フットボールフィリピン

在籍情報|カヤ・イロイロ「在籍9年目」ベテラン日本人DF大村真也、今日マニラで35歳に

今シーズンのフィリピンフットボールリーグでプレーする唯一の日本人選手、カヤ・イロイロのDF大村真也(おおむら・まさなり)が、14日に35歳の誕生日をマニラで迎えている。

2011年にオーストラリアのフレーザーパークFC(当時ニューサウスウェールズ州2部=同国3部相当)から移籍加入した大村は、カヤ・イロイロのディフェンスリーダーとして、在籍9年目のシーズンを戦っている最中だ。

photo via kaya fc iloilo

中京大中京高校から、多くのJリーガーを輩出している中京大学に進学した大村は、4年時には体育会サッカー部のキャプテンを務めたが、選手としての進路に恵まれなかったため、卒業後はスポーツジムや倉庫会社に勤務していた経験を持つ。

26歳になった大村は海外での選手活動を決意し、2010年に現地でのトライアルを経てオーストラリアのセミプロリーグで現役復帰を果たし、翌2011年に当時フィリピンのトップカテゴリー(ユナイテッドフットボールリーグ)に所属していたカヤFC(現カヤ・イロイロ)に移籍加入する。

(C) kaya fc iloilo

大村が所属するカヤ・イロイロは、1996年にフィリピンの首都マニラで創設。フィリピン初の全国リーグ(実態はマニラ首都圏のリーグ)のユナイテッドフットボールリーグのオリジナルメンバーのひとつだ。

2010年から2016年まで開催されたユナイテッドフットボールリーグと、2017年から始まったフィリピンフットボールリーグでのリーグタイトルの獲得はないものの、2015年と2018年のリーグカップを制しており、2016年と今年2019年のAFCカップにフィリピンの第2代表として出場している。

2011年からチームに所属する大村は、2度のリークカップタイトルの獲得と、2度のAFCカップ出場を主力選手として経験しているが、最も賞賛されるべきことは、助っ人外国人選手として9シーズンに渡ってひとつのクラブチームに在籍していることだろう。

これはおそらく、アジアでプレーする日本人選手としては最も長いチーム在籍年数だと思われ、大村のチームへの貢献と、カヤ・イロイロの継続的な強化方針による非常にレアなケースと言える。

カヤ・イロイロは、現リーグ王者のセレス・ネグロスや、多額の負債を抱え失墜したグローバルFC、昨シーズン限りで活動を休止したダヴァオ・アギラスなどの強豪に次ぐ中堅クラブだったが、現在はセレス・ネグロスとリーグタイトルを争い、アジアの大会(AFCカップ)出場を視野に入れて計画的に活動する、フィリピンを代表するクラブチームとなっている。

フィリピンの国内リーグがここ数シーズン凋落の一途を辿っていることもあり、日本人や韓国人の所属選手が年々減少する状況が続き、ついに今シーズンの日本人選手は大村ひとりとなっている。

カヤ・イロイロと大村の契約は毎年更新されている状況のため、今後の在籍が約束されているわけではないが、大村が現在のコンディションを維持する限り、引き続き契約は更新されるものと思われる。

フットボールフィリピンでは、大村真也選手のインタビュー記事(20184月取材)を掲載しており、そちらも目を通していただければと思う。

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photo by football philippines

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