10月17日のニュース
・12月開幕のアセアン選手権の日程が発表
・KLFAの新会長がKLシティの選手と首脳陣に未払い給料の内1ヶ月分の支払いを約束
・既に解散したクラブのオーナーが5000万円近い給料未払いを理由に逮捕
12月開幕のアセアン選手権の日程が発表
年末に開催される東南アジアサッカー連盟(AFF)選手権「三菱電機カップ」のプレーオフ第2戦が行われ、10月8日の第1戦で1-0で勝利していた東ティモールが、ブルネイと引き分けて、通算成績を1−0として本戦出場を決めています。この結果、12月8日に開幕する大会のグループステージA組は前回優勝のタイ、マレーシア、シンガポール、カンボジア、そして東ティモールに決まり、B組はベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、ラオスとなっています。
また参加する全チームが決定したことに伴い、グループステージの日程が発表になっています。マレーシアは12月8日に行われる初戦はカンボジアとアウェイで、続く2戦目は12月11日には東ティモールとホームで対戦します。その3日後の12月14日にはタイトアウェイで、そして最終戦となる12月20日にはシンガポールとホームで対戦します。
*****
12月8日から2025年1月8日まで行われるこの大会は東南アジア王者’を決める大会ですが、FIFA国際マッチカレンダー外のため、マレーシアスーパーリーグの各チームが代表招集に応じる義務がないことから、ベストメンバーが揃うのかどうかが疑問視されています。実際、前回大会ではジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が選手の招集を拒否する事態も起こっており、同様のケースも考えられます。また各国の対応もさまざまで、この大会期間中はリーグを中断する国がある一方で、大会と並行して国内リーグを行う国もあります。
KLFAの新会長がKLシティの選手と首脳陣に未払い給料の内1ヶ月分の支払いを約束
クアラルンプールサッカー協会(KLFA)の会長選が行われ、前副会長のサイド・ヤジド氏が新会長に選出されています。会長就任後には給料未払いが続いているKLシティFCの窮状改善を最優先することを明言していたサイド氏は、就任後の最初の仕事として、KLシティFCの選手にまず1ヶ月分の給料を支払うことを約束しています。
サイドKLFA会長は、今月中にKLFAがKLシティFCに対して100万リンギ(およそ3500万円)を割り当てることを明言し、給料未払い分の一部支払いと、未納となっていた日本の国民年金にあたるEPF(従業員積み立て基金)や、社会保険にあたるSOCSO(従業員社会保障)の支払いにも使われるということです。
1ヶ月分の給料支払いでは、未払いとなっている給料の総額に比べるとわずかでしかないことは理解していると話したサイド氏は、長期間にわたる未払い給料問題をKLFA理事会と共に責任を持って解決したいと話しています。なお未払いとなっている給料の総額は明らかになっていません。
既に解散したクラブのオーナーが5000万円近い給料未払いで逮捕される
かつてマレーシアリーグに所属し、現在は既に解散したクラブの元オーナーが140万リンギ(およそ4,900万円)の給料未払いを理由に逮捕されたことが報じられています。
指名が公表されていないこの元オーナーは当時3部のマルセラ・ユナイテッドFCを所有し、そして2018年には2部のクラブ、クアンタンFAを吸収合併する形でマルセラ・クランタンFAとして2部昇格を果たしましたが、同年のシーズン開幕から4ヶ月経過した時点で、給料未払いが続いたことにより、リーグから除名処分を受け、その後チームは解散していました。
その際に未払いとなっていた給料は140万リンギ(現在のレートでおよそ4900万円)が現在も未払いとなっており、今年2月には裁判所から即時支払命令が出されていました。今回の報道によると、50歳の元オーナーは、46名の選手と12名の監督、コーチを含む関係者への給料未払いについて裁判所からの支払命令を無視したとして逮捕されています。
このブログではこれまでも現在も複数のクラブで起こっている給料未払い問題を取り上げてきましたが、既に解散したプロサッカーチームの元オーナーに対してマレーシアの裁判所が逮捕令状を発したこと、そして元オーナーが手錠をかけられ、収監されたことがマレーシアサッカー界を震撼させるニュースとなっています。
*****
プロ選手会:今回の逮捕は現在、給料未払い問題を抱えるクラブへの警告
マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)は、今回の逮捕に合わせて声明を発表し、給料未払い問題を抱えるクラブや州サッカー協会に対して、給料を含めた選手の権利を守ることに関心持つことを求めています。
PFAMによると、マルセラ・ユナイテッドFCの選手と監督・コーチら関係者はチーム解散時点で総額200万リンギ、実際の複数年契約分なども含めると600万リンギが未払いとなっており、後に合併したクランタンFAの選手には300万リンギ、関係者には120万リンギの未払いがあるとしています。
2018年から給料未払い問題を訴え続けてきた元クアンタンFAの選手だったアブドル・ガニ氏は取材に対して、「(元オーナーが逮捕された)今日は未払い問題に苦しむ選手にとってだけでなく、マレーシアのサッカー界にとっても重要な日となった。国内のプロサッカーチームは選手の権利を守ることに真摯に向き合い、今回のようなオーナーの逮捕はこれが最後となって欲しい。」と話しています。