W杯初出場を決めたベトナム女子代表、日々の苦しい生活と男子代表との格差 待遇改善に必要なこととは?
インドで開催されたAFC女子アジアカップ2022(兼FIFA女子ワールドカップ2023予選)の5位決定プレーオフを勝ち抜き、史上初のワールドカップ出場権を獲得したことで、ベトナム女子代表(通称ゴールデンガールズ)が脚光を浴びている。大会前のスペイン遠征で新型コロナクラスターが発生し、メンバー不足で出場すら危ぶまれた危機的状況から不屈の精神で見事な復活を遂げた。
新たな歴史の1ページを刻んだベトナム女子代表には、既に100億VND(約5000万円)近くの報奨金が贈られることが決定しており、女子サッカーの持続的な発展のために投資を働きかける声が各方面からあがっている。同じようなことは今までに何度もあったが、はたして今回こそは実現するのだろうか。
ベトナムの女子サッカーを取り巻く環境が非常に厳しいものであることは、多くのサッカーファンが知っている。サッカーだけでは生活が出来ず、副業を余儀なくされたり、工場労働者に転職する選手も後を絶たない。国民が大きな関心を寄せる男子代表チームと比べ、注目度が低いベトナム女子代表だが、国際的な成績では完全に女子チームが男子チームを上回っている。ベトナム女子代表はSEA Gamesで優勝6回、AFF女子選手権で優勝3回を数える現東南アジア女王であり、毎回あと一歩のところで手が届かなかったW杯もついに出場を決めた。
ベトナム女子代表が国際大会で目覚ましい結果を残すたび、メディアやファンは称賛の声を上げて一時的なブームを巻き起こすが、そんな一過性の熱はすぐに冷めてしまう。
(残り 2754文字/全文: 3484文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ