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【Vリーグ2023戦力分析】ホアン・アイン・ザライFC:脱”幻の黄金世代”で新時代へ

今オフにスター選手が次々と退団したことで、今季のホアン・アイン・ザライFC(HAGL)に対する評価は一般的に著しく低いものとなっている。しかし、この状況は、これまで干されていた日陰の選手たちの野心に火をつけ、レギュラー獲りを狙う若手の成長を加速させるチャンスでもある。

Photo:Doisong vietnam

正式名称:ホアン・アイン・ザライFC
略称:HAGL
設立:1976年
本拠地:プレイク・スタジアム(SVĐ Pleiku:1 万人収容)
監督:🇹🇭キャティサック・セーナームアン
主な獲得タイトル:Vリーグ(2003,2004),ベトナムカップ(2003,2004)

昨季の成績(Vリーグ1:6位 7勝6敗11分 得点26 失点24)

「失望」という二文字の言葉は、HAGLのファンが最もよく口にする言葉だ。長い低迷期を抜けた2021シーズン、攻守が嚙み合った素晴らしいサッカーを展開し、新型コロナでリーグ戦が打ち切りとなった第12節時点で首位に立ったHAGL。しかし、2022シーズンは前シーズンが嘘だったかのように低調なパフォーマンスに終始。特にシーズン後期には11試合勝ち星なしという体たらくで、ファンをやきもきさせた。

最も深刻なことは、ベトナム代表にも名を連ねるHAGLのスターたちが魂の抜けたような怠慢なプレーをしているとファンが感じていたことだ。これは以前から指摘されていたことでもある。この7シーズンというもの、HAGLは下部組織であるHAGL JMGアカデミーの第1期生を中心メンバーに添えてチーム強化を図ってきたが、この間メンバーがほぼ固定されており、チーム内の競争が徐々に低下していった。かつて黄金世代と呼ばれた1期生らが円熟期を迎えていただけに、ファンの期待は大きかったが、それを裏切る結果となった。

失望のシーズンを終えたHAGLは今季、大きく陣容が様変わりしている。FWグエン・コン・フオンやFWグエン・バン・トアン、DFブー・バン・タイン、DFグエン・フォン・ホン・ズイ、MFルオン・スアン・チュオンなど中心選手だった第1期生の多くが退団。HAGLは大金を投じてスターを残留させるのではなく、これまで実力がありながらも出場機会に恵まれなかった者を登用したり、下部組織出身の若手を育てることで、地道にファンの信頼を取り戻す道を選択した。

(残り 2195文字/全文: 3235文字)

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