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「敵陣にしかJ2はない」。開始10分で見えたその意味【J3第25節・愛媛戦/マッチレビュー】

「序盤からフルスロットルだった。『このまま後半に持つのか』と思ったくらいだが、やり切るというスタンスでいたのか」

筆者の問いに対し、髙木理己新監督は「どちらがふさわしいと思うか」と返した。いま思えば、愚問だったと言わざるを得ない。

爽快な90分だった。新体制初陣で、首位の愛媛に肉薄。勝ち点2を失ったという見方もあるが、帰路に着くサポーターの表情は充実感に満ちていた。それは選手たちも同じだ。

圧巻の開始10分強。強度とスピード全開

今節の先発メンバー(左:長野、右:愛媛)

システムは3-4-2-1。従来の3-1-5-1とはやや異なり、ダブルボランチを敷く。1トップには古巣対決となる近藤貴司を置いた。対する愛媛は、鉄板の4-2-3-1で臨んできた。

開始10分でスタイルの大枠は見られた。4分、相手のビルドアップに対して近藤が猛プレス。それに2列目も連動し、GKにロングボールを蹴らせる。高橋耕平のクリアは相手に拾われるも、ボールホルダーのもとにすぐさま4人が密集。佐藤祐太がこぼれ球を拾うと、インナーラップした杉井颯のクロスに原田虹輝が合わせた。

ファーストディフェンダー、ネガティブトランジション、インナーラップ、そしてボランチの攻撃参加。そのすべてに強度やスピードが備わっていた。8分にも原田虹輝のドリブルが相手に奪われるも、音泉翔眞と杉井颯がすかさず反応。わずか3秒で取り返し、最後は近藤がシュートを放った。

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