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市立長野が死闘制し決勝へ。山中麗央と新井光擁した17年以来

チャンスらしいチャンスは少なかったが、“ホーム”長野Uスタジアムで大きな壁を乗り越えた。長野県高校総体・準決勝。市立長野は松本国際と戦い、延長戦を終えてo-oと決着はつかなかったが、PK戦の末に4-3と競り勝った。

苦境の前半を乗り越え、自分たちの土俵に

一昨年の県選手権王者・市立長野と、昨年の県選手権王者・松本国際。前者は県リーグ1部、後者は北信越プリンスリーグ2部に所属しており、カテゴリーが異なる。個々のクオリティを見ても松本国際が上回っており、前半からその差が見られた。ビルドアップを試みる市立長野に対し、松本国際はロングボールを多用。高い位置でボールを拾い、FW佐々木晄汰のドリブルや左右サイドハーフの推進力を生かしていく。

一方の市立長野は「前半は本当にバタバタして、自分たちのゲームがあまりできなかった」と久保田友惟が言うように、前半のシュート数はわずか1本。攻撃時は4バックから3バックに可変し、右サイドバックの久保田が高い位置を取ってクロスを上げたが、それ以外の突破口を見出せずにいた。守備でも相手のシュートミスやクロスバーに救われ、かろうじて0-0で前半を折り返す。

そして迎えた後半。61分に松下将がGKとの1対1を迎えたシーン以外、チャンスらしいチャンスはなかったが、守備では「ボールの出どころを抑えにいったことが機能した」(芦田徹監督)。相手のロングボールを回収し、そこから慌てずにビルドアップ。松本国際の強力2トップを走らせて疲弊させることで、チャンスを与えなかった。CKから再びクロスバーに救われるシーンはあったが、自分たちの土俵に持ち込んで延長戦へ向かう。

延長戦では互いに疲労の色が見られたが、市立長野は交代枠を使いながらスタミナを維持。88分にはGK松下陸に代えて、GK前田拓磨をPK要員として投入した。そのままPK戦に突入すると、両者とも2人目が失敗。5人目に運命が託されたが、市立長野の小出清士郎が成功した一方、松本国際はエースの佐々木がまさかの失敗に終わった。

優勝候補筆頭と見られていた松本国際に対し、PK戦の末に勝利。不格好な形ではあったが、芦田監督は「勝ったことについては選手の頑張りを評価したい」と微笑んだ。

“黄金期”以来、6年ぶりとなる決勝へ

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