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ベトナム1部ナムディンFC、ブラジル人FWラファエルソンの帰化手続きが完了 国内最強FWグエン・スアン・ソン爆誕

ベトナム1部テップサイン・ナムディンFCは9月20日夜、ブラジル人FWラファエルソン(27歳)のベトナム国籍取得手続きが完了して、正式にベトナム国民となったことを発表した。同選手は今季からベトナム名である「グエン・スアン・ソン」で選手登録しているが、先日開催されたVリーグ第1節では帰化の承認待ちだったため、試合出場が出来なかった。

2020年からVリーグでプレーしているラファエルソンは今年、5年以上ベトナムに定住していることという国籍取得の条件を満たしたため、ベトナム代表に貢献したいという予てからの希望もあり、帰化を決意。既に必要な書類を提出したことが報じられていたが、このほど当局から正式に帰化が承認された。

Photo:Nam Dinh FC

ラファエルソンは、ブラジルのヴィトーリア下部組織出身で2015年にトップチーム昇格。2018年には当時J1のベガルタ仙台に所属したが、日本では怪我の影響もあって活躍できなかった。その後、デンマーク1部ネストヴェズBKを経て、2020年にベトナム1部ナムディンに移籍。当時のナムディンは弱小で残留争いを強いられたが、6ゴールを挙げて1部残留に貢献。ラファエルソンはその後もSHBダナン、ビンディンとベトナムのクラブを渡り歩き、2023-2024シーズンに古巣ナムディンに復帰した。

直近の2シーズンで決定力が開花しており、2023シーズンと2023-2024シーズンで2季連続の得点王に輝いた。特に2023-2024シーズンは31ゴールの大暴れで、ナムディンのリーグ優勝の原動力となり、Vリーグのシーズン最多得点記録を樹立したほか、年間MVPにも選出された。

晴れて帰化が認められたラファエルソン、もといグエン・スアン・ソンは、「今日は幸せな一日だ。ベトナム国民になりたいという夢がかなった。この国を愛しているし、みんなが喜んでくれるようピッチではベストを尽くしたい」と語った。

パク・ハンソ監督時代に黄金期を迎えたベトナム代表は、フィリップ・トルシエ前監督体制となって以降低迷している。現在チームを指揮しているキム・サンシク監督にとっては、リーグ最強のストライカーを招集することが可能となり、年末のASEAN三菱電機カップに向けて攻撃の選択肢が大きく増えることになる。

ベトナムにルーツを持たない帰化選手の代表入りを長年にわたり拒んできたベトナムサッカー連盟(VFF)が、グエン・スアン・ソンを迎え入れるか否か、多くのファンが注目している。

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