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FAカップ2022決勝-トレンガヌを振り切ってJDTがまず今季一冠

2年ぶりの開催となったマレーシアFAカップの決勝が、9月10日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場に公式発表8万4321人を集めて開催され、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)がトレンガヌを3-1で破って、2016年以来6年ぶり2度目の優勝を果たしています。

今季途中の7月にJDTの監督に就任したエクトル・ビドリオ監督にとっては、初タイトルがかかるこの試合で、いつもの通り、ベルグソン・ダ・シルヴァ、フェルナンド・フォレスティエリの2トップを中心とした強力な攻撃陣を中心とした布陣を起用しましたが、トレンガヌのナフジ・ザイン監督は、エースのクパー・シャーマンをベンチ外とし、チェチェ・キプレのワントップという中盤以降を厚くした布陣を選択し、カウンター狙いで11年ぶりの優勝を狙いました。

JDTの最初のチャンスは10分。20歳のウィング、アリフ・アイマンに右サイドを突破されて放たれたシュートは、トレンガヌGKラーディアズリ・ラハリムが止められなかったもののゴールポストに救われます。その後も、JDTは右サイドにボールを集めますが、トレンガヌは190cm越えの長身パペ・ディアキテ、シャールル・ニザム、アザム・アズミらDF陣がJDTのエース、ベルグソン・ダ・シルヴァには仕事をする機会を与えず、守って機会を待つ戦術は少なくとも前半は功を奏しました。

逆に24分には、トレンガヌゴール前から出たボールに反応したファイズ・ナズミがカウンターから左サイドを上がり、JDTのラヴェル・コービン=オングがファウルで止めるも、主審が流しそこからチェチェ・キプレがJDTのGKファリザル・マーリアスと一対一になりながら、ゴールを止められるなど、トレンガヌは好機を作り、JDTには徐々にラフプレーが目立ち始めます。

そんな中、JDTに先制ゴールが生まれます。それまでもJDTは、相手スローインには、ボールをすぐに渡さないなど時間をかける一方で、自らのスローインは相手の選手が戻り切る前に素早く行うなどしていましたが、ここでもラインを割ったボールを素早くゴール前へ展開したJDTは、ベルグソン・ダ・シルヴァからレアンドロ・ヴェラスケスを経て出たパスをアリフ・アイマンがゴールし、JDTが1-0とリードします。

ただし、ハイライト映像を見てもわかりますが、このゴールの起点となったスローインがボールがラインを割った地点の遥か先で行われています。スローインをしようとしたラヴェル・コービン=オンがボールの出た地点にいますが、そこから数メートル離れた地点からのスローインが果たして有効なのかどうかには、正直、疑問が残るほどで、これを認めた審判のJDT贔屓(びいき)という声が上がる可能性があります。

ともかくカウンター狙いだったトレンガヌは、先に失点したことでラインを上げざるを得なくなり、その結果、JDTがリードを広げます。トレンガヌDFラインの裏に抜け出したベルグソン・ダ・シルヴァをGKラーディアズリ・ラハリムが倒してPKを与え、ベルグソン自身がこのPKを決めて、63分にJDTが2-0としました。

76分にはチェチェ・キプレのゴールでトレンガヌは1点様で迫ったものの、78分には再びトレンガヌの守備陣の間隙をついてベルグソン・ダ・シルヴァが再びゴールを決めて、再びリードを広げ、試合はこのままJDTが2点のリードを守り切って、今季一冠目となるFAカップを制しました。

2022年9月10日@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラ・ルンプール)
トレンガヌ 1-3 JDT
⚽️トレンガヌ:チェチェ・キプレ(76分)
⚽️JDT:アリフ・アイマン(34分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ2(63分PK、78分)
🟨トレンガヌ(1):マヌエル・オット
🟨JDT(5):マシュー・デイヴィーズ、シェーン・ローリー、ベルグソン・ダ・シルヴァ、レアンドロ・ヴェラスケス、ラヴェル・コービン=オング
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)

以下は試合のハイライト映像(映像はアストロアリーナのYouTubeチャンネルより

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