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EURO2020の試合会場に多数のベトナム国旗が出現 なぜ?

UEFA欧州選手権(EURO)2020は7月2日、ロシア・サンクトペテルブルクで準々決勝、スイス代表とスペイン代表の試合が行われ、PK戦の末(1-1(3-1))にスペインがベスト4進出を決めた。世界中で注目されるEUROだが、準々決勝のスタジアム観客席のいたるところに大会と関係がないベトナム国旗が多数映し出されたことが話題となっているようだ。

サッカー大好きのベトナム人がワールドカップ本大会やEUROなどの国際大会を現地で観戦する際、母国の国旗「金星紅旗(Cờ đỏ sao vàng)」や応援する故郷のクラブの旗を持ち込むことは珍しいことではない。

Photo:Thanh Nien

政治的な主張があるのではないかと勘繰る人もいたようだが、そういった話ではなく、単にEUROのような世界的に注目される舞台で祖国愛と郷土愛を表現し、母国の仲間に届けたいという感情から来る行動だ。サッカー観戦の際に(ベトナム代表の試合でなくとも)国旗を模したTシャツを着用するファンも大勢いる。ベトナム国民にとって、このシャツはサッカー観戦の定番、正装のようなもの。

EURO準々決勝では、バックスタントの中央やゴール裏などテレビ映えする箇所に大きなベトナム国旗があったので、非常に目立ち、国内外でも話題となった。

準々決勝が行われたクレストフスキー・スタジアムは、ロシア北西部のサンクトペテルブルクにあり、この地には多くのベトナム人が居住している。

異国で暮らすベトナム人コミュニティは、母国の文化とアイデンティティを大切にしており、建国記念日やフン王の命日、旧正月(テト)といった祝日には仲間内で集まってお祝いをする。これは日本で暮らすベトナム人も同様だ。

SNS上などで影響力のある有名人が国際大会の会場にベトナム国旗を持ち込むことも珍しくない。記憶に新しいところでは、2018年のワールドカップを現地観戦したフリースタイルフットボールのスターであるドー・キム・フックとミス・ユニバースベトナムトップ10のグエン・ティ・ゴック・ヌーがベトナム国旗を持って試合を観戦していた。

Photo:An Ninh Thu Do

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