについたジョホールDFフェロズ・バハルディンを振り払う際に暴力行為があったとして、75分に1発レッドで退場となります。この試合はテレビで見ていましたが、1発レッドは明らかに厳しすぎる判定で、マムート選手にイエロー、あるいは両選手にイエローあたりが妥当なプレーに見えました。この退場劇で9人となったトレンガヌは流石に防戦一方となり、ロスタイムには、途中出場で代表候補のエンドリックにもゴールを決められて万事休す。審判の判定により後味の悪い試合となりましたが、ジョホールは開幕から14連勝、トレンガヌの連勝は2で止まっています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第14節途中)

順位 チーム 勝点
1 JDT 14 14 0 0 54 2 52 42
2 SEL 14 10 1 3 37 15 22 31
3 KDA 14 9 1 4 29 18 11 28
4 SRP 14 8 4 2 23 14 9 28
5 SAB 14 7 3 4 30 20 10 24
6 KLC 14 6 5 3 22 18 4 23
7 TRE 14 6 2 6 20 18 2 20
8 PDRM 14 6 1 7 14 18 -4 19
9 NSE 14 4 6 4 22 27 -5 18
10 PEN 14 4 3 7 17 210 -4 15
11 PRK 14 2 3 11 9 32 -22 9
12 KLU 14 1 3 10 14 35 -21 6
13 KCH 13 1 3 9 7 26 -19 6
14 KEL 13 1 1 11 15 51 -36 4
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第14節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位 選手名(所属チーム) シュート 枠内S アシスト
1 フェルナンド・フォレスティエリ(JDT) 15 56 28 7 14
2 エイロン・デル・ヴァイエ(SEL) 13 32 24 3 14
3 ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT) 9 42 18 1 10
4 ウィリアン・リラ(KDA) 8 36 11 2 14
ステファノ・ブルンド(SRP) 8 27 13 0 13
6 ファイサル・ハリム(SEL) 7 22 17 6 14
クパー・シャーマン(SRP) 7 22 13 3 14
8 パク・テス(SAB) 6 18 8 0 13
パウロ・ジョズエ(KLC) 6 33 18 3 14
チェチェ・キプレ(KLC) 6 16 7 1 13
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC
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