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11月8日のニュース
・ACL2第4節-スランゴールは敵地で全北現代に惜敗
・全北現代戦でスランゴールサポーターが抗議の横断幕を掲げる

ACL2第4節-スランゴールは敵地で全北現代に惜敗

2024/25シーズンACL2のH組第4節が行われ、マレーシアから出場しているスランゴールFCはアウェイで全北現代モーターズFCと対戦し、0−1で敗れています。

この試合の両チームの先発XIは以下の通り。先月末に突如、辞任したニザム・ジャミル監督に代わり指揮を取るアブディ・ハサン監督代行にとっては初のACL2の試合になります。スランゴールはホームで行われた同じカードとなった前節第3節の終了間際にレッドカードで退場となった司令塔MFヨハンドリ・オロスコがこの試合は出場停止となっている他、キャプテンのDFサフワン・バハルディンがインフルエンザ、アフロことDFシャルル・ナジームが大腿四頭筋を痛めてベンチ外となっています。またニザム・ジャミル前監督が指揮を取った前節ではベンチ外だったロニー・フェルナンデスが先発に復帰しています。一方の全北現代も第3節のスランゴール戦では「Bチーム」で望んだものの、ホーム開催となった今節はチーム得点王で「韓国のメッシ」ことFWイ・スンウや、MFビスマルク・アジェイ・ボアテング、FWティアゴ・オロボら外国籍選手が先発するなど前節とは本気度が違うメンバーです。

2週間前の対戦では1−2と敗れている全北限代ですが、この試合では先制します。22分にクォン・チャンフンが蹴った右コーナーキックをティアゴ・オロボが頭で押し込んで、全北現代が1-0とリードします。この場面はハイライト映像で見ましたが、ゴール前ではオロボ選手だけでなく、ク・ジャリョンもフリーで飛んでおり、スランゴールはマーキングが全く機能していませんでした。(試合のインタビューでは、GKのアジム・アル=アミンもセットピース対策が不十分だったことは認める発言をしていました。)それでもセランゴールは35分に相手DFをかわしたアリ・オルワンがシュートを放ちますが、GKキム・ジョンフンに弾かれるなど、全くチャンスがなかったわけではありませんが、前半はこのまま全北現代が1点リードで終了します。

後半にはスランゴールも徐々にペースを掴み始め、60分にロニー・フェルナンデスが同点ゴールを決めるチャンスがありましたが、ゴールポスト直撃で好機を逃すなど、優勢になりかけた流れを生かすことができずに無得点で終了し、全北限代が1−0で逃げ切っています。

この勝利により、全北現代は4試合を終えて勝点9でスランゴールと入れ替わりでH組の首位に浮上し、スランゴールは勝点7のまま2位に後退しています。ACL2の次節第5節は11月28日にスランゴールのホーム、MBPJスタジアムでムアントン・ユナイテッド(タイ)との対戦が予定されています。勝点差2でスランゴールを追うムアントンとの対戦に勝利すれば、ノックアウトステージ進出が決まるだけに、アブディ監督代行がどのようにチームを仕上げるかに注目です。

2024年11月7日@全州ワールドカップ・スタジアム(韓国、全州市)
全北現代モーターズFC 1-0 スランゴールFC
⚽️全北現代:ティアゴ・オロボ(22分)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。

なおH組第4節のもう1試合は、アウェイのムアントン・ユナイテッドFCがダイナミック・ハーブ・セブFCを相手に9−2と大勝しています。

2024年11月7日@リザル・メモリアル・スタジアム(フィリピン、マニラ)
ダイナミック・ハーブ・セブFC 2-9 ムアントン・ユナイテッドFC
⚽️セブ:ガイトー・マイランド2(20分、23分)
⚽️ムアントン:フェリシオ・ブラウン2(7分、45分)、ポラメット・アヴィライ3(13分、45+5分、51分)、カカナ・カミョク2(37分、39分)、プラチェット・トサニット(65分)、ソンウット・クライクルアン(82分)
ダイナミック・ハーブ・セブFCの冨樫凌央選手は先発してフル出場、小林雅弥選手は41分から交代出場し、最後までプレーしています。また濱琳太郎選手はベンチ外でした。

2024/25ACL2 H組順位表(第4節終了)

得点 失点 得失差
全北現代 4 3 0 1 12 3 9 9
スランゴール 4 2 1 1 4 3 1 7
ムアントンU 4 1 2 1 13 9 4 5
セブ 4 0 1 3 4 18 -14 1

H組の今後の試合日程(左側のチームがホーム)
第5節(11月28日)
全北現代モーターズFC対ダイナミック・ハーブ・セブFC
スランゴールFC対ムアントン・ユナイテッドFC
第6節(12月5日)
ムアントン・ユナイテッドFC対全北現代モーターズFC
ダイナミック・ハーブ・セブFC対スランゴールFC

全北現代戦でスランゴールサポーターが抗議の横断幕を掲げる

全北現代戦に駆けつけたスランゴールサポーターが掲げた横断幕の内容が注目を集めています。

これを報じたスポーツメディアのスタジアム・アストロの記事によると「6シーズンで5人の監督。で、この後は?」と書かれたこの横断幕は、全北現代モーターズFC対スランゴールFCの試合が行われた全州ワールドカップ・スタジアムでスランゴールサポーターによって掲げられたものです。

今季開幕から指揮を取ったニザム・ジャミル監督が、先月末に突如、辞任したスタンゴールは、この試合では前スランゴールU23監督のアブディ・ハサン監督代行が指揮をとっています。

2018年から2020年まで監督を務め、8位、3位、5位という成績を残したB・サティアナタン氏が解任されると、浦和レッズでもコーチを務めたドイツ出身のカルステン・ナイチェル氏が2021年シーズンには指揮を取りますが、このシーズンも5位に終わると、翌2022年シーズンは当時のテクニカル・ディレクターだったやはりドイツ出身のミヒャエル・ファイヒテンバイナー氏が新監督に就任します。しかしこのシーズン途中には、ファイヒテンバイナー氏に代わり、前マレーシア代表監督のタン・チェンホー氏が監督に就任します。2022年シーズンはまたも5位に終わったものの、開幕からタン監督が指揮をとった昨季2023年は2位にとなりました。しかし今期開幕前にタン氏がタイ2部のポリス・テロFC監督就任のために辞任し、すでにプレシーズンが始まっていた中、コーチだったニザム・ジャミル氏が急遽監督に就任するという事態になっていました。

この間、監督が目まぐるしく代わる一方で、任命責任を果たすべき経営陣は誰1人として交代していないことがサポーターの間では不満となっており、その責任の所在を求めて抗議活動に出たようです。実際に選手獲得についてもスタッツ的には良いものの、スランゴールというチーム内での役割が明確になっていないという指摘もあり、リーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFCに追いつくどころからさらに離されていっている現状は、現場だけの責任とは言い切れないという批判もあります。今回のニザム氏の辞任についても、戦術的な問題や選手起用の問題などから辞任は当然というサポーターの声がある一方で、ニザム監督との対話不足や不十分な支援など無能なフロントの犠牲になったと擁護する声もあり、今回の横断幕は現状に対する経営陣の回答を求めているものと思われます。

掲げられた横断幕。musimはシーズン、jurulatihは監督の意味のマレーシア語。(写真はアストロ・アリーナのウェブサイトより)

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