ボラセパマレーシアJP

10月6日のニュース
・ニュージーランド戦へ向けて代表合宿参加メンバー27名発表
・トレンガヌFCはシュタインブリュックナー監督との契約を解除も事実上「解任」・トレンガヌFCは昨季在籍のアディサク・クライソーンの未払い給料に関する噂を否定
・チーム公式SNSでのストリーム配信がリーグ規定抵触のクランタンに罰金処分

スランゴール州のスルタン、スルタン・シャラフディン殿下とジョホール州摂政のトゥンク・イブラヒム殿下が会談したことが報じられ、話題の一つにサッカーが上がったようです。シャラフディン殿下はスランゴールFCの後援者、イスマイル殿下はジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のオーナーと、現在のマレーシアサッカーを牽引する二大チームに関わる両皇族は対抗意識はピッチ上でのみとし、相互に対する敬意と結束こそが優先されるべきという点で意見が一致したようです。

近年のマレーシアサッカーでは圧倒的な強さを誇るJDTと、かつての輝きを徐々に取り戻しつつある古豪スランゴールの対戦は、両チームのサポーターが最も熱くなるマッチアップです。今季の開幕戦ではJDTのホーム、スルタン・イプラヒム・スタジアムで対戦する予定だった両チームですが、ファイサル・ハリムへの酸攻撃でスランゴールが出場辞退し、JDTの不戦勝となっています。そして後半戦初戦となる第14節、今月10月27日にはスランゴールのホーム、MBPJスタジアムでこの両チームが激突します。なお今季は既にFAカップ決勝で対戦している両チームは、JDTがスランゴールを6−1と一蹴しています。現在、首位JDTを勝点差6で追う2位スランゴールは、この試合で勝点差を詰めることができなければ、JDTのリーグ11連覇がほぼ決まってしまうだけに、リーグの灯を消さないためにも意地を見せて欲しいところです。

今月のニュージーランド戦へ向けて代表合宿参加メンバー27名発表

マレーシア代表はニュージーランド代表と10月14日にオークランドのノース・ハーバー・スタジアムで対戦します。チームは本日10月6日にニュージーランドへ出発し、試合までの1週間は現地で代表合宿を行いますが、その参加メンバー27名が発表になっています。

P 氏名 年齢 所属
GK シーハン・ハズミ 28 JDT
ハジック・アイマン 19
アジム・アル=アミン 23 SEL
アズリ・ガニ 25 KLC
DF マシュー・デイヴィーズ 29 JDT
フェロズ・バハルディン 24 JDT
ラヴェル・コービン=オング 33 JDT
サフワン・マズラン 22 TRE
アザム・アズミ 23 TRE
ドミニク・タン 27 SAB
ダニエル・ティン 32 SAB
ハリス・ハイカル 22 SEL
アディブ・ラオプ 25 PEN
ディオン・コールズ 28 BRU
MF スチュアート・ウィルキン 26 SAB
ノーア・レイン 22 SEL
ハイカル・ダニシュ 13 SEL U23
シャミ・クティ 27 PEN
エンドリック 29 HCM
FW アリフ・アイマン 22 JDT
ロメル・モラレス 27 JDT
サファウィ・ラシド 27 TRE
アキヤ・ラシド 25 TRE
ダレン・ロック 34 SAB
パウロ・ジョズエ 35 KLC
ハキミ・アジム 21 KLC
シャフィク・アフマド 29 KDA
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、KLC-KLシティFC、PEN-ペナンFC
KDA-クダ・ダルル・アマンFC、BRU-タイ1部ブリーラム・ユナイテッド
HCM-ベトナム1部ホーチミンシティ

先月9月のムルデカ大会からチームの指揮を取るパウ・マルティ暫定監督は、ムルデカ大会出場メンバー26名中23名を再び招集しています。今回はGKカラムラー・アル=ハフィズ(スランゴールFC)、MFアフィク・ファザイル(JDT)、MFザフリ・ヤーヤ(KLシティFC)の3名が外れ、代わりにMFスチュアート・ウィルキン(サバFC)、GKアジム・アル=アミン(スランゴールFC)、そして先月行われたAFC U20アジアカップに出場したU19代表のハジク・アイマン(JDT U23)とMFハイカル・ダニシュ(スランゴールFC U23)の4名が選ばれています。

また以下の11名がスタンバイメンバーとしてリストアップされています。

P 氏名 年齢 所属
GK ハジク・ナズリ 26 PRK
DF デクラン・ランバート 26 KLC
シャールル・サアド 31 JDT
シャルル・ナジーム 25 SEL
ジクリ・カリリ 22 SEL
ウバイドラ-・シャムスル 21 TRE
MF ザフリ・ヤーヤ 30 KLC
ナズミ・ファイズ 30 JDT
ブレンダン・ガン 36 KLC
エゼキエル・アグエロ 30 SRP
ファーガス・ティアニー 21 CHB
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SEL-スランゴールFC
TRE-トレンガヌFC、KLC-KLシティFC、PRK-ペラFC、SRP-スリ・パハンFC
CHB-タイ2部チョンブリーFC

トレンガヌFCはトミスラフ・シュタインブリュックナー監督との契約を解除も事実上「解任」

トレンガヌFCはチーム公式SNS上で声明を発表し、トミスラフ・シュタインブリュックナー監督とチームの間で契約解除の合意に至ったことを明らかにしています。シュタインブリュックナー監督の後任には、バドルル・アフザン コーチが監督代行に就任、ハイルディン・オマル コーチがそのサポートを務め、今季の残り試合に臨むことも発表されています。

シュタインブリュックナー氏は、2015年に当時のTチーム、現在のトレンガヌFC IIの監督を務めた後、一旦は母国クロアチアに戻り、そこで指導者を務めていました。しかし2022年シーズンに14勝2分6敗でジョホール・ダルル・タジムFCに次ぐ2位に終わったチームは、なぜか当時のナフジ・ザイン監督(現クダ・ダルル・アマン監督)との契約を更新せず、このシーズンからチームのテクニカル・ダイレクターを務めていたシュタインブリュックナー氏を新監督に起用しました。しかし2023年シーズンのトレンガヌFCは11勝7分8敗で6位と、前年より成績を下げて終わり、今季2024/25シーズンもここまで順位は3位ですが、3勝5分2敗で2位スランゴールとは勝点差11と大きく引き離されていました。

サポーターからは、シュタインブリュックナー監督への批判が強まっていた中で、9月28日にホームで2位スランゴールFCとの直接対決に敗れたことで、経営陣は「選手、サポーター間の関係を良好に保つため、勝つチームのイメージ維持のため、総合的に判断した結果(トレンガヌFCの発表より抜粋)」、今回の発表に至ったということです。

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同意による契約解除とされていますが、事実上は「解任」されたに近いシュタインブリュックナー前監督にとって不運だったのは、昨季チーム総得点の4分の1に当たる11ゴールを挙げたFWイヴァン・マムートがプレシーズンマッチで左アキレス腱を痛め、開幕から欠場が続いたこと。この結果、第10節を終えてチーム得点は14とリーグ5位タイ、1点差以内の試合については1勝5分1敗と勝ち切れなかったことが、現在の成績につながっています。

トレンガヌFCは昨季在籍のアディサク・クライソーンの未払い給料に関する噂を否定

トレンガヌFCはチーム公式SNS上で声明を発表し、昨季2023年シーズンに在籍した元ダイ代表FWアディサク・クライソーンへの給料未払いについては、未払いとなっているのは数十万リンギではなく、数万リンギであるとし、SNS上での噂を否定しています。

現在はタイ2部カセサートFCでプレーしているアディサクは、タイ代表でも21ゴールを挙げているストライカーですが、昨季はトレンガヌFCで3ゴールとやや期待はずれに終わり、1シーズンで退団しています。そんなアディサク選手については、トレンガヌFCからの給料が一部未払いになっており、FIFAから処分を課される可能性が出ているという噂がSNSを中心に流布していました。そしてその額は数十万リンギ(1リンギはおよそ34円)に及ぶとされていました。

これに対してトレンガヌFCの声明では、未払いとなっているのは昨季12月分の給料で、その額は数十万リンギではなく数万リンギであり、未払いの内容はトレンガヌFC在籍中に住んでいた家の家賃や自家用車としてあてがわれていた車の使用料、タイとマレーシア間の航空券などに当たると説明しています。さらにトレンガヌFCはFIFAから8月31日付で未払い給料を45日以内に支払うようにという「指導」を受けていたことも明らかにし、チームはその期限である10月15日までに支払いを終える予定だとしています。

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複数のクラブで給料未払い問題が発生していることは、このブログで嫌になる程取り上げていますが、これまでそういった噂のなかったトレンガヌFCでも怒っていたのかと考えると、あらためのマレーシアサッカー界の給料未払い問題の浸透具合と根深さはすぐに解決できそうもないことがわかります。

チーム公式SNSでのストリーム配信がリーグ規定抵触のクランタンに罰金処分

マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、チーム公式Facebook上でストリーミング配信を行なったクランタン・ダルル・ナイムFCに対して、5000リンギ(およそ18万円)の罰金処分を課すことを発表しています。またMFLはクランタン・ダルル・ナイムFCに対して、今後同様の違反があればより厳しい処分欠かされると厳重注意も行なっています。

MFLによると、チームによる試合のストリーミング配信は、国内衛星放送局アストロ(ASTRO)と、公営放送局のラジオ・テレビ・マレーシア(Radio Television Malaysia、通称RTM)にのみ与えられているマレーシアスーパーリーグの試合の放映権の侵害にあたり、MFLの規定で禁止されているということです。

MFLのジョルジオ・ポンピリCEOは、マレーシアスーパーリーグの商業的価値を守ることの重要性を強調し、放映権は各チームにとって重要な収入源になっていると説明しています。また、各チームのサポーターに対して正規の放映権を持つアストロとRTMによるストリームングや放映を視聴するよう強く求めるとともに、違法な配信についてはこれを視聴しないようにとも訴えています。

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