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W杯アジア最終予選最終節、ベトナムは敵地で格上日本に1-1ドロー 脱東南アジアレベルへの第一歩

FIFAワールドカップ・アジア最終予選は3月29日にグループBの最終節、ベトナム代表と日本代表の試合がさいたまスタジアムで行われた。試合はベトナムが前半にCKから先制するも、後半に追いつかれて1-1のドローに終わった。特に終盤は押し込まれる展開が続き、シュートの雨を降らされたが、日本に逆転を許すことはなく、アウェイで意味ある勝ち点1を獲得し、初参戦の最終予選を終えた。

ここまで1勝8敗で予選敗退が決まっているベトナムは、新型コロナ陽性者と怪我人が多く、戦力的に不安を抱える中、専属通訳まで入国後に陽性判定を受けて隔離される緊急事態。一方の日本は前節の結果でワールドカップ出場を決めており、最終節は大幅にスタメンを入れ替えてきた。

ベトナムは格上日本に序盤からボールを握られたが、守備陣がしっかりブロックを敷いて日本の攻撃をしのいでいく。試合が動いたのは19分、ベトナムが左CKのチャンスを得ると、キッカーを務めたFWグエン・コン・フオンが上げたボールを若手CBグエン・タイン・ビンが頭で決めて先制。さらに攻勢を強める日本だったが、ベトナムも落ち着いた守備を見せて、大方の予想に反しベトナムが1点をリードして前半を折り返す。

後半に入ると、日本が攻撃のギアを加速し、54分にDF吉田麻也のゴールで同点とする。ホームでの引き分けを良しとしない日本はその後もベトナムゴールに牙をむき、ベトナムは防戦一方の展開。70分にはMF田中碧のゴールがVAR判定でノーゴール、80分にはFW上田綺世にゴールネットを揺らされるもオフサイド。急増ディフェンスラインのベトナムは再三危ないシーンを迎えたが、ぎりぎりのところで踏ん張り、試合は1-1のままホイッスル。

ベトナムは最終予選ラストマッチとなるアウェイの日本戦で勝ち点1を追加。1勝8敗1分の勝ち点4、グループB最下位という成績で初参戦の最終予選を終えた。上位陣との力の差を痛感する最終予選となったが、東南アジアの国として最終予選で史上初の勝利を収めるなど一定の成果はあった。ベトナムは2026年のワールドカップ出場を目指している。東南アジアレベルを抜け出して、ここからどれだけアジアの列強との差を縮められるか…。既にベトナムの新たな挑戦は始まっている。

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