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シンガポール代表監督候補に吉田達磨氏が浮上 育成手腕、攻撃的スタイルが評価か

柏レイソル、アルビレックス新潟、ヴァンフォーレ甲府で指揮を執った吉田達磨氏(44)がシンガポール代表監督の候補に浮上していると、シンガポールの英字紙「ストレーツ・タイムズ」が26日伝えた。

シンガポール代表監督は、昨年末のスズキカップ(東南アジア選手権)まで、U-22代表のファンディ・アーマド監督が「代行監督」として兼任していたが、同大会でグループステージ敗退に終わったこともあって正式な監督には就任せず、空席のままとなっている。同紙によれば、シンガポール・サッカー協会(FAS)は、パートナーシップ協定を結んでいる日本サッカー協会からの推薦を受けて、吉田氏を代表監督候補に選び、24日にスカイプで面接を行ったという。

吉田氏は、柏や京都、山形などでプレーしたあと、2002年にシンガポールのジュロンFCで現役を引退。指導者に転身してからは柏の下部組織で若手選手の発掘や育成に手腕を発揮。2015年にはトップチームの監督に就任して、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)ベスト8、天皇杯ベスト4などの結果を残したが、リーグ戦で年間10位と振るわなかったこともあり、2年契約の1年目で退任した。その後、新潟、甲府などで指揮を執ったものの、いずれも成績不振を理由に契約途中で解任されている。

ジュロンFC時代に選手兼任監督として吉田氏とともにプレーをした元シンガポール代表監督のV・スンドラムーシー氏(現ラオス代表監督)は、2016年に日本で代表チームのキャンプを行った際、吉田氏が監督を務めていた新潟と練習試合を行っており、「(吉田氏は)とても綿密で徹底した指導ぶりで、選手たちは全員ハイプレッシング戦術における役割を理解しているようだった」と対戦時の印象を話している。

FASのリム・キアトン会長は、新たな代表監督の条件として、「若い選手たちを粘り強く指導することができ、高いインテンシティ、強いプレッシング、素早いムービングサッカーをもたらすことができる」ことをあげており、これらの条件に吉田氏が合致したものと見られている。

シンガポール代表は、来月2023日にマレーシアで開催される国際親善大会に招待されているが、それまでに代表監督が決定するかは明らかにされていない。FASのスポークスマンは「代表監督選びは最終段階に来ており、6月に始まるワールドカップ予選の準備に間に合うように近日中に発表する」とコメントしている。

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