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Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第20節結果とハイライト

今季のスーパーリーグも今節も含めて残りあと3節となり、今季の最終順位争いが激化する一方で、1部と2部が合併して18チーム編成になる新スーパーリーグから複数のクラブが撤退を噂されるなど、ピッチ内外共に熱いMリーグ。今節は天候不順で多くの試合が雨の影響を受け、劣悪なピッチで開催されました。

2022年9月28日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
KLシティ 5-0 サラワク・ユナイテッド
⚽️KLシティ:パウロ・ジョズエ(28分)、ライアン・ランバート3(29分、41分、53分)、ジョーダン・ミンター(84分)
🟨KLシティ(2):デクラン・ランバート、イルファン・ザカリア
🟨サラワク・ユナイテッド(3):ボリス・コック、アメル・サイディン
MOM:ライアン・ランバート(KLシティ)
代表漏れで奮起。
先日、タイで開催されたキングズカップで代表に招集されたデクラン・ランバートとザフリ・ヤハヤが戻ったKLシティが、給料未払い問題で揺れるサラワク・ユナイテッドに圧勝しています。
この試合のヒーローは、ハットトリックを決めたライアン・ランバートです。試合後のインタビューでは、これまで1試合で2ゴール以上は決めたことがないと話したランバート選手ですが、チームメイトでもあり双子の兄弟でもあるデクラン・ランバートが代表に初選出された一方で、自身は代替召集メンバーには入ったものの、結局は代表には招集されず、その鬱憤を晴らすように、いずれもペナルティーエリアの外からロングレンジの3本のゴールを決める活躍でした。

2022年10月7日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 0-1 スランゴール
⚽️スランゴール:ダニアル・アスリ(81分)
🟨PJシティ(3):K・プラバカラン、マハリ・ジャスリ、カラムラー・アル=ハフィズ
🟨スランゴール(1):ブレンダン・ガン
MOM:シヴァン・ピレイ(PJシティ)
今は結果が何より大事。
いずれもMBPJスタジアムを本拠地とする両チームの「スランゴール・ダービー」は、雨により水を多く含んだピッチでタン・チェンホー監督が目指す短いパスを繋ぐサッカーが機能せず苦しんだものの、スランゴールが途中出場のU23代表ダニアル・アスリが挙げたゴールを守り切って勝利し、タン監督就任以来、2連勝を飾っています。
運営資金不足を理由に来季のスーパーリーグ脱退といった噂も流れているPJシティは、強固な守備でスランゴールの攻撃陣を封じていましたが、残り10分を切っての失点で敗れています。

2022年10月7日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバ 4-1 ペナン
⚽️サバ:バドロル・バクティアル(33分)、パク・タエスー(72分)、サディル・ラムダニ(80分)、スチュアート・ウィルキン(89分)
⚽️ペナン:アディブ・ラオプ(70分)
🟨サバ(2):ファルハン・ロスラン、ドミニク・タン
🟨ペナン(5):エンドリック、アジザン・ノルディン、アジム・ラヒム、ジャフリ・フィルダウス・チュウ、ルーカス・シルヴァ
🟥ペナン(1):ラファエル・ヴィトー
MOM:スチュアート・ウィルキン(サバ)
2位死守。
リーグ前半とは打って変わって失速気味のサバは2連敗中、さらに直近の4試合で勝利がなく、依然2位ではあるものの、トレンガヌとヌグリスンビランが勝点差1までせまっています。この試合も最下位のペナンを相手に、2試合ぶりの先発となったキャプテンのバドロル・バクティアルが先制ゴールを決めるも、その後は追加点を奪えないまま、70分には同点にされてしまいます。
しかしこの日はすぐさまパク・タエスーのゴールでリードを奪うと、さらに2ゴールを決めたサバがAFCカップ出場権の懸かった2位を死守しています。
サバの加賀山泰毅選手は先発して、58分に交代しています。

2022年10月7日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ 2-4 トレンガヌ
⚽️マラッカ:ファリス・シャー(44分)、シャーミ・シャムスディン(52分)
⚽️トレンガヌ:チェチェ・キプレ3(3分、13分、37分)、ファイサル・ハリム(70分)
🟨マラッカ(0)
🟨トレンガヌ(1):アザム・アズミ
MOM:チェチェ・キプレ(トレンガヌ)
相性抜群。
2ヶ月前は6位だったトレンガヌは、6連勝中で3位に浮上し、AFCカップ出場権の懸かる2位まで勝点差1と迫っています。そのトレンガヌは2節を残し、下位チームには勝ち点を落とせない状況の中、チーム得点王のチェチェ・キプレが前半でハットトリックを達成するなど、4ゴールを挙げてマラッカに圧勝しています。
およそ1ヶ月前の9月3日にトレンガヌのホームで行われた同じカードでも、トレンガヌは5-0と対処していますが、その試合でもチェチェ・キプレはハットトリックを達成しており、2試合で6ゴールとマラッカをいわゆる「お得意様」にしています。
給料未払い問題が未解決のマラッカは外国籍選手がベンチ入りしておらず、好調のトレンガヌと対戦するには戦力不足でした。給料未払い問題解決の目処が立たず、来季のスーパーリーグ撤退も噂されるなど、選手もモチベーションも上がらない状態では、この結果もやむを得ないのかもしれません。

2022年10月7日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン 0-0 JDT
🟨スリ・パハン(0)
🟨JDT(0)
MOM:ファリザル・マーリアス(JDT)
安全第一。
豪雨により試合開始が1時間半近く遅れた試合は、ボールが転がらないどころか、テレビで見ていても水が浮いているのがわかる田んぼのようなコンディションの中で行われました。前節のレッドカードで出場停止となっているエースのベルグソン・ダ・シルヴァ、そして相手選手と交錯して負傷したシェーン・ローリーと主力がベンチ外となったJDTは、既に優勝を決めていることもあってか劣悪なピッチでケガをしないよう「安全第一」で試合を進めた結果、スリ・パハンもそれに付き合うような形で、試合は引き分けに終わっています。

2022年10月9日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 4-3 クダ
⚽️ヌグリスンビラン:マテウス・アルヴェス(25分)、グスタヴォ2(58分、70分)、ショーン・シヴァラジ(65分)
⚽️クダ:マフムード・アル=マルディ(45+3分)、サンワット・デーミット(82分)、マルク・ヴァレス(90分)
🟨ヌグリスンビラン(1):ナスルラー・ハニフ
🟨クダ(3):アミルル・アズハン、サンワット・デーミット、デシ・マルセル
MOM:グスタヴォ(ヌグリスンビラン)
楽勝ムードが一転、終盤に冷や汗も2位争いに残る。
この試合は10月8日に予定されていましたが、豪雨により試合開催が困難となったため、1日順延されて行われています。2位のサバとは勝点差1、3位のトレンガヌと勝点で並び、得失差で4位のヌグリスンビランは6位のクダと対戦。2位という明確な目標があるヌグリスンビランは、試合開始から優位に試合を進め、マテウス・アルヴェスのゴールで25分に先制しますが、前半終了間際のロスタイムにクダが同点に追いつきます。
後半はグスタヴォの2ゴールなどでリードを3点に広げたヌグリスンビランが楽勝かと思われましたが、クダの猛攻に遭い、最後は1点差まで追い込まれながらも逃げ切っています。
クダはこの試合後にクラブの所得税未払いが明らかになり、退任が予想されているシンガポール出身のアイディル・シャリン監督や外国籍選手の移籍に支障が起こることが考えられ、残る2試合ではさらにモチベーションが下がってしまう可能性もあります。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第20節終了時)

チーム 勝点
1 JDT 20 15 5 0 54 11 43 50
2 SAB 20 12 3 5 34 22 12 39
3 TRE 20 12 2 6 34 18 16 38
4 NSE 20 11 5 4 31 24 7 38
5 KLC 20 8 5 7 29 28 1 29
6 KDA 20 8 3 9 30 34 -4 27
7 SEL 20 7 5 8 37 32 5 26
8 SRP 20 7 4 9 30 29 1 25
9 PJC 20 4 8 8 19 30 -11 20
10 MEL 20 4 6 10 22 40 -18 18
11 SWU 20 4 2 14 18 49 -31 14
12 PEN 20 2 4 14 21 42 -21 10
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第18節終了時)

ゴール数 選手名 所属
1 25 ベルグソン・ダ・シルヴァ JDT
2 14 カイオン SEL
3 13 フェルナンド・フォレスティエリ JDT
4 12 ロナルド・ンガ KDA
5 10 チェチェ・キプレ PJC
10 グスタヴォ
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド
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