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【Vリーグ2023戦力分析】ハノイ公安FC:昇格組ながら大型補強で銀河系軍団に変貌

久々の1部リーグ参戦となるハノイ公安FC(昨季までの人民公安FC)だが、リーグ制覇への野心をのぞかせており、今オフは前代未聞の大型補強を敢行。ベトナム代表の主力クラスとベトナム代表候補を大量に獲得して「銀河系軍団」に生まれ変わった。

正式名称:ハノイ公安FC
略称:CAHN
設立:1956年
本拠地:ハンダイ・スタジアム(SVĐ Hàng Đẫy:2万2500人収容)
監督:🇧🇷パウロ・フォイアニ
主な獲得タイトル:ベトナム全国選手権(1984), Vリーグ2(2022)

昨季の成績(Vリーグ2:1位 12勝3敗7分 得点37 失点15)

過去2シーズン、人民公安FCは他クラブから優秀な若手を期限付き移籍で獲得して陣容を整えていた。2022シーズンはハノイFCやホアン・アイン・ザライ(HAGL)から有力選手を補強。タック・バオ・カイン監督の手腕もあり、Vリーグ2で優勝して悲願の1部昇格を決めた。公安省傘下のサッカークラブはかつて、ベトナムで一時代を築いた歴史がある。1980年にはVリーグの前身である全国A1選手権で準優勝。翌年もトップ3に入り、1984年の選手権では優勝している。国内1部リーグがディヴィジョン1と呼ばれていた1997年~2000年には、1999シーズンに準優勝に輝いている。

しかし、Vリーグが本格的にプロ化の道を歩み始めると、警察や軍隊を含む公安省傘下のサッカークラブは徐々に衰退し、次々と国内リーグから姿を消していった。2008年4月、グエン・カイン・トアン上級大将が人民公安FCの設立を決定し、同年のディヴィジョン3(4部相当)に参戦。2009年にはディヴィジョン2(3部相当)に所属していた第7軍区FCを買収して吸収。その後の10年間、人民公安FCは2部と3部を行ったり来たりする長い低迷の時期を過ごした。

一貫性のない強化戦略に終止符を打つべく、公安省は2020年、人民公安FCプロサッカー発展戦略を打ち出してプロジェクトチームを発足させた。的確な補強により、毎年一つずつカテゴリーを上げてVリーグ1に参戦することを目標に掲げ、2022シーズンのVリーグ2を制して見事1部昇格を果たした。

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