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Vリーグ2022戦力分析、“テーコンの末裔”ベトテルFC 今季はクラブのアイデンティティ確立を目指す重要シーズン

変わるトップチームの顔触れ

他クラブから獲得したスター選手たちが次々とチームを去り、今季のベトテルFCは生え抜き選手を中心とした所謂「テーコンの末裔」で構成されるメンバー構成に変貌を遂げている。ベトテルFCは、かつて存在した国民的クラブ「テーコンFC(軍隊サッカークラブ)」の下部組織を母体に設立されたクラブで、今なおテーコン時代のファンから熱心に応援されており、生え抜き選手を重用する動きはファンから概ね歓迎されている。

ベトテルFCは2019年の1部昇格以降、積極的な戦力補強を敢行。その甲斐もあって補強戦力と既存戦力が上手くかみ合った昇格2年目の2020シーズンには早くもリーグ優勝を果たした。テーコン時代に5回の優勝経験(1981-1982、1982-1983、1987、1990、1998)があるが、ベトテルFCとなってからは2020年が初優勝だった。

しかし、今オフには他クラブから補強したDFクエ・ゴック・ハイ、MFグエン・チョン・ホアン、MFブー・ミン・トゥアンといったベトナム代表クラスのスター選手が揃って退団。今季は生え抜きの若手を育てながらリーグ戦を戦うことになる。

思い返せばチュオン・ベト・ホアン監督は、昨シーズンから若手を積極的に起用しており、ベテラン勢がチームを去った時に備えて準備していた。ベトナム代表主力クラス3人が一気に抜けた場合、他のクラブなら危機的な状況に陥るだろうが、用意周到なベトテルFCはその限りではない。

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