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横浜FC加入のFWグエン・コン・フオン、ベトナムメディアのオンライン取材に応じる

ベトナム1部ホアン・アイン・ザライ(HAGL)から今季、完全移籍でJ1横浜FCに加入したベトナム代表FWグエン・コン・フオン(28歳)が2月2日午後、ベトナム最大のサッカーメディアであるBongda紙のオンライン取材に応じて、あと2週間ほどに迫った新シーズンに向けた意気込みなどを語った。

因みにグエン・コン・フオンにとっては、これが4回目の海外挑戦(J2水戸:2016、韓国1部仁川:2019、ベルギー1部シント=トロイデン:2019、J1横浜FC:2023)。2016年には水戸ホーリーホックに期限付き移籍していたため、2度目のJリーグ挑戦となるが、J1挑戦は今回が初めて。

Photo:Yokohama FC

– 今回はJ1リーグ所属の横浜FCへの加入となりますが、何か難しいことはありますか?

2016年にも日本でプレーした経験があります。水戸ホーリーホックに期限付き移籍した時のことです。私にとっては初めての海外移籍で、本当に難しい挑戦でした。しかし、時間を経て私も成長しました。今ではJリーグの舞台で戦える自信があります。もう挑戦を恐れることもありません。自分のプロキャリアの一部として、ベストを尽くしつつ、日本サッカーの最高峰であるJ1を楽しみたいと思います。

– コン・フオンが移籍する以前に、数人のタイ人選手がJ1でプレーしています。日本に行くにあたり、彼らと何か話しましたか?

日本に来る前、チャナティップ(川崎フロンターレ)とビデオ通話しました。彼と話すことができて嬉しかったです。実際、海外移籍するベトナム人選手は多くないし、成功例も少ないです。このことは海外でプレーする一部のベトナム人選手にとって、プレッシャーになっています。ファンは海外で成功するベトナム人選手の姿を待ち望んでいます。自分も例外ではありません。自分はもう若手ではありませんし、海外でトレーニングして試合に出るときは、自分のためだけでなく、ベトナムを代表するつもりでやっています。

– コン・フオンが横浜FCと3年契約を結んだことは、ベトナムサッカーにとって歴史的な出来事です。このことはコン・フオン自身の人生とベトナムサッカー全体にとっても大きな前進と言えるでしょうか?

現時点で、自分は何かを恐れたりするほど若くないと感じています。自分が持てる物すべてを見せるために努力しなければいけないことも理解しています。もう若手ではありません。ベトナム代表ではアジアの強豪国(日本、韓国、中東各国など)と、クラブレベルではHAGLの一員としてAFCチャンピオンズリーグに出場し、横浜F・マリノスや全北現代、シドニーFCとの試合を経験しました。

今は自分の実力の全てを発揮できるレベルにあると思います。今という時間は二度とないので、これからのことを考えると楽しみで仕方がないです。今回、横浜FCに移籍できたこと、自分にとってベトナムを上回る環境でプレーする最後のチャンスかもしれません。サッカー選手として円熟期にあり、これからの3年間はベストを尽くすには最適の時期。日本サッカーを取り巻く環境が好きです。ここでの環境と生活は自分をより成長させてくれると思います。

私は常にベトナムのために戦っています。日本でプレーするのは単に自分の成長のためではなく、ベトナムに貢献したい気持ちがあるからです。

– チャナティップとはどんなことを話したのですか?

プライベートな会話だったので、教えることはできません。ピッチで再会できたとき、チャナティップがいる川崎フロンターレと横浜FCのゲームはきっと良い試合になるでしょう。Jリーグでプレーするもう一人のタイ人選手であるスパチョーク(北海道コンサドーレ札幌)とは、まだ話す機会が持てていませんが、ベトナム代表とタイ代表の試合で対戦したことはあります。個人的には、横浜FCの一員として、最高の結果を求めてベストを尽くしたいです。サッカーは個人競技ではなく、集団競技ですから。

– 7年前に水戸ホーリーホックでプレーしたときと、今回とではどんな違いがあると思いますか?

その時はちょうど怪我をしてしまいました。まだ21歳でプロとしてのキャリアを歩み始めたばかりの頃でした。当時の私はエネルギーに溢れて、チームに貢献したい渇望がありましたが、一方で経験が不足していました。現在も当時と同じ野心を持っていますが、違うことは東南アジアとアジアのトップレベルでの試合を経験したことです。高いレベルに挑戦するのは、これが最後のチャンスだと捉えています。

7年前は英語が話せる日本人選手は多くなかったですが、今では違います。多くの日本人選手が英語で上手にコミュニケーションが取れています。私自身も何度か海外移籍をしたので、環境に適応するための経験値もあります。日本語も勉強中ですし、日本食も好きです。また今回は家族も一緒に日本へ来てくれました。これは7年前とは違う点です。ピッチ上でサッカーを楽しみ、ピッチを離れれば家族と一緒に過ごすことができます。

– 横浜FCでの新シーズンに向けたトレーニングについて教えてください。

シーズン前にこんなに長く準備したのは初めてです。ベトナムでは、代表の試合を終えた後、クラブに戻って新シーズンの準備をする時間がほとんどありませんでした。横浜FCでの新シーズンを万全なコンディションで迎えることができて嬉しく思います。このチームでは中盤でプレーしています。ボールを保持してパスとドリブル、スペースへの移動など選択する時間があります。ゴールするのは喜びですが、重要なのはチームとしての結果です。自分自身のゴールの有無は、チームの勝利ほど優先度が高くありません。

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