9月3日のニュース
・ムルデカ大会開幕3日前でチケット売り上げは1000枚足らず-サポーターは本当にボイコットするのか
・マレーシア政府は代表チームに総額5億円超の割り当てを発表
・パク前ベトナム監督代理人はFAMからの接触がないことを明言
ムルデカ大会開幕3日前でチケット売り上げは1000枚足らず-サポーターは本当にボイコットするのか
明日9月4日に開幕するムルデカ大会を前にチケットの売り上げが伸び悩んでいると、英字紙ニューストレイツタイムズが報じています。1957年に第1回大会が開催されたムルデカ大会は、タイのキングズカップと並んでアジア最古の国際招待大会ですが、今回はFAMの運営に不満を明らかにしている代表チームのサポーター団体「ウルトラス・マラヤ」が呼びかけた観戦ボイコットにより、その歴史の重みに反して淋しい大会になる可能性が浮上しています。
マレーシアサッカー協会(FAM)の公式SNSでは、国際大会の前にはチケットの売り上げ状況などが頻繁に投稿されますが、今回のムルデカ大会ではそう言った情報が何も投稿されていないことから、事態は予想された以上に深刻なのかも知れません。なおニューストレイツタイムズは、9月1日の時点でチケットの売り上げは1000枚に達していないとも報じています。
今回のムルデカ大会では明日9月4日には、第1試合で昨年大会の覇者タジキスタンがレバノンと対戦し、第2試合ではマレーシアがフィリピンと対戦します。そして9月8日には、第1試合で9月4日の試合の敗者同士が3位決定戦を、勝者同士が決勝を戦います。
昨年は10月に行われた前回大会では、今回と同じクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場にマレーシアの初戦となったインド戦は4万6000人、決勝のマレーシア対タジキスタン戦は3万7000人の観衆が集まりました。
この状況についてFAMのフィルダウス・モハメド競技委員会委員長は、チケット売り上げ状況に失望しているとともに、蓋を開けてみても観衆が集まらなければ、来年以降のムルデカ大会での代表チームを大会に招待する際に支障が出る可能性があると懸念しています。
マレーシア政府は代表チームに総額5億円超の割り当てを発表
これも政治絡みの人気取りムーブなのか。
マレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、代表チームに対して総額1500万リンギ(およそ5億円)の金銭的支援を政府が行うことを発表しています。
アンワル首相は9月3日の金融省都の月例会議の席上で「多くのマレーシア人はサッカーを愛しており、マレーシア代表を全力で応援している。そこで代表チーム強化のために、この支援を行うことを決めた。」と発言しています。
さらにアンワル首相は、代表チームが成功するには選手、監督やコーチの福利が安心したものであることが重要であり、そうすることで全員が練習に集中できると述べています。また満足いく練習施設も必要であるとも述べ、今回の支援によって精神的にも物理的にも満足できる練習が行えるだろうとも述べ、近いうちにマレーシアサッカー協会(FAM)にこの割り当てを伝えたいとしています。
自分はマレーシアが安定した経済成長を続けることを望んでいるだけでなく、国の名を世界に広める素晴らしい代表チームを持つことも同時に望んでいるとも話しています。
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アンワル首相がいつからマレーシアのサッカーに関心を持ち始めたのかはわかりませんが、現場の福利厚生を考えるという発想は、以前自身が元マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン氏と話した際に学んだことだと説明しています。
なおアンワル首相は同時に、金融省からFAMの経営状況を監視するための担当者も派遣することを検討していると話していますが、もしかすると、これがこのニュースの最も重要なポイントからも知れません。5億円を受け取ることを条件に、FAM内部に金融省から人間を送り込んで、色々と疑惑があるとされるFAMの運営の調査に着手するのだとすれば、むしろ賢いアプローチと言えそうです。
パク前ベトナム監督代理人はFAMからの接触がないことを明言
8月30日のこのブログでは、マレーシアサッカー協会(FAM)のハミディン・アミン会長が、現在空席となっているマレーシア代表監督の候補の1人として前ベトナム代表監督のパク・ハンソ氏を検討しているというニュースを取り上げましたが、パク氏の代理人はFAMとは何の交渉も行っていないことを明らかにしています。
これを報じて英字紙ニューストレイツタイムズは、その一方で、代理人のイ・ドンジュン氏は、FAMがパク氏を実際に候補として考えているのであれば、まずは代理人のイ氏を通じて監督就任オファーを出すべきだと、韓国メディアに述べています。
これまでにハミディンFAM会長と話し合いを持ったことはあると話したイ氏は、パク氏への監督就任についてはその席では話題に上がらなかったと述べ、FAMからの監督就任オファーも、また一部メディアで取り上げられているようなパク氏が逆に監督就任をFAMに持ちかけたこともないと明言しています。
キム・パンゴン前マレーシア監督は、今年7月に1年5ヶ月の契約期間を残して辞任し、その後は韓国1部の昨季王者、蔚山HDの監督に就任しています。この結果、現在はパウ・マルティ代表チームコーチが監督代行として、明日から始まるムルデカ大会、そして年末の東南アジアサッカー連盟(AFF)選手権「三菱電機カップ」で指揮を取ることになっています。マルティ監督代行については、年内の2大会の結果次第では、来年2025年に行われるAFCアジアカップ2027予選でも指揮を取る可能性があることをハミディンFAM会長を明言しています。