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レ・コン・ビン物語 “ベトナムの英雄”と呼ばれた男 第11回 点取り屋「CV9」の誕生 

レ・コン・ビンが自身の半生をつづった自伝『Phut 89(89分)』。ここには“ベトナムの英雄”と呼ばれた男の幼少期から現在までが記されている。国内最貧困地域の一つゲアン省で真っ黒になってボールを追いかけた少年時代、プロサッカー選手となり、人気歌手Thuy Tienと家庭を築くまで。自伝の中では、幼少期のことだけでなく、八百長や暴力などVリーグを取り巻く様々な問題についても赤裸々に語っている。出版社が発売を記念して、一部の項を公開。その内容を連載で紹介していく。

ついに開幕したJVCカップ、CV9とSLNAの快進撃が始まる。

国際親善大会のJVCカップに出場することになったSLNAの目標は決勝進出。できればU-23ベトナム代表と対戦したかったが、ベトナム代表は準決勝でマレーシア王者ペラFAPK戦の末敗れてしまった。一方、SLNAは準決勝でインドネシアのプルシク・ケディリを3-0で下して決勝に駒を進めた。この試合では僕もゴールを決めた。続く決勝はペラFAとの再戦。グループリーグでSLNA4-2で下した相手だが、タン監督は油断禁物と強調していた。実際、ペラFAは試合を経るごとに良くなっており、マレーシア王者の底力を遺憾なく発揮していた。それでも、僕は得点する自信があった。プレッシャーには強いと自負しているし、僕にとってはSLNAのユニフォームを着て初めて経験する決勝戦だった。もしこれでチームを去ることになっても、タイトルを獲得して去るなら、有終の美と言えるだろう。

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