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JDTがクダに期限付き移籍中のシャフィク・アフマドの復帰を発表

Mリーグ1部スーパーリーグのJDTは、クラブ公式Facebook上で、同じスーパーリーグのクダに期限付き移籍してた代表FWのシャフィク・アフマドが、5月28日からのトランスファーウィンドウ期間にJDTに復帰することを発表しています。

2019年のFIFAワールドカップ2022年大会アジア予選から代表に招集されながら、新型コロナ禍の中でJDTではセカンドチームでもベンチ入りできなくなっていたシャフィク選手は、出場機会を得るために当初は1年間の期限付きでクダへ移籍と発表されていました。しかし、5月20日に発表された突然すぎるこの期限付き移籍終了については多くの憶測が飛び交っています。

ソーシャルメディアで話題になっているのは、クダ州首相でもあるムハマド・サヌシKFA(クダ州サッカー協会)会長のJDTのオーナーでジョホール州皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下に対する発言が今回の移籍期限の短縮の原因ではないか、という憶測です。

これまでもJDTやトゥンク・イスマイル殿下に批判的なコメントをすることが少なくなかったモハマド・サヌシKFA会長ですが、今回は「サッカーは皆のものであり、特定の個人のものではない。ましてや特定の個人を「崇拝」するべきではない。この国のサッカー界では非常に奇妙なことが何度も起こっており、マレーシアサッカー協会FAMがこれにどう対処するかに皆の関心が集まっている。」とソーシャルメディアに投稿し、さらにその一例としてヌグリスンビラン対JDT戦で試合が0-0の中、主審がロスタイムを10分間とったことを挙げています。

ソーシャルメディア上では、MリーグがJDTに有利になるように操作されているかのようなモハマド・サヌシKFA会長の発言に対して、イスマイル殿下が報復した結果がシャフィク選手の期限付き移籍終了だという指摘です。

クダのクラブ公式Facebookには、「JDTには有り余るほど選手がおり、今、シャフィク選手を呼び戻す必要はない。モハマド・サヌシKFA会長が余計なことを言わなければ、JDTは移籍期間を突然終了させることはなかっただろう。」といった類の投稿が見られる一方で、「JDTはまさに真実を指摘されたために傷ついた。モハマド・サヌシKFA会長の発言は間違っておらず、他のクラブも同様な考えを持ちながら、それを口にする勇気がないだけの話である。それを明らかにしたモハマド・サヌシKFA会長こそが正しい。」といった意見も見られます。

しかし今回の期限短縮は誰にとってもマイナスでしかないように思えるのも事実です。当初の希望通り出場機会を得ていたシャフィク選手は、JDTに戻れば、またベンチを温めることになりそうです。またAFCカップをおよそ1ヶ月後に控えるクダにとっては、引退を決めたDFチャン ソグォン、アキレス腱を痛めて今季絶望のFWデニス・ブシェニングと既に戦力ダウンとなる中、今季は2ゴールながら主力として第9節までのクダの試合全てに出場していたシャフィク選手を失うのは、アイディル・シャリン監督とクダにとって大打撃です。その原因はともかく、誰も得をしない今回の期限付き移籍終了の最大の被害者はシャフィク選手かも知れません。

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