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Vリーグ観戦記、コロナ再燃で無観客試合となったサイゴンFCは今季2勝目 松井大輔と禹相皓が先発

約2か月ぶりに新型コロナウイルス(COVID-19)の市中感染者が北部地域(東北部クアンニン省と紅河デルタ地方ハイズオン省)で確認されたベトナム。今回の市中感染は、感染力の強い変異種ウイルスによるものとみられ、僅か数日の間に、多くの地域で新規感染者が見つかっている。

政府と各自治体が防疫強化を指示しており、震源地となった複数の都市がロックダウン。感染拡大を受けてVリーグは第3節の7試合中5試合が急遽中止に。2試合が無観客試合となった。このあたりの初動の速さはさすが一党支配のベトナムである。

開幕戦で約1万5000人の観客を動員したサイゴンFCのホーム、トンニャット・スタジアム。無観客試合がアナウンスされたのは試合当日だった。

この試合は、国内随一の熱狂的なサポーターを持つソンラム・ゲアン(SLNA)との対戦で。SLNAサポーターは数日前から遠征準備をして「トンニャットを黄色に染めろ!」と息巻いていたが、トンニャットで行われる同一カード2年連続の無観客試合にサポーターたちは落胆していた。

この試合では、背番号10を背負うキャプテンの松井大輔がスタメン復帰。今年40歳を迎える大ベテランの松井は中盤で攻守のバランスを調整。浮き球のコントロールや細かいスペースでのボールさばき、前を向いた時のドリブル突破はさすが。

MF禹相皓(ウ・サンホ)は開幕から3試合連続の先発。豊富な運動量だけでなく、ロングスローという飛び道具もあり、既にサイゴンFCの重要な戦力となっている。この試合では鋭い飛び出しから惜しいシュートを放ったほか、計6本のロングスローを放った。

試合は前半からホームのサイゴンFCがボールを支配したが、決め手に欠いて前半をスコアレスで折り返す。SLNAは累積警告でレギュラーのセンターバック2枚を欠いたほか、エースのMFグエン・バン・ドゥックも怪我を押しての出場で精彩を欠いた。

後半もサイゴンFCが押し気味に試合を進め、68分にアルゼンチン出身帰化FWドー・メルロのゴールで先制。勝ち点を得るためには、攻めるしかなくなったSLNAはここから反撃を見せるが、攻撃に厚みがなく、サイゴンFCのゴールを脅かすには至らない。

結局、試合はこのまま1-0でホイッスルが鳴り、サイゴンFCがホームで今季2勝目を挙げた。主力を欠いた相手に攻めあぐねたものの、ホームで大きな勝ち点3をゲット。なお、この試合で松井は移籍後最長となる84分までプレー、禹相皓はフル出場で勝利に貢献した。

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