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9月10日のニュース
・ムルデカ大会:マレーシアがレバノンを下し優勝
・ムルデカ大会:3/4位決定戦はPK戦の末、タジキスタンが勝利
・ムルデカ大会優勝のマレーシア代表に朗報ーオランダ1部クラブのキャプテンが代表入りへ

ムルデカ大会:マレーシアがレバノンを下し優勝

9月8日に第43回目となるムルデカ大会の決勝がクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われ、FIFA135位のマレーシアが同117位のレバノンを1−0で下して優勝を果たしています。大会ホストのマレーシアが優勝したのは2011年以来11年ぶりと多くのメディアが伝えていますが、2013年の大会はU23代表同士が対戦し、優勝したのがマレーシアU23でした。しかしA代表がこのムルデカ大会に最後に優勝したのは1983年で、それから数えると実に41年ぶりの優勝ということになりました。

この日の先発XIは以下の通り。初戦のフィリピン戦で先発したアリフ・アイマン、アフィク・ファザイル(ジョホール・ダルル・タジムFC、JDT)、アキヤ・ラシド(トレンガヌFC)、ダニエル・ティン(サバFC)に代わり、この試合ではシャフィク・アフマド(クダ・ダルル・アマンFC)、サファウィ・ラシド(トレンガヌFC)、ノーア・レイン(スランゴールFC)、ラヴェル・コービン=オング(JDT)の4名が入れ替わっています。特に、いずれもここ数年は飼い殺し状態だったJDTから期限付き移籍し、今季は出場時間を重ねているシャフィク・アフマドとサファウィ・ラシドが代表戦の先発XIに揃って名を連ねるのは本当に久しぶりでした。しかもこの2人にコロンビア出身の帰化選手ロメル・モラレス(JDT)が加わる攻撃陣が発表になると、試合前からワクワクが止まりませんでした。

今季の幕開けとなった1月のAFCアジアカップでは韓国と壮絶な戦いを演じ3-3と引き分けたものの、結局アジアカップは0勝1分2敗に終わりグループステージで敗退したマレーシアは、その後も3月と6月に行われた2026W杯予選では1勝1分2敗として勝点1差で3次予選進出を逃していました。さらに7月にキム・パンゴン監督が契約期間を17ヶ月残して退任しており、ここ数ヶ月の代表チームにはポジティブな要素が見当たりませんでした。しかも、隣国インドネシアの躍進に対して、キム前監督によるマレーシアサッカー協会(FAM)の支援が不十分だったといった発言や、各年代代表の伸び悩み、さらにファイサル・ハリムの酸攻撃など代表選手が続けて襲われた事件の進捗が見られないこともあり、サポーターの不満はFAMに向かい、その結果が今大会の代表選応援ボイコット呼びかけでした。

初戦となったフィリピン戦に続き、この試合もウルトラスによるボイコットは続き、ゴール裏はガラガラでした。しかしこの日の試合こそ、マレーシア代表の1番のサポーターであるウルトラスの面々にこそ見てもらいたい試合でした。パウ・マルティ監督代行がかつてバルセロナユースのコーチだったことを引き合いに出されて、スペインサッカーの片鱗すら感じられないと酷評された初戦のフィリピン戦は何だったのか、と感じさせるほど一人一人の選手が躍動し、その一方でチームが連動して動く、キックオフから全く別のチームを見せられているようでした。W杯予選やアジアカップと比べても、。段違いのパフォーマンスは単純に見ていて楽しく、初戦のタジキスタン戦ではフィジカルの強さも使い、ことごとく相手の守備を跳ね返していたレバノンを試合開始から完全に守勢に回らせる様は圧巻でした。

そんな中、マレーシアの先制ゴールは33分でした。初戦はベンチながらこの試合は左サイドバックで先発したラヴェル・コービン=オングが得意のロングスローをゴール前にへ送ると、相手DFのクリアが小さくこれをサファウィ・ラシドが再びヘディングで戻すと、待ち構えていたエンドリック・ドス・サントスのシュートは阻まれたものの、そのこぼれ球をロメル・モラレスが押し込んでマレーシアが先制します。

マレーシア1点リードで後半に入ると、今度はギアを上げたレバノンに押し込まれ、自陣でプレーする時間が長くなったマレーシアですが、それでもシャマー・クティとノーア・レインの新しいボランチコンビがセンターバックなどとうまく連携し、決定機をほとんど与えませんでした。そしてレバノンが78分に2枚目のイエローで退場者を出し10人となった後も、最後まで集中を切らさなかったマレーシアが今季初の完封勝ちを挙げて、少ないながらも1万人を超えるファンの期待に応えました。そしてこの勝利は 対レバノン戦3試合目で初勝利であるとともに、中東のチームとの対戦でも2014年にアジアカップ予選でイエメンを2-1で破って以来の勝利でもありました。

第43回ムルデカ大会決勝
2024年9月8日@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラ・ルンプール)
マレーシア 1-0 レバノン
⚽️マレーシア:ロメル・モラレス(33分)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。

ムルデカ大会:3/4位決定戦はPK戦の末、タジキスタンが勝利

決勝に先立って行われた3/4位決定戦では、昨年のこの大会優勝チーム、タジキスタンがPK戦の末、フィリピンを破って3位になっています。初戦のレバノン戦に0−1で敗れたタジキスタンは、この試合でも90分間では0−0と得点がありませんでした。PK戦はフィリピンの1人目タビナス・ジェファーソン、2人目ハーヴェイ・ガヨソがいずれもゴールポストに当てて失敗してしまった一方で、タジキスタンは2人目のパルヴィジョン・ウマルバエフがフィリピンGKケヴィン・メンドーザに止められたものの、残り4名がPKを決めて、4-3で勝利しています。

昨年のムルデカ大会優勝時のペタル・セグルト前監督は、今年2月に契約満了で退任し、セグルト前監督時代にコーチを務めていたゲラ・シェキラゼ監督がしゅうにんしましたが、今大会を振り返ってシェキラゼ監督は、今大会が代表デビューとなった5選手を含めて、ベスト16に残ったアジアカップからも半数以上の選手が入れ替わっていると述べて、チーム状況が変わっていると説明し、さらに今月開幕するACL2に出場するFCイスティクロル・ドゥシャンベとラフシャン・クリャーブからは、今大会の代表チームには選手を招集しなかったことも述べています。

第43回ムルデカ大会3/4位決定戦
2024年9月8日@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラ・ルンプール)
フィリピン 0-0 タジキスタン(PK 3-4)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。

ムルデカ大会優勝のマレーシア代表に朗報ーオランダ1部クラブのキャプテンが代表入りも

オランダ1部ゴーアヘッドイーグルズに所属する27歳のDFマッツ・デアイルが「マレーシア国籍取得の準備中」と自身のSNSに投稿したことを、英字紙ニューストレイツタイムズが報じています。

オランダのフラールディング生まれのデアイル選手は、父方にマレーシア人の血が入っていることをこれまでも明らかにしていましたが、今回はマレーシア代表入りに関心があることを初めて明らかにしています。

マレーシアサッカー協会(FAM)に対して両親や祖父の出生証明書など自身の血筋を示す書類を用意している最中だと投稿したデアイル選手は、既にFAMからも接触されているとし、招集されることがあれば代表でプレーする意思も既に表明済みだとも述べています。「当初はマレーシア代表でプレーすることなど起こり得ないと思っていたが、FAMが積極的に関与してくれており、心配無用だとも言われているので、今では確信をもって代表入りについて話すことができる。」とも述べています。

FAM側もハミディン・アミン会長が代表入りの意思を表明すれば全力で支援する方針であることを明らかにしており、デアイル選手の代表入りは時間の問題のようです。

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