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Vリーグ2020戦力分析、SLNAサッカー王国ゲアンは死せず

ソンラム・ゲアン(SLNA)は例年通り、厳しい状況の中で新シーズンの準備を続けている。しかし、伝統あるサッカー王国SLNAを今季から指揮するゴー・クアン・チュオン監督は、1部残留の目標達成に向けて自信をのぞかせている。

資金難のSLNAは今年も主力が大量流出

SLNAも今季から指導陣と戦力の顔触れが大きく変わったクラブの一つだ。資金難に悩まされるSLNAから、主力が流出するのは毎年のこと。今オフにも、ローカル選手のうち代表クラスを含む5~6人が他クラブへ移籍し、昨季活躍したDFダミル・メモヴィッチ(HAGL)とFWオラハ(イスラエルリーグ)の助っ人コンビも退団した。

これにより、チームは若手重視にシフトすることを余儀なくされ、下部組織から多くの選手をトップチームに引き上げた。この他、新外国人選手3人を獲得しているが、フィットするかは未知数。今季の補強で唯一と言っていい注目株は、ベトテルFCに移籍したGKチャン・グエン・マインの後釜として獲得したGKグエン・バン・ホアンだ。サイゴンFCから移籍加入した同選手は、U-23代表の招集歴もある実力者。

経験不足のチーム。それでもサポーターは1部残留を確信

SLNAの今季所属選手を見てみると、最年長は33歳、最年少は20歳。全体的にもかなり若返った印象だ。ゲアン省はベトナムにおけるサッカー王国であり、サッカー人口も多い。さらに、SLNAは極めて優秀な下部組織を持つので、トップチームから毎年代表クラスが去っても、才能が枯渇することはない。とはいえ、若手主体の今季チームは、明らかに経験不足のため、今年は厳しいシーズンになると予想される。

SLNAはこのところ、積極的にプレシーズンマッチを行っており、チーム内の競争力を強めているが、それでも、まだ実践練習が不足している。資金不足で、遠征が難しいため、対戦相手はもっぱら近隣のライバルクラブだ。

もはやSLNAは、かつてのように優勝が狙えるクラブではない。それでも、決して2部に降格することなく、しぶとく1部で戦っているのは、さすが伝統あるサッカー王国ゲアンといったところ。ゲアンの人々は、自分たちのサッカーを誇りに思っている。本拠地ビン・スタジアムは、今年も黄色の旋風で吹き荒れるだろう。

ソンラム・ゲアン(SLNA)
– 本拠地:ビン・スタジアム(SVD Vinh:1万8000人収容)
– 監督:ゴー・クアン・チュオン
– 昨季成績:7位
– 戦力評価:C
– 今季予想:7位

移籍選手
-OUT:
MFホー・カック・ゴック、GKチャン・グエン・マイン(ベトテル)、MFレ・マイン・ズン(ハティン)、MFレ・テー・クオン(ハイフォン)、MFボー・ゴック・トアン、DFチャン・ディン・ホアン(SHBダナン)、DFメモヴィッチ(HAGL)、FWオラハ(ハポエル・テルアビブ)
-IN:
GKグエン・バン・ホアン(サイゴン)、MFブオン・クオック・チュオン(タインホア)、MFブイ・ディン・チャウ、DFグエン・バー・ドゥック、MFグエン・バン・ベト、MFチャン・ティン・ティエン、MFチャン・ゴック・アイン、DFダン・バン・ラム、DFグエン・バン・ドゥック、MFタイ・バー・サン、GKホー・バン・トゥ(SLNA下部組織)、FWピーター・オネディカチ、FWムサ・タチ、DFサシャ・ノバコヴィッチ(フリー)

今季所属選手
GK:
ホー・バン・トゥ、グエン・バン・ホアン、チャン・バン・ティエン
DF:
ボー・ゴック・ドゥック、ファム・テー・ニャット、ホアン・バン・カイン、チャン・ディン・ドン、グエン・シー・ナム、グエン・バー・ドゥック、レ・タイン・ラム、マイ・シー・ホアン、タイ・バー・サン、ボー・ゴック・ドゥック、ノバコヴィッチ(※クロアチア)
MF:
グエン・クアン・ティン、ブオン・クオック・チュン、ブイ・ディン・チャウ、ホー・シー・サム、ファム・バン・ドゥック、ファム・スアン・マイン、グエン・フー・グエン、チャン・ゴック・アイン、ダン・バン・ラム、グエン・バン・ベト、チャン・ディン・ティエン、カオ・スアン・タン
FW:
ホー・トゥアン・タイ、ホー・フック・ティン、ピーター・オネディカチ(※ナイジェリア)、FWムサ・タチ(※ナイジェリア)

開幕5試合の対戦カード
サイゴン – SLNA(A)
SLNA(H) – ビンズオン
SLNA(H) – SHBダナン
タインホア – SLNA(A)
ハノイ – SLNA(A)

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