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Vリーグ2021戦力分析、地域色が際立つ“プロビンチャ”SLNAは今季も残留濃厚

ソンラム・ゲアン(SLNA)が毎年のように主力が流出しながらも、しぶとく1部に残留を続けるには理由がある。特徴的なのは、殆どが地元と近隣省の出身選手で揃えている点。これはゲアンがベトナムにおけるサッカー王国と呼ばれる所以でもあり、この地は“英雄”レ・コン・ビンや“天才”ファム・バン・クインをはじめ、これまで数多くのベトナム代表選手を輩出してきた。資金力に乏しいSLNAは毎年のように代表クラスが流出するが、その都度、下部組織から有望な若手を引き上げてトップチームで育てる。こうした仕組みでプロビンチャのSLNAは、国内で最も優秀な若手育成組織として存在感を示してきた。ゲアン省の人々はベトナム全国で出稼ぎしており、遠く離れたアウェイでも大勢のサポーターがスタンドから声援を送り、会場を自分たちのホームに変えてしまう。ゲアンの民の誇りであるSLNAは、対戦するどのクラブにとっても容易く打ち負かせる相手ではない。

SLNAは新シーズンに向けて11月中旬からトレーニングを開始した。今オフには、生え抜きスターの元U-23ベトナム代表FWホー・トゥアン・タイがホーチミン・シティに移籍したものの、例年ほど大量の戦力が流出することはなかった。最も大きかったのは、主将を務めるDFホアン・バン・カインが残留したことだ。昨季サイゴンFCから加入したGKグエン・バン・ホアンも大きく成長して守護神と呼ぶにふさわしい存在となり、生まれ故郷のクラブであるSLNAとの契約を1年更新した。

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