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Vリーグ2021戦力分析、松井大輔も加入で日本化を進めるサイゴンFC 下馬評の低さを覆せるか

昨季クラブ史上最高のリーグ3位という成績を残したサイゴンFC。しかし、今オフにはトップチームから主力を含む大量20人もの選手が退団し、クラブに激震が走った。新会長に就任したチャン・ホア・ビン氏はこの事態を受けて戦力刷新を進め、今季は大半の選手が新加入。特筆すべきは、元日本代表MF松井大輔を含むJリーグ経験者4人の加入だ。サイゴンFCは昨年、FC東京と業務提携を結んでおり、今季から複数の日系スポンサーがつくなど急速にクラブの日本化が進んでいる。在ベトナム邦人の間で話題沸騰のサイゴンFCは今季もトップ3を目標に掲げているが、多くの専門家が昨季の再現は難しいと見ている。

Vリーグのクラブがトップチームの選手を総入れ替えするというのは、過去にもあるにはあった。記憶に新しいのは、2015年の1部ホアン・アイン・ザライ(HAGL)だ。HAGLは下部組織であるHAGLアーセナルJMGアカデミーの若手を昇格させて、それまでトップチームにいた選手の殆どを契約解除とした。昇格した若手の中には“ベトナムのメッシ”ことFWグエン・コン・フオンをはじめ、現在のトップチームの主力となる選手が多数いたが、プロ経験のない若手だけで長いシーズンを戦うのは難しく、チームは以降、長い低迷期に入ることになった。


この他、キエンロンバンク・キエンザンFCが1部に昇格した時もトップチームのメンバーを総入れ替えしたが、このような改革を行った過去のクラブは例外なく、次のシーズンで大苦戦している。加えて今季サイゴンFCが獲得したローカル選手の殆どはトップリーグで目立った実績がない、ほぼ無名の選手たち。こうしたことから、サイゴンFCが昨季の上位争いから一転して、下手をしたら今季は残留争いを強いられると予想するのは至極当然のことだ。

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