ボラセパマレーシアJP

MFLがスーパーリーグの今季ペストXIを発表

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、元代表選手でMFL公式サイトにも寄稿するシャーロム・カリム氏が選んだ、1部スーパーリーグの今季ベストXIを公式サイトで発表しています。マレーシアで最も好まれる4-3-3に合わせてシャーロム氏の選んだ11名に、ボラセパマレーシアJPの勝手なコメントを書き添えました。

GKシーハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)

昨季所属したPJシティではカラムラ・アル=ハフィズの台頭によって出場機会が減り、押し出される形でヌグリスンビランに移籍したシーハン選手。しかしこの移籍が大正解でした。出場機会が増えたことでキム・パンゴン代表監督の目にも止まり、今年初めてA代表に招集されると6月のAFCアジアカップ2023最終予選や9月のキングズカップ(タイ)では、それまでの代表正GKファリザル・マーリアス(JDT)に代わって、代表ゴールを守りました。ここまでの活躍を見るとリーグベストGKという良rも今季のマレーシア人のベストGKと言えるでしょう。
ちなみに今季のスーパーリーグで全22試合に出場したGKはこのシーハン・ハズミ、カイルル・ファーミ(サバ)、ケヴィン・メンドーザ(KLシティ)の3名ですが、クリーンシートはシーハン・ハズミとケヴィン・メンドーザが7、カイルル・ファーミが5となっています。ボラセパマレーシアJP的にはケヴィン・メンドーザが今季No.1ですが、マレーシア人選手に限ればシーハン選手が間違いなく現在のNo. 1のGKです。

DFラヴェル・コービン=オング(ジョホール・ダルル・タジムJDT)

左サイドバックを務めるラヴェル・コービン=オングは、今季はこれまで以上い安定したプレーをMリーグだけでなくACLや代表戦でも見せ、クラブにも代表にも欠かせない選手となりました。これまでは攻撃への意識が行きすぎて、たびたびオーバーラップした裏側を相手に取られる場面などもありましたが、今季はそういったことがほとんどなく、安心して見ていられるプレーぶりでした。JDTのリーグ9連覇達成に欠かせなかったコービン=オン選手の貢献度が高いことは、ACLなどでチームがローテーションを行う中、今季のスーパーリーグで全試合に先発したチーム唯一の選手であることからも分かります。

DFクザイミ・ピー(ヌグリスンビラン)

GKシーハン・ハズミ同様、ヌグリスンビランへの移籍が転機となったのがこのクザイミ・ピーです。昨季プレーしたUITMが1部で最下位となり2部に降格すると、それを入れ替わる形で昇格したヌグリスンビランへ移籍。そこからはシーハン選手同様、そのプレーぶりがキム代表監督の目に留まって、今年3月のシンガポールサッカー協会FAS主催の3カ国対抗戦で6年ぶりに代表に招集されました。4バックの左センターバックとしてポジションを勝ち取ると、6月のアジアカップ2023最終予選や9月のキングズカップでも主力として活躍しています。1部昇格初年度のヌグリスンビランは今季の失点がリーグ3位タイの26失点でしたが、DF陣の要にこのクザイミ選手がいたことが大きいでしょう。また攻撃の起点にもなれるDFでもあり、代表戦でも低く早いクロスでアシストを記録しています。

DFパぺ・ディアキテ(トレンガヌ)

東南アジアリーグの外国籍選手に多い長身のセンターバックですが。パぺ・ディアキテもそんな選手の1人。今季ベトナムのサイゴンFCから加入した、194cmとリーグ2位の長身を生かし、昨季のトレンガヌに欠けていた頼れるセンターバックとして、22試合中19試合に先発しています。ディアキテ選手は常に冷静なプレーでDF陣のリーダーを務め、チームが今季リーグ2位の失点20(22試合)となった原動力の1人です。

DFマシュー・デイヴィーズ(ジョホール・ダルル・タジムJDT)

昨季末にヘルニアの手術を受け、今季の出場が危ぶまれていましたが、結局17試合に出場したマシュー・デイヴィーズ。JDTだけでなく、代表の右サイドバックとしてチームになくてはならない存在になっています。クラブと代表のいずれでもチームメイトのラベル・コービン=オング同様。積極的なオーバーラップから精度の高いクロスを上げる能力もあり、攻守のバランスが取れた選手です。

MFパク・タエスー(サバ)

本来のセンターバックあるいは守備的MFから今季途中に攻撃的MF的に起用されると、FW陣を押しのけてチーム最多の8ゴールを挙げています。もともとFKの上手い選手でしたが、過去2シーズンで3ゴールしか挙げていないパク選手のコンバートは大成功だったと言えるでしょう。
最新のニュースでは、今季終了後に契約が切れる33歳のパク選手に対して、サバが契約を2年延長するオファーを行い、パク選手もこれに同意し、既に契約書にサインしたことが報じられています。2019年からサバでプレーするパク選手は、今回の契約で2024年までサバでプレーすることが決まっています。

MFレアンドロ・ヴァレスケス(JDT)

JDTのセカンドチーム、JDT II時代も合わせると今季が在籍5季目となるレアンドロ・ヴェラスケスはMリーグでもトップクラスの攻撃的MF。FKも良いし、シュート力もあり、33歳という年齢を全く感じさせないエネルギッシュな選手です。あえて今季の残念な点を挙げるとすれば、ACLグループステージの累積警告により、Jリーグ浦和とのノックアウトステージに出場できなかったことでしょう。ヴァレスケス選手がいたら、エクトル・ビダリオ監督もDFジョルディ・アマトのMF起用といった奇策を講じる必要もな句、浦和に冷や汗くらいは欠かせられたのではないかと悔やまれます。

MFペトラス・シテムビ(トレンガヌ)

トレンガヌにとっては欠かすことのできない選手ではありますが、今季のMリーグベストXIに入る選手かと言われれば、ボラセパマレーシア的にはこの人選に異論ありです。攻撃的MFとしては、少々物足りなく、前述のパク、ヴァレスケス両選手と比べると、正直なところ、少々見劣りする印象です。さらにこのポジションにはパウロ・ジョズエ(KLシティ)、マヌエル・イダルゴ(スリ・パハン)らもおり、やはりベストXIには該当しないのではないでしょうか。

FWベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)

今季19試合に出場し、2位のカイオン(スランゴール)に14ゴール差をつけ、リーグ新記録となる29ゴールを挙げたベルグソン・ダ・シルヴァ。ちなみのこの29得点は、8位のPJシティの今季チーム総得点22を上回っている他、マラッカ、サラワク、ペナンといった下位チームの今季チーム総得点をも上回っています。
その強烈な左足から昨季も23ゴールを挙げながら、26ゴールを挙げたイフェダヨ・オルセグン(当時スランゴール、現マラッカ)にリーグ得点王の座を譲りましたが、今季はおるせ軍選手の作ったリーグ最多得点記録を更新して、得点王となりました。
韓国のサッカーに詳しい方からは、韓国リーグでは成功しなかったと伺いましたが、フィジカルの強さよりも、スピードとポジション取りの巧みさでゴールを量産するタイプのベルグソン選手はMリーグの水に合っているのかもしれません。

FWアリフ・アイマン(JDT)

昨季はMリーグ史上最年少の19歳でリーグMVPを獲得したアリフ・アイマンも、今季を通じて着実に成長した右ウイング選手です。スピードに乗ったドリブルを武器に、右サイドを駆け上がってのクロスを前述のベルグソン選手が決める「ホットライン」は今季もJDTに多くのゴールをもたらしています。ボラセパマレーシアJP的には、もっと自分でゴールを狙ってもらいたい思いますが、そこはチーム内での役割もあるのかもしれません。また、今年20歳という年齢もあり、Mリーグでのプレーに満足せず、マレーシアを飛び出し、より厳しい環境でプレーしてもらいたい選手でもあります。

FWファイサル・ハリム(トレンガヌ)

絶対的なレギュラーに定着したことで、今季最も成長し選手と言えるファイサル・ハリム。158cmと小柄なことから愛称は「ミッキー」の左ウイングは、一度ピッチに立てば、スピードに加えて巧みなドリブル突破からクロスも上げられれば、自身でも積極的にシュートを打つ選手でもあります。今季の6ゴールも、もっと自己中になり、自身でシュートを打つ選択をしていればもっと増えていたはずです。来季はスランゴール移籍の噂もありますが、どこでプレーするにせよ、来季は2桁ゴールを狙って欲しい選手です。

*****

今回の11名は終了したばかりのスーパーリーグ上位4チームのみから選ばれており、チームの好成績に貢献した選手という意図があるかもしれません。そう言ったものを払拭してボラセパマレーシアJPが選ぶとすれば、DFはパぺ・ディアキテの代わりにジャンカルロ・ガリフオコ(KLシティ)、MFはペトラス・シテムビの代わりには、前述したパウロ・ジョズエ(KLシティ)やマヌエル・イダルゴ(スリ・パハン)、パク・タエスーの代わりにはブレンダン・ガン(スランゴール)あたりが選ばれても良いのではないかと思います。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ