フットボールカンボジア

2月14日、U-23東南アジア選手権2022がカンボジアで開幕!

2月14日、AFF U-23選手権2022がカンボジアの首都プノンペンで開幕する。23歳以下の東南アジアNo.1を決めるこの大会は、参加国はコロナの影響で参加を急遽辞退したインドネシアを除く10ヶ国が参加。オープニングゲームの東ティモール対フィリピン(現地時間16時キックオフ)を皮切りに、26日の決勝まで全16試合が行われる予定だ。

 

近年、成長著しい東南アジア勢

東南アジアのサッカーといえば、2年に一度行われる東南アジアの中でのチャンピオンを決める大会「SUZUKI CUP」が有名だが、近年はタイとベトナムが東南アジア勢として、2大会連続でワールドカップのアジア最終予選(2018、2022年)に進出するなど、日本をはじめとするアジアトップレベルの国々を脅かす存在になりつつある。

また、A代表以下のカテゴリーでも東南アジア勢の急成長を垣間見ることができる。ミャンマーとベトナムがそれぞれ2015、2017年のU20ワールドカップに出場し、2018年のAFC U-23選手権ではベトナムが準優勝を成し遂げた。

そして、残念ながらコロナウイルス感染拡大の影響で中止にはなってしまった2020 AFC U-19選手権では、東南アジア勢としては史上最多の5ヶ国(マレーシア、ベトナム、インドネシア、ラオス、カンボジア)が本戦出場を決めていた。

なお、今年6月に行われるAFC U-23選手権にも東南アジア勢は過去最多タイの3ヶ国(タイ、ベトナム、マレーシア)が出場予定だ。このように各年代で東南アジアの国々が順調に力をつけていることがわかるだろう。

 

開催国カンボジアはグループリーグ突破が至上命題

Source : Football Federation Cambodia Official Facebook Page

そんな盛り上がりを見せる東南アジアのサッカーだが前述の通り、世界的なコロナパンデミックの影響でここ2年間はほとんど国際大会を行えないでいた。しかし、昨年12月から1月にかけてSUZUKI CUP2020が1年遅れで開催され、今回U23の大会も無事に開催されることとなった。

今回、ホスト国を務めるカンボジアは、来年に東南アジア版オリンピックの2023SEAGAMES(東南アジア競技大会)の開催を控えており、今大会は競技面と運営面の両方で大きな意味を持つに違いないだろう。

特に競技面では、2015年に初の自国開催が開催が決まってから、カンボジアサッカー界の一番の目標として同大会での優勝を掲げており、今大会も是が非でも良い成績を起こしたいところ。2018年から代表チームを率いる本田圭佑GMも2月9日に合流し、最終登録メンバーの確認をしたようだ。昨年3月にカンボジアサッカー協会との契約を2023年まで延長したことからも、同大会での優勝を本気で狙っていることがわかるだろう。

今大会の優勝候補はやはりタイ、ベトナム、マレーシアあたりだろう。この3ヶ国は6月にウズベキスタンで行なわれる予定のAFC U-23選手権に出場予定ということもあり、コロナ禍の中で数少ない国際大会とあって、本気で優勝を狙いにくるに違いない。

 

試合会場はプノンペンの2つのスタジアム

Source : Football Federation Cambodia Official Facebook Page

今大会は試合会場として、プノンペンの2つのスタジアムを使用する予定だ。一つはカンボジアプレミアリーグの強豪ヴィサカFCのホームスタジアム「Prince Stadium(収容人数10000人)」だ。2016年に創設された同クラブは昨季、リーグ戦は3位ながらも、国内カップ戦であるフンセンカップを連覇し、今季はAFCカップに初出場の予定。(2020年のAFCカップの東南アジアゾーンは中止になったため)

新スタジアム「Morodok Techo National Stadium」

もう一つは来年のSEA GAMESのメイン会場となる新スタジアム「Morodok Techo National Stadium」が杮落しとして、今大会でお披露目の予定だ。総工費は約1億6800万ドル。2017年から建設をはじめ、昨年完成した。場所はプノンペンの中心地からは約22㎞と離れているものの、スタジアム内に宿泊できるホテルも併設しているなど、近代的な仕様となっている。

なお、カンボジアは3月に新しく生まれ変わった新リーグ「カンボジアプレミアリーグ」が開幕予定で、今大会の盛り上がりを起爆剤として、同リーグの人気にも繋げたいところだろう。

 

今大会を開催する意義

カンボジアサッカー協会はSNSを通じて、今大会の観客に対して、感染対策の徹底を呼びかけている ※Source : Football Federation Cambodia Official Facebook Page

そして、大会関係者や各国代表チームにはもう一つの目標がある。それは何事もなく、無事に大会を終えることだ。先月インドで開催されたAFC女子アジアカップではホスト国のインド代表がグループリーグの途中でチーム内でコロナウイルスがまんえいしてしまい、棄権せざるを得ない状況になってしまったことは記憶に新しい。

既にお伝えした通り、開幕2日前にインドネシアがコロナの影響で出場を辞退したことは残念だが、大会期間中は感染者を出さないようにより感染対策を徹底し、予定されている全ての試合を開催できることを願うばかりだ。

現在の世界は以前と大きく変わってしまった。新型のウイルスが発見されるたびにその詳細を調査する前に勝手に情報が独り歩きしてしまい、結果的に大騒ぎになるなど、なかなか収終わりが見えない状況となっている。

そんな中で行なわれる今大会は、もちろん結果を残すことも大事ではあるが、無事に開催し終えることが一番の成功といえるだろう。ホスト国のカンボジアは、今大会の運営を通して得た経験を来年のSEA GAMES開催に繋げてほしいものだ。そして、こういったコロナ禍での大会の運営経験をアジアやその他の地域で今後行われる大会に生かしていけば、この先たとえどんな状況になっても世界中のスポーツの灯は消えることはないだろう。

(狩野 宏明)

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