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ベトナムプロサッカー「Vリーグ」に新時代到来か?越僑枠の新設で広がる可能性

ベトナムサッカー連盟(VFF)は11月初めに開いた会議で、越僑選手(在外ベトナム人選手)をベトナム国内のプロリーグおよびアマチュアリーグで受け入れるべく、新たに越僑枠を設ける案を通過させた。これにより、来季以降、多くの越僑選手がVリーグ1やVリーグ2でプレーすることが期待されている。なお、ここで言う越僑とは、ベトナムにルーツを持つ外国人選手のうち、現時点でベトナム国籍を取得していない者を指す。

Photo:Bongda+

ヨーロッパやアメリカには多くの越僑選手がいるが、生まれも育ちも外国のため、ベトナム国籍を持っていない者が多い。これまで、ベトナム国籍を持たない越僑がVリーグでプレーする場合、通常の外国人枠で登録する必要があった。しかし、ベトナムとの混血、または、ベトナム人移民の子供である越僑は、フィジカル的にアフリカ系や南米の選手より劣ることが多く、各クラブは積極的に越僑を獲得してこなかった。

実際、昨季までベトナム1部ハイフォンFCで活躍し、現在は同1部トッペンランド・ビンディンでプレーするドイツ系越僑のベトナム代表DFアドリアーノ・シュミットも、来越当初はベトナム国籍を持っていなかったため、ハイフォンとの契約が成立せず、数年後、ベトナム国籍取得後にようやく契約が実現した。

Photo:ANTD

また、現在チェコ1部リーグで活躍するGKフィリップ・グエンもかつて、ベトナム1部タインホアFCのトライアウトに参加し、その実力が高く評価されたが、ベトナム国籍を持たなかったため、やはり契約には至らなかった。フィリップ・グエンを手元に置いておきたかったタインホアは、同選手の帰化手続きを行おうとしたが、問題が多すぎてとん挫し、結局、チェコに帰国させるしかなかった。

フィリップ・グエンがその後、チェコ代表に招集されるまでに成長したことで、VFFは逃がした魚は大きかったと考えており、ベトナム国籍を持たない越僑がVリーグでプレーしやすい環境を整えることとなった。まずは越僑枠として受け入れて、その後、ベトナム国籍を取得させ、実力があり、本人が希望するようなら、ベトナム代表に選出し、代表チームの強化に繋げようという狙いだ。

ここからは、来季以降、Vリーグでのプレーが期待される世界の越僑選手たちを紹介していこう。

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