ベトナムサッカー躍進の立役者たちの知られざる秘話　第1回　代表監督を探しにいこう。某有名日本人監督にフラれて韓国人監督にシフトチェンジ。

2022年10月29日 12時00分　
カテゴリ： A代表 • 代表 • 編集長コラム・インタビュー
タグ : HAGL • pickup • ドアン・グエン・ドゥック • パク・ハンソ • ベトナム代表 • ホアン・アイン・ザライ • 東南アジア

5年にわたる指導により、ベトナム代表を躍進させたパク・ハンソ監督が契約満了により2023年1月末に退任することが正式に決まった。タイニエン(青年)新聞はこれを機に、パク氏と親交が深いベトナム1部ホアン・アイン・ザライ(HAGL)のグエン・タン・アインCEO兼GMに執筆を依頼し、希代の指導者がベトナム代表を率いるに至った経緯などについて特集記事を掲載した。

パク監督はこの5年間、FWグエン・コン・フオン、MFグエン・クアン・ハイ、FWグエン・バン・トアン、MFグエン・トゥアン・アイン、MFルオン・スアン・チュオン、MFグエン・ホアン・ドゥック、MFドー・フン・ズン、DFドアン・バン・ハウといった最も才能に恵まれた世代を率いて、ベトナムサッカーを東南アジア最強の座に導き、アジアで戦えるレベルまで引き上げた。

HAGLのドアン・グエン・ドゥック会長(前ベトナムサッカー連盟(VFF)副会長)がベトナム代表監督を探す中で、幸運にもパク氏と巡り合い、以降多くの忘れがたい思い出が作られた。ベトナムサッカーに多大な貢献を果たしたパク氏、ドゥック氏、VFF首脳陣、イ・ドンジュン氏(パク氏の代理人)に感謝を込めて、この5年間でベトナムサッカーに起きた奇跡と、これまでの知られざる物語を綴っていきたいと思う。

惨敗に終わったSEA Games 29とVFFの決意

2017年8月24日、黄金世代と称され、金メダルが期待されていたU-23ベトナム代表は、U-23タイ代表に0-3で敗れて東南アジア競技大会(SEA Games 29)でグループリーグ敗退という屈辱を味わった。試合後、グエン・フー・タン監督が辞任。悲観的な空気が国中に漂っていた。

Photo:Thanh Nien

当時のVFF会長レ・フン・ズン氏は、ベトナム代表の次期監督を探すべく緊急会議を開いた。この席でズン氏は次のように話した。

「この世代には、HAGLアーセナルJMGアカデミーで育った優秀な選手や、FIFA U-20ワールドカップに初出場した有望選手たちがいる。若い彼らの力を伸ばすことができる優秀な指導者が必要だ。来るAFC U-23選手権2018はこの世代にとって重要な大会になる。」

VFFは、当時の副会長であるドアン・グエン・ドゥック氏に対し、新監督探しと給料の金策を一任した。この時のベトナム代表は成績が低迷していたため、VFFには十分な資金がなかった。しかし、この沈みかけの船の舵を任せるに足る信頼できる船頭を連れてくるためには、相応の金を支払う必要があった。

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