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レ・コン・ビン物語 “ベトナムの英雄”と呼ばれた男 第八回「俺はジャイアン、ガキ大将」

レ・コン・ビンが自身の半生をつづった自伝『Phut 89(89分)』。ここには“ベトナムの英雄”と呼ばれた男の幼少期から現在までが記されている。国内最貧困地域の一つゲアン省で真っ黒になってボールを追いかけた少年時代、プロサッカー選手となり、人気歌手Thuy Tienと家庭を築くまで。自伝の中では、幼少期のことだけでなく、八百長や暴力などVリーグを取り巻く様々な問題についても赤裸々に語っている。出版社が発売を記念して、一部の項を公開。その内容を連載で紹介していく。

ビンはジャイアン、ガキ大将

正直に話すと、僕が叩いたことがあるのはこの時の女の子だけじゃない。男の子も叩いたことがある。あれはThuy Tienと結婚後、ビン市の自宅を訪問するために飛行機で帰省した時のことだ。機上で偶然、古い友人に会った。彼は僕を見ると嬉しそうな顔をして、僕を抱きしめてこう言った。

「ビン、僕のこと覚えてるか?忘れるわけないよな。中学の同級生だよ。仕事はどう?お前すごい有名になったな」それからしばらく、僕たちは思い出話に花を咲かせた。

「古い友人たちは今頃どこで何をしているのか?結婚したのか?先生たちはまだ教壇に立っているのか?」

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