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J2水戸ホーリーホック、ベトナム1部SLNAと包括的連結協定

J2水戸ホーリーホックは12月19日、ベトナム1部ソンラム・ゲアン(SLNA)との間で、両クラブの発展や人材育成を主目的とした包括的連携協定を締結したと発表した。契約期間は2024年1月1日~2024年12月31日。

水戸ホーリーホックは「人が育ち、クラブが育ち、街が育つ」というミッションを掲げ、トップチーム選手だけに限らず、アカデミー所属の選手やフロントを含めた全てのスタッフの人材育成に力を入れている。クラブ内では独自の人材育成プログラムや研修スキームの確立に加え、近年では海外クラブとの育成業務提携など、育成型クラブとしての成長戦略を立ててきた。

Photo:SLNA FC

そして今回、 精米加工販売・養豚・機械製造・小売店舗運営などを手掛ける地場タンロン・グループ(Tan Long Group)の協力により、SLNAと包括的連携協定が実現。

今回の提携では、クラブマネジメントやスタッフの人材育成システムなど、バックオフィス業務の質や価値の向上を目的とした取り組みを実施し、将来的にはアカデミーを含めたより多くの交流や両クラブを取り巻く自治体やパートナーも巻き込んだ多角的な関係性の構築を目指す。

両クラブの交流は2023年に入ってから開始され、様々な関係者が両国・両クラブ間を行き来しながら意見交換などを行ってきた。その中で双方の信頼関係が構築されてきたことを受けて、正式に連携協定を締結する運びとなった。

今年1月には、タンロン・グループ会長のチュオン・シー・バー氏が、水戸ホーリーホックのクラブハウスを視察し、意見交換を実施。同年5月水戸ホーリーホックの上園アカデミーダイレクターらがゲアン省ビン市を本拠地とするSLNAを訪問し、ベトナムサッカー連盟(VFF)チャン・クオック・トゥアン会長も同席し、若手育成や指導者交流の実現について協議。さらに同年10月には、Jリーグの取り組みを通じ、SLNAユース所属選手2名(+コーチ1名)が水戸ホーリーホックユース/トップの練習に参加した。また、同年11月には水戸ホーリーホックユースがベトナムで開催された「U-17 New Generation Cup 2023」に出場している。

なお、SLNAはベトナムを代表するプロサッカークラブの一つ。ゲアン省は、国内随一のサッカーどころとして知られ、これまでに数多くの代表選手を輩出してきた。若手育成には定評があり、アンダー世代のベトナム選手権では今も目覚ましい成績を残している。一方で、近年はトップチームが低迷。下部組織出身の主力選手が契約満了の時期を迎えると、より良い待遇を求めて移籍するという流れが続いており、戦力が安定しないのが主な原因だ。2023-2024シーズンもここまで苦戦を強いられており、第6節を終えた現時点で14チーム中11位に沈んでいる。

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