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3月7日のニュース
スランゴールFC前TDがミャンマー代表監督に就任
M3リーグ開幕-給料未払い問題未解決でスーパーリーグ除名のマラッカとサラワクは共に黒星スタート

スランゴールFC前TDがミャンマー代表監督に就任

昨季までスランゴールFCで監督やテクニカルディレクター(TD)を務めたミハイル・フェイヒテンバイナー氏が、ミャンマー代表監督に就任したことをマレーシア国内の複数メディアが報じています。

ドイツ出身でU15ドイツ代表監督などの経験を持つフェイヒテンバイナー氏は、「ドイツサッカーのDNA」を伝えたいと2020年にスランゴールFCのセカンドチーム、スランゴールFC IIの監督兼クラブのTDに就任しました。そして新型コロナの影響で短縮されたスーパーリーグでスランゴールFCが2勝4分2敗で低迷すると、残り3試合を残して辞任したB・サティアナタン監督に代わり暫定監督としてシーズンを終えました。

翌2021年シーズン前に、自身の元でプレー経験がある元浦和レッズのカルステン・ナイチェル監督に就任すると、フェイヒテンバイナー氏はTDに復帰しましたが、このシーズンもスランゴールFCが8勝9分5敗の6位に終わると、2022年にはトップチームの監督に就任しました。しかし4勝4分5敗となった昨季途中の8月にはスポーツディレクターに「降格」されていました。

ミャンマー代表では同じドイツ出身で、2019年10月から今年1月まで監督を務めたアントワーヌ・ヘイしに代わり、同国代表と同国U23代表の両チームの監督を務めるということですので、まずは今年5月にカンボジアで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズでU23代表監督がデビューとなりそうです。

就任会見では、代表監督になるという自身の夢が達成できたと述べたフェイヒテンバイナー氏は、さらにスランゴールFCII監督時代にミャンマー代表のハイン・テット・アウンを指導したこともあることからミャンマーのサッカーについて知識はあり、代表監督としての仕事を早く始めたいと語っています。

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マレーシア国内メディアの論調は「ドイツサッカーのDNA」をクラブレベルで浸透させられなかったフェイヒテンバイナー氏に代表監督が果たして務まるのか、という疑問が多く見られますが、スランゴールFCでは、育成を目的とするTDとセカンドチームの監督からトップチームの暫定監督、再びTDに戻ってから今度はトップチームの監督を歴任したことは、クラブ経営陣の迷走の被害者でもあります。5月の東南アジア大会では、そういった懐疑的な意見にどう応えるのかに注目したいです。

M3リーグ開幕-給料未払い問題未解決でスーパーリーグ除名のマラッカとサラワクは共に黒星スタート

3月4日にマレーシアリーグ3部にあたるM3リーグの2023年シーズンが開幕しました。今季は1部スーパーリーグと2部プレミアリーグが統合されてスーパーリーグとなったことで、2部プレミアリーグは中止となり、プレミアリーグに参加していたセカンドチームが新設されたMFLカップ(スーパーリーグクラブのセカンドチームとMSN-FAMプロジェクトが参加するU23リーグ)ため、このM3リーグがスーパーリーグに次ぐリーグとなっています。

今季のM3リーグは、全14チームで争われ、ホームアンドアウェイ方式で行われるリーグ戦終了後は、上位4チームによるプレーオフが行われ、そこから上位2スーパーリーグに参戦できなかったチームがスーパーリーグへ昇格、またリーグ戦13位と14位は4部リーグに当たるM4リーグへ降格となります。なお、スーパーリーグはマレーシアンフットボールリーグMFLが統括していますが、M3リーグ以下はアマチュアフットボールリーグAFLという組織が統括するセミプロリーグです。

今季のM3リーグの注目は、いずれも初参加となるサラワク・ユナイテッドFCとマラッカFCです。昨季はスーパーリーグでプレーしたサラワク・ユナイテッドは給料未払い問題未解決を理由に今季のクラブライセンスが交付されなかったことからスーパーリーグに出場できず、アマチュアリーグのM3リーグに参戦しています。一方のマラッカFCはマラッカ州サッカー協会MAFAが新設したクラブで、こちらはMAFAの前身のマラッカユナイテッドサッカー協会MUSAが運営し、やはり昨季スーパーリーグでプレーしたマラッカ・ユナイテッドFCが、やはり給料未払い問題未解決であることからクラブライセンスを交付されず、スーパーリーグ不参加となったことを受けて設立されています。なお、この記事執筆時点ではサラワク・ユナイテッド、マラッカ・ユナイテッドとも昨季所属選手や監督、コーチへの給料未払いが完了したという報道はなく、国内サッカーファンからは、給料問題未解決のチームやそのチームを運営していた組織にM3リーグ参戦を認めたAFLを批判する声が挙がっていますが、これに対して、AFLのユソフ・マハディ会長は、サラワク・ユナイテッドFCとマラッカFCのM3リーグ参加を認めなければ、「両州のサッカー振興に支障が出る懸念がある」という理由で、両チームの参加を認めたことを明らかにしています。

とは言え、昨季のスーパーリーグでプレーした選手たちは、両チームとも給料未払いにより全員が退団し、その代わりに加入した選手たちの質が問われましたが、案の定、サラワク・ユナイテッドは昨季のノックアウトステージでベスト8に残ったハリニ・スランゴールFTに0-3、マラッカFCは昨季はノックアウトステージに進出できなかったサインスFCに3ー1でそれぞれ敗れて、今季は黒星発進となっています。このようなスコアの試合が続けば、さらに下部のM4やM5リーグから参戦させなかったAFLの判断にも批判が集まりそうです。

この他、先日のこのブログで主要スポンサーが電子タバコ企業であったことが発覚し、リーグからスポンサー契約解除を余儀なくされた結果、今季M3リーグ事態の危機にあったBRM FCですが、宗教学校のラウダー・イスラム教学校が代わってスポンサーとなったことで、無事M3リーグに参戦しましたが、第1節では入国管理局FCと0-0で引き分けています。

また昨季2022年優勝のPIB FCは昨季ノックアウトステージでベスト8のマンジュンシティFCと0-0で引き分け、準優勝のKLローヴァーズFCは今季初参戦のマレーシア・ユニバーシティFCを3-0で一蹴しています。

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