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ベトナム人サッカー選手の収入の大半を占める契約金「Tiền lót tay」とは何か?

ベトナム人サッカー選手の収入の大半を占めていると言われる「Tiền lót tay(契約金:一般に袖の下の意)」。これはフリーとなった選手が新規に契約する際に発生するもので、月俸を大きく上回る金額が支払われることが多い。契約期間を残す選手を獲得する際にクラブ間で発生する移籍金とは全く異なるもので、契約金は選手本人の収入となり、クラブ間との同意により、一括で受け取るか、分割で受け取るかを決定する。

これに付随して説明しておきたいこととして、ベトナムサッカーで頻繁に見られる「10年契約」という現象がある。これは下部組織と若手選手が交わす契約で、5年や8年、最長で10年の長期契約を結ぶことにより、選手を拘束する効力がある。クラブが不条理な契約を選手に強制する背景には、手塩にかけて育てた選手を手放したくないとする意志が働いている。この期間内に移籍する場合、高額な違約金が発生するため、期間中に他クラブへ完全移籍するというケースは国内で非常に稀。また、この長期契約中は選手に支払う給与をかなり低額に抑えることができるというのも、クラブにとってはメリットになっている。

Photo:CAHN

下部組織との長期契約が満了となるのは、選手が20代半ばに差し掛かる頃。ここでフリーとなった有力選手は、現所属クラブであっても、移籍先のクラブであっても、新規で契約を結ぶ際に契約金が発生する。選手獲得のために契約金を支払う習慣は2007年ごろに始まった。当時2部ビッサイ・ニンビンFCのホアン・マイン・チュオン会長が他クラブからフリーの有力選手を補強する際、月俸に加えて加入条件として、3年18億VNDの契約金を提示するようになったのが始まりとされる。これ以降、各クラブは高額契約金を餌にスター選手を獲得するようになり、移籍市場でクラブ間の競争が生まれた。

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