10月16日のニュース
・国際親善試合:マレーシアはニュージーランドに完敗
・7人制サッカーのアジア大会で日本代表が2連覇達成
国際親善試合:マレーシアはニュージーランドに完敗
ニュージーランド遠征中のマレーシア代表は、10月14日にニュージーランド代表と対戦して0-4で敗れています。なおマレーシア代表は、この3日前には前Jリーグ浦和の酒井宏樹選手が所属するオークランドFC(オーストラリア1部)と無観客で練習試合を行い、1-1で引き分けていました。
この試合の両チームの先発XIは以下の通り。キャプテンのディオン・コールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)が「家庭の事情」で今回はこの遠征に参加しておらず、GKはシーハン・ハズミ(ジョホール・ダルル・タジムFC、JDT)、DFはドミニク・タン(サバFC)と、この試合が代表デビューとなった22歳のハリス・ハイカル(スランゴールFC)がCB、そして左右のSBにはラヴェル・コービン=オングとこの試合でキャプテンを務めるマシュー・ディヴィーズのJDTコンビが入りました。中盤はシャマー・クティ(ペナンFC)とノーア・レイン(スランゴールFC)のダブルボランチ、トップ下にはエンドリック(ベトナム1部ホーチミンシティFC)、左右のウィングにはダレン・ロック(サバFC)とアリフ・アイマン(JDT)、そして1トップにロメル・モラレス(JDT)という布陣です。酸攻撃を受けて代表復帰には時間がかかりそうなファイサル・ハリム(スランゴールFC)のポジションには、典型的なセンターフォワードのダレン・ロックが左サイドで起用されるの初めて見ました。
一方のニュージーランドは3日前にW杯予選のタヒチ戦を戦ったばかりということもあってか、先発11名中、36歳のCBマイケル・ボクスオール(米国1部ミネソタ・ユナイテッド)、31歳のRBストーム・ルー(オーストラリア1部セントラル・コースト・マリナーズ)、DFアレックス・ルーファー(オーストラリア1部ウェリントン・フェニックス)以外の8名は、2000年以降に生まれた選手たちと若い布陣でした。
この試合ではFIFAランキング95位のニュージーランドが同132位のマレーシアを試合開始から圧倒するだろうということは予想できていたはず。このため試合の入りも引き気味でしたが、その強度は予想以上でした。開始15分でベン・ウェイン(英国4部マンスフィールドタウンFC)、イライジャー・ジャスト(オーストリア2部SKNザンクト・ペルテン)、ベン・オルド(フランス1部ASサンテティエンヌ)らが次々とシュートを放つなど、前半だけで15本以上のシュートを打たれてニュージーランドに圧倒されますが、全員が文字通り、身体を張って守り、GKシーハン・ハズミの好セーブとニュージーランドのシュートミスのおかげもあり、何とが前半を持ち堪え、試合は0-0で折り返します。
後半の立ち上がりはマレーシアも積極的なプレーを見せますが、さらにペースを上げたニュージーランドに対し、前半だけでかなり消耗した様子のマレーシアの守備が徐々に崩壊します。53分には左サイドからの速いクロスを、ゴール前でフリーとなっていたイライジャー・ジャストがダイレクトで押し込んで先制します。さらに61分には、1点目をアシストした左サイドのリベラト・カカーチェ(イタリア1部エンポリ)から、中央でまたもフリーとなっていたマシュー・ガベット(オランダ1部NACブレダ)へボールが出ると、これをガベット選手がダイレクトで蹴り込み、ニュージーランドがリードを2点に広げます。
ニュージーランドがリードを広げたところで、ダレン・ベズリー監督は、クリス・ウッド(英国1部ノッティンガム・フォレスト)を投入します。そして72分には右サイドでラヴェル・コービン=オングを振り切ったコスタ・バルバルセス(オーストラリア1部シドニーFC)がループシュートで直接ゴールを狙います。GKシーハン・ハズミはそのシュートに手を伸ばしてコースを変えますが、そこに詰めていたウッド選手が頭で押し込み、EPLで現在得点ランキング5位のニュージーランドのエースがチームに3点目をもたらします。この3点目で完全に息の根が止まったマレーシアは、これ以上の失点を防ごうと躍起になるも、90分にはペナルティエリアの外でフリーとなったローガン・ロジャーソンがミドルシュートで4点目を挙げて、「オール・ホワイツ」が「ハリマウ・マラヤ(マラヤの虎)」に完勝しています。
2024年10月14日@ノース・ハーバー・スタジアム(ニュージーランド、オークランド)ニュージーランド 4-0 マレーシア
⚽️ニュージーランド:イライジャー・ジャスト(53分)、マシュー・ガベット(61分)、クリス・ウッド(72分)、ローガン・ロジャーソン(90分)
7人制サッカーのアジア大会で日本代表が2連覇達成
スランゴール州シャー・アラムで開催されていた7人制サッカー(ソサイチ)のアジア大会「アジア7人制選手権」第2回大会は10月13日に決勝が行われ、前回大会優勝の日本代表がフィリピン代表を2−1で破って大会2連覇を果たしています。
準決勝でマレーシアを3-1で破って決勝進出を果たした日本は、準決勝までの5試合で8ゴールを挙げていた加部未蘭選手が開始5分にヘディングシュートを決めて先制します。しかしフィリピンもキャプテンのステファン・シュロックが35分に同点ゴールを決めて追いつきます。
前後半を終えて1−1となったこの試合は、今大会で採用されている「カムバック・ピリオド」へと進みます。このカムバック・ピリオドとは、前後半終了時点でリードしているチームの得点プラス1が「ターゲット・スコア」となり、先にそのスコアに到達したチームが最終的に勝利するという特殊なルールです。この試合は両チームが1−1であることからターゲット・スコアは2となり、先に2点目となるゴールを挙げたチームが勝利します。
そしてそのカムバック・ピリオドでは、この試合先制点を挙げていた加部選手が自身2点目となるゴールを決め、日本が優勝を果たしています。日本代表のコスタ・ケラー監督は、11人制サッカー経験者を含むフィリピンに対して万全の準備で臨めたと話し、この勝利で日本でも人気が高まりつつある7人制サッカーの魅力を示すことができたと思うと話しています。さらに11人制のサッカー選手ほど収入は多くない現状について、今大会のように国際大会で結果を出し続けていくことができれば、7人制の認知度も上がり、日本国内でもさらに発展していくと確信しているとも述べています。
また敗れたフィリピンのシュロック選手は、サッカーの国際大会では優勝経験のないフィリピンがその栄誉まであと一歩まで迫りながらの敗戦は受け入れるのが難しいと話す一方で、日本は優勝に値するプレーをしたことを認めています。なお今回のフィリピンのメンバーには、この試合でゴールを挙げたシュロック選手の他、マレーシアリーグのサラワク・ユナイテッドやPJシティFC(いずれも廃部)でプレー経験もあるマーク・ハートマン、ペラFCでプレー経験があるミサ・ベハドランなどいずれも11人制の元フィリピン代表経験者も含まれていました。
第2回7人制サッカーアジア大会
優勝:日本
準優勝:フィリピン
3位:マレーシア・香港
決勝戦MOM:加部 未蘭
大会MVP:阿部 正紀
最優秀GK:中本 真彰
ユース部門
U16優勝:スター・クーガーズ(マレーシア)
U14優勝:グアムズFC(マレーシア)
U12優勝:サイム・ダービーFC(マレーシア)
U10優勝:ジュニア・アズカルズ(フィリピン)
U8優勝:サイム・ダービーFC(マレーシア)