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【訃報】ベトナム1部HAGLの選手・スタッフ、3人が交通事故死

ベトナム1部ホアン・アイン・ザライ(HAGL)はこのほど、アシスタントコーチのズオン・ミン・ニン氏、ブラジル出身のポルトガル人FWパウロ・マデイラ・オリヴィエラ氏、メディカルスタッフのダオ・チョン・チー氏の3人が交通事故で死亡したと明らかにした。

Photo:Tuoi Tre

8月12日午後3時ごろ、3人を乗せた乗用車は、ダクラク省からザライ省に戻るため、国道14号線を走行中に後方からトラックに追突された。コントロールを失った乗用車はそのまま対向車線に押し出され、前方から走ってきたトラックに衝突。乗用車は、前後からトラック2台に挟まれる形となって大破した。この事故で、ズオン・ミン・ニン氏とパウロ・マデイラ・オリヴィエラ氏、メディカルスタッフのダオ・チョン・チー氏が死亡。乗用車の運転手は重傷で、搬送先の病院で集中治療を受けている。

ズオン・ミン・ニン氏は、ザライサッカー発展の歴史の証人ともいえる人物だった。ドアン・グエン・ドゥック会長がザライスポーツ総局からクラブを引き継ぎ、HAGLを設立する以前から、ニン氏はクラブのストライカーだった。HAGLはその後、タイ代表FWキャティサック・セーナームアン(現HAGL監督)らを擁するドリームチームを結成し、Vリーグ優勝を経験。

ニン氏は、2003シーズンのVリーグを制した後、若手にポジションを奪われて現役を退く形となったが、2007年にHAGL JMGアカデミーが設立されて以降は、フランス人指導者ギリアム・グレッチェン監督のアシスタント役を任された。その後、HAGLとU-19・U-22ベトナム代表のアシスタントコーチを務めてきた。2017年には短期間だが、HAGLトップチームの監督も務め、現キャティサック監督体制でも、監督の右腕として働いていた。

FWパオロは、今季HAGLの得点源として活躍し、17試合に出場して6ゴールを記録。HAGLに加入する以前は、同1部ホンリン・ハティン(HLHT)でプレーしており、Vリーグ移籍後の初シーズンとなった2022シーズンは23試合に出場して8ゴールを挙げた。

メディカルスタッフのダオ・チョン・チー氏は、チームドクターのドン・スアン・ラム氏のアシスタントで、HAGLトップチームだけでなく、ユースチームの試合にも頻繁に帯同していた。

HAGLは、8月11日にゲアン省で行われたVリーグ1-2023グループBの最終節ソンラム・ゲアン(SLNA)戦に0-1で敗れて10位でフィニッシュ。その後、チームは現地で解散してオフに入ったが、事故に遭った3人はHAGLの本拠地であるザライ省に戻ることになっていた。ゲアン省ビン空港からバンメトートに到着し、クラブが送迎の車を出したが、ザライ省に戻る途中で悲惨な事故に巻き込まれた。

地元メディアの取材に応じたドゥック会長は、「事故の知らせに大きなショックを受けている。クラブにとって大きすぎる損失だ」と話した。

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