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塩沢勝吾率いる松本美須々ケ丘。1回戦敗退も糧に古豪復活へ

スコアだけを見れば大敗だが、それほど大きな差はなかった。松本美須々ケ丘は5月26日に県高校総体1回戦を戦い、上田染谷丘に2-5と敗戦。今季から就任した塩沢勝吾コーチは「最後までゴールを目指し続けたのは価値のあること。負けたくない気持ちを持ってくれた」と、格上相手に打ち合う選手たちをねぎらった。

上田市真田町出身の塩沢氏は、現役時代に松本山雅FCやAC長野パルセイロでプレーした。2020年に現役を引退すると、2021年から松本大学でコーチを務め、今年3月に退任。4月から新たに松本美須々ケ丘のコーチとなり、実質的に指揮を執っている。

中信大会でベスト8に進出して迎えた県総体。東信大会で準優勝した上田染谷丘を相手に、チャレンジャーとして立ち向かった。

松本美須々ケ丘イレブン

大量失点も、シュート数では互角

立ち上がりから上田染谷丘の3バックを中心としたビルドアップに対し、松本美須々ケ丘は4-4-2のブロックを構える。7分に中盤でのボール奪取、8分にFKから決定機を演じ、「決めていれば自分たちの流れにできた」とキャプテンの木村晃大。13分にDFラインの背後を抜け出されて失点すると、相手のサイド攻撃に後手を踏むシーンが増えていく。FW木村のパワーやMF上出勇飛のドリブルを駆使して攻め込むシーンもあったが、前半を1点ビハインドで折り返した。

ハーフタイムに指示を送る塩沢勝吾コーチ

後半はハーフタイムに2枚替えをして攻勢に出るも、43分に再びDFラインの背後を抜け出されて失点。それでも5分後の48分、相手のクリアミスを原琉悟が押し込んで1点差に迫る。ここから反撃ムードが高まるかと思われたが、「せっかく頑張って取り返したのに、また(得点を)献上してしまった」と塩沢コーチ。2分後の50分、上田染谷丘の飛田翼にハットトリックとなる3点目を許した。

「同じような形で失点を繰り返したのが痛かった」。50分の失点はアーリークロスからだが、それ以外の4失点はすべてDFラインの背後を突かれる形だった。GK篠原巧が好セーブを連発するも、歯止めが効かずに5失点。数分間での連続失点が嵩み、押し返すのに労力を強いられた。

とはいえ、最後までファイティングポーズは取り続けた。1-5の状況でも攻勢を緩めることなく、後半アディショナルタイムに中村颯希がスーパーミドルを突き刺す。終わってみればシュート数は13対13と互角。東信の雄に対しても引けを取らなかった。

組織と個人を高め、古豪復活に挑む

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