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10月3日のニュース
・ACLエリート東地区第2節:ジョホールがホームで上海申花に快勝、次節は1位光州FCとの首位攻防戦
・FIFAはオランダ生まれのマッツ・デアイルのマレーシア代表入り資格なしと決定

ACLエリート東地区第2節:ジョホールがホームで上海申花に快勝

10月1日にACLエリート(ACLE)東地区第2節が行われ、ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)は、上海申花を3-0で破り、ACLE初勝利を記録しています。

第1節ではアウェイの上海海港と2−2の引き分けに終わったJDTと、浦項スティーラーズ(韓国)に4-1で勝利した上海申花の対戦の先発XIは以下の通りでした。ホームのJDTは2ゴールを挙げたアリフ・アイマンを含めて初戦の上海海港線と全く同じ先発XI、一方の上海申花は浦項戦からはDFアイディ・フランシスとMFワン・ハイジエン(汪海健)に代わり、浦項戦で2ゴールを挙げたFWキャファス・マレレとDFジン・シュンカイ(金顺凯)が先発しています。

試合開始から激しく攻めるJDTは、いきなり開始20秒でチャンスが訪れます。右サイドをドリブルで持ち込んだアリフ・アイマンからの低いクロスに、ゴール前のホルヘ・オブレゴンが合わせられず、先制機を逃します。オブレゴン選手は8分にもGKと1対1のチャンスを得ますが、シュートはゴールポスト左に外れてしまいます。しかしこの嫌な雰囲気を救ったのはアリフ選手でした。右サイドでフアン・ムニスからボールを受けるとペナルティエリアへボールを持ち込むと、相手GKがファーサイドへのシュートに備えたのを見るとニアサイドの厳しい角度へシュートを決め、自身のACLE3ゴール目で11分にチームに先制点をもたらします。

さらに26分には、右サイドでアリフ選手がDFをかわしカットバックからのクロスをオスカル・アリバスが押し込んで追加点を決めたかに見えましたが、VARが入り、アリフ選手がオフサイドであったとして得点にはなりません。しかし、その2分後に今度は左サイドを上がったムリロ・エンリケからのクロスを3度目の正直とばかりにオブレゴンが頭で合わせてゴールを決め、JDTはリードを2点に広げます。

後半に入ってもアリフ・アイマンのペースは落ちず、JDTも攻勢となりますが、なかなか追加点が奪えない展開が続く中、80分にペナルティーエリアの外もゴール正面という絶好のポジションでフリーキックをで得ます。このフリーキックをフアン・ムニスがホール左へ蹴り込むと、上海申花GKはボールに触れることすらできずにゴールインし、JDTは3点目を奪うと共に、この試合の勝利を決定づけています。

この勝利で東地区2位に浮上したJDTは、次節第3節では東地区首位の光州FC(韓国)との「首位攻防戦」をアウェイで対戦します。

ACLエリート東地区第2節
ジョホール・ダルル・タジムFC 3-0 上海申花
⚽️ジョホール:アリフ・アイマン(11分)、ホルヘ・オブレゴン(26分)、フアン・ムニス(80分)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。

FIFAはマッツ・デアイルのマレーシア代表入り資格なしと決定

マレーシアサッカー協会(FAM)は、オランダ1部のゴー・アヘッド・イーグルズでプレーするオランダ生まれのDFマッツ・デアイルにマレーシア代表入り資格が無いという判断をFIFAが下したことを、公式サイトで発表しています。

FAMがマレーシアの血筋を持つ選手として今年6月から本人、所属クラブなどと交渉中であることを明らかにしたデアイル選手は、本人もマレーシア国籍を取得しての代表入りについては積極的な姿勢を見せていました。そのデアイル選手からFAMに送られた両親や祖父母、曽祖父母の出生証明をFIFAに送ってその判断を仰いだところ、デアイル選手のマレーシアの血筋は、FIFAが認める国籍要件を満たしていないという回答だったということです。

FIFAは代表選手としてプレーする際の国籍要件として、以下の4つのいずれかを満たしている必要があるということです。
1)選手自身がその国で生まれていること。
2)選手の父親または母親がその国で生まれていること。
3)選手の祖父または祖母がその国で生まれていること。
4)選手がその国に5年以上居住していること。

しかしデアイル選手の場合は母方の祖父の母親が1893年に当時は英国領マラヤの一部であったシンガポール生まれだということがFAMの審査により明らかになったということです。そしてこの結果を諦めきれなかったFAMは、9月23日に最終確認を求めてFIFAに書簡を送ったということですが、その2日後にFIFAから届いた返信には、デアイル選手のマレーシアの血筋が祖父母より前まで遡らなければならないことから、マレーシア代表としてプレーする資格がない、と書かれていたということです。

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現在、2026年W杯アジア3次予選を戦っているインドネシア代表は、登録22名中13名が国外生まれながらインドネシア国籍を得た帰化選手です。2試合連続の引き分けて終わったW杯予選のサウジアラビア戦やオーストラリア戦では、先発XIの内9名が帰化選手でした。隣国インドネシアが帰化選手の活躍によって大躍進を果たしていることから、マレーシア国内でも、FAMはヨーロッパでプレーするマレーシアの血を引く選手を探して代表入りさせる方針を積極的に進めるべき、という声があります。マレーシア国内リーグにも、またマレーシア代表にも国外で生まれ育った後にマレーシア国籍を獲得した帰化選手は増えてきていますが、これらの選手はインドネシアの帰化選手のようにヨーロッパのトップリーグでプレーしていたり、ヨーロッパ各国で年代別代表の経験があるわけではありません。下部リーグでのプレー経験しかない選手ばかりを集めても、インドネシアはもちろん、同様の強化策を進めるタイやベトナムには追いつけそうもない中、FAMの中にそういった選手を調査するスカウティング部門を設けるべき、といった声もありますが、FAMはコロナ禍前にマレーシア国内で5年以上プレーした選手の帰化を支援するプログラムを導入したこともありますが、これを経てマレーシア国籍を取得した選手がいずれも代表チーム強化に全くつながらなかった経験があります。その際にはサポーターからマレーシア人選手の出定機会を奪う誤った強化策といった激しい批判を受け、その後はFAM主導の帰化支援は行わないことを宣言した経緯があります。

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