ベトナムフットボールダイジェスト+

レ・コン・ビン物語 “ベトナムの英雄”と呼ばれた男 第17回 世紀の大カップルはアンチだらけ。疑心暗鬼のレ・コン・ビンを救った恋人の言葉。

レ・コン・ビンが自身の半生をつづった自伝『Phut 89(89分)』。ここには“ベトナムの英雄”と呼ばれた男の幼少期から現在までが記されている。国内最貧困地域の一つゲアン省で真っ黒になってボールを追いかけた少年時代、プロサッカー選手となり、人気歌手Thuy Tienと家庭を築くまで。自伝の中では、幼少期のことだけでなく、八百長や暴力などVリーグを取り巻く様々な問題についても赤裸々に語っている。出版社が発売を記念して、一部の項を公開。その内容を連載で紹介していく。

Photo:nguoi dua tin

数か月前まで英雄だったはずが、気づけばベトナム中がアンチだらけ

僕よりも前に芸能人と付き合ったサッカー選手は大勢いた。それなのに、なぜ僕たちだけがこんなにもバッシングを受け続けるのか、正直理解に苦しむ。僕のアンチは、今ではトゥイ・ティエンのアンチにもなった。彼女のアンチは、今は僕のアンチだ。

AFFスズキカップ2008で優勝したときは、国民から英雄ともてはやされたが、数か月後はこのありさま。僕は有名人であることに疲れ始めていた。記者たちは、僕の昔の恋人とトゥイ・ティエンを比べて批評したがった。老人は保守派で批判的、一方、若者は新しいものやゴシップにすぐ飛びつく。ある新聞は、「ぽっと出の芸能カップル誕生」、またある新聞からは「売名行為」と書かれた。

(残り 1502文字/全文: 2143文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ