GK金珉浩の進化。鳥栖の先輩・シュナイダー潤之介に導かれて
チームはクラブ史上初のリーグ4連敗と、苦しい状況に置かれている。4試合で2得点に留まり、直近2試合は複数得点を喫するなど、攻守両面に不安材料がある。
とはいえ個人のパフォーマンスに目を向けると、決して悲観すべき内容ではない。ケガを抱えていた森川裕基が復調の兆しを見せれば、安東輝はリーグ初先発となった前節にプロ初得点を挙げ、10試合ぶり出場の原田虹輝もアシストを記録した。ミッドウィークの天皇杯でも控え組の選手たちが躍動し、競争は激化の様相を呈している。
その中で一際目を引くのが、最後方に構える守護神・金珉浩(キムミノ)の活躍だ。この4連敗でも毎試合のようにビッグセーブを見せるなど、成長著しい23歳。J1クラブも経験した韓国人GKは、長野に差し込む一筋の光となっている。
進化したスタイル。ミスもチャレンジの証
多くのJリーガーを輩出してきた韓国・輔仁高校から、2019年にサガン鳥栖へ入団。192cmの長身とU-18韓国代表の実績を引っ提げて来日したが、高丘陽平(バンクーバー・ホワイトキャップス)、朴一圭らの影に隠れて2年間出番がなかった。
3年目には長野に期限付き移籍で加入。チームが7試合勝ちなしと苦境に立たされる中、第20節・ヴァンラーレ八戸戦(△0-0)で無失点デビューを飾ったが、ポジショニングミスなどもあって定着には至らず。その1試合に出場すると、翌年の2022年には完全移籍へ移行。開幕直後に矢田貝壮貴の負傷を受けて出番が訪れたが、すぐさま途中加入の大内一生にチャンスを奪われる。
5年目となる今季も、キャンプのトレーニングマッチで負傷してやや出遅れた。開幕には間に合わなかったが、今季から加わったシュナイダー潤之介GKコーチのもと、前に出るスタイルを習得。「キャンプでこの選手は(前に)出られると思ったので、もっと積極的に出ていいという話をした」と同コーチは明かす。
もともと手足のリーチを武器としており、前に出る積極性が加わったことでカバー範囲が広がった。キャンプのトレーニングマッチでは、果敢な飛び出しから相手との接触を伴って負傷。「それでも積極的に続けられるかな…と思っていたけど、(復帰後は)しっかりとやってくれた」(シュナイダーGKコーチ)。

シュナイダー潤之介GKコーチ
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