【ベトナムリーグ助っ人列伝】ロンアンFCの“レジェンド” アントニオ、ヒョロガリからVリーグ史上最高のストライカーに
“魔術師”エンリケ・カリストは数多くの無名選手をスターにした名指導者だ。ポルトガルからやってきたこの指導者はドンタム・ロンアンFC(現ロンアンFC)時代に、あるブラジル人ストライカーを世に送り出してブレイクさせたことでも知られているが、当初その才能が見抜けなかったことは、あまり知られていない。
“見落とされかけた才能”
2003年、ドンタム・ロンアンはベトナム代表MFグエン・ミン・フオンをテップミエンナム・カン・サイゴンFCから獲得するため、4億VNDの移籍金を支払った。これは当時としては前代未聞の大型契約だ。ボー・クオック・タン会長に獲得を進言したのは、他ならぬカリスト氏(当時はテクニカルダイレクター)。カリスト氏の先見の明により、グエン・ミン・フオンはロンアンで瞬く間にベトナムサッカー界を代表するスターに成長していく。
カリスト氏は、埋もれた才能を発掘することには定評がある。しかし、そんな彼でも、その秘めたる才能を一目では見抜けなかった選手がいる。それが、後にロンアンを数々のタイトルに導くことになるブラジル人FWアントニオ・カルロスだ。今では、Vリーグ史上最高のストライカーの1人にも数えられる。代理人の紹介でロンアンのテストを受けた際、カリスト氏はアントニオに対し、「まるで栄養失調じゃないか。それでサッカーが出来るのか?」と発言したとされている。
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