8月29日のニュース
・ACLとの衝突を避けるために年末のアセアン選手権の日程が変更に
・代表とクラブがマッチアップ:シンガポール代表は9月のFIFAデイズでマレーシア王者ジョホールなどと対戦
・FAカップ決勝でジョホールに削られ続けたアギャルカワが長期離脱へ
・AFC女子チャンピオンズリーグ:サバは初戦引き分け
ACLとの衝突を避けるために年末のアセアン選手権の日程が変更に
東南アジアサッカー連盟(AFF)は、今年11月に開幕予定だった東南アジアサッカー連盟選手権「三菱電機カップ」について、その日程を一部変更することを発表しています。AFF選手権は隔年で開催される東南アジアNo. 1を決める大会で、当初は11月23日から12月21日の決勝までの日程が発表されていました。
AFFは声明の中で、「複数の加盟協会からの提案を受け、大会での各国代表チームの最適な強さとパフォーマンスを確保するため」として、大会本戦の日程が11月23日から12月21日ではなく、12月8日から1月5日に変更されることを発表ししています。
当初発表された日程がアジアサッカー連盟(AFC)主催のACLエリートとACL2のいずれも第5節と第6節と重なっていたため、ACLを優先し、この大会に東南アジア各国代表の主力選手が揃わないことが心配されていました。
11月26日から27日に第5節が、12月3日から4日に第6節が行われるACLエリートには、東南アジアからはマレーシアスーパーリーグの優勝チーム、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)と、タイリーグ1のチャンピオン、ブリーラム・ユナイテッドが出場します。
また11月26日から28日に第5節、12月3日から5日に第6節が開催されるACL2には、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポールのクラブが出場します。
なお三菱電機カップに出場する各国の内、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ブルネイ、東ティモールのクラブはAFCが今季新設したACL3番目のリーグであるAFCチャレンジリーグに出場しますが、その日程は三菱電機カップとは重ならないため、ブルネイと東ティモールが出場する10月5日から15日までの本戦出場をかけた予選の日程は変更されません。
その一方で、この三菱電機カップが開催される期間はFIFA国際マッチカレンダー外となっていることから、各国のクラブは選手をこの大会に出場する代表の招集に応じる義務はなく、今回の日程調整を行ってもなお、各国代表チームの主力選手が出場しない可能性も残ります。実際に前回2022年の大会では、マレーシアでは、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が主力選手の代表招集を拒否しています。
また、12月8日の開幕戦直前に代表チームが合宿を行う場合も、ACLエリートやACL2の第6節と重なるため、ここでも代表選手の招集に問題が生じる可能性があります。さらにAFFが今季から新設したのASEANクラブ選手権「ショッピーカップ」のグループステージの第3節は、三菱電機カップ決勝の3日後である1月8日に予定されており、AFF自身が生み出した過密日程による影響が現れる可能性もあります。
代表とクラブがマッチアップ:シンガポール代表は9月のFIFAデイズでマレーシア王者ジョホールなどと対戦
シンガポールの英字紙ストレイツタイムズによると、9月2日から10日にかけてのFIFA国際マッチカレンダー(FIFAデイズ)で、シンガポール代表はマレーシアリーグの昨季王者ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)と自然試合を行うということです。
日本代表のコーチやJリーグ大宮や千葉、川崎などのコーチなども務めた小倉勉氏が今年2月1日に監督に就任したシンガポール代表は、適切な対戦相手が見つからなかったことなどを理由に、9月のFIFAデイズでは国際試合を行わないことになりました。
その代わりに、9月6日と7日にマレーシアスーパーリーグ(MSL)で昨季まで10連覇中のJDT、そしてシンガポール1部のプレミアリーグのBGタンピネス・ローバーズと対戦し、さらに10月のFIFAデイズ(10月7日から15日まで)では日本に遠征し、J1リーグのチームと3試合の親善試合を行うということです。なお、9月の親善試合はいずれも非公開で行われるということです。
また今年年末に開催される東南アジアサッカー連盟(AFF)選手権「三菱電機カップ」に向けては、11月のFIFAデイズでは11月15日にミャンマーと、11月19日には台湾といずれもシンガポール代表のホーム、シンガポール国立競技場で対戦することも発表されています。
9月と10月のFIFAデイズでは国際親善試合を行わないことが発表された席上にいた小倉シンガポール代表監督は、9月には新しい選手を招集して試し、10月には日本での試合間の移動の厳しさに慣れさせ、11月には国際親善試合を行って、これら3回のFIFAデイズを使ってチームのプレー強度を徐々に高めていくと述べています。なお、2月に就任した小倉監督はW杯予選では0勝3敗1引分という記録を残しています。
なおシンガポールが国際親善試合を行わない9月のFIFAデイズで、マレーシアは、フィリピン、タジキスタン、レバノンを招いてムルデカ大会を、またベトナムはタイとロシアを招いて3カ国対抗戦を行います。
FAカップ決勝でジョホールに削られ続けたアギャルカワが長期離脱へ
8月24日に行われたマレーシアFAカップ決勝では、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)に何度も削られて倒れる場面があったスランゴールFCのMFアレクサンダー・アギャルカワは、前半終了間際の44分という異例の時間帯に交代していましたが、精密検査の結果、ケガの状況は深刻さから数ヶ月間はチームを離脱することが明らかになっています。
スランゴールFCのジョハン・カマル・ハミドンCEOが明らかにしたところによると、ガーナ出身のアギャルカワ選手は、ケガの完治のために安静1ヶ月、さらリハビリと試合出場のためのフィットネスレベルに戻すため少なくとも2ヶ月は必要になるだろうということです。
アギャルカワ選手は試合後に診察を受け、その際のレントゲン写真を自身のSNSに写真のみを投稿しましたが、そこには骨の一部に明らかな亀裂が写っていたことから亀裂骨折、あるいは骨折の疑いが浮上し、サポーターからは心配する声が上がっていました。
FAカップ決勝ではボランチとして出場したアギャルカワ選手が0-2のビハインドとなった前半で退くと、アギャルカワ選手に代えてFWのレジク・バニハニを起用したニザム・ジャミル監督の采配も疑問ではありましたが、後半はスランゴールの連携は明らかに悪くなり、結果的に後半だけでJDTに4失点し、最終的には1−6で敗れています。
来月には8年ぶりのアジアの舞台となるACL2でムアントン・ユナイテッド(タイ)との対戦も控えるスランゴールにとって、今季開幕前の酸攻撃で欠場していたファイサル・ハリムが復帰しチームに勢いがついていた中で、アギャルカワ選手の長期離脱は大きな痛手になりそうです。
AFC女子チャンピオンズリーグ予選:サバは初戦引き分け
第1回となるAFC女子チャンピオンズリーグ(AWCL)の予選ステージのC組がマレーシアのサバ州で開幕し、マレーシアから出場するサバFAは初戦でネパールのAPF FCと0-0の引き分けに終わっています。
2019年にAFC女子クラブ選手権として始まったこの大会は、今季2024/25シーズンからAFC女子チャンピオンズリーグと改編されています。今季から秋春制となったこの大会は、今季から2027/28シーズンまでの4季は、AFCに22加盟協会(FA)にそれぞれ1つの出場枠が与えられることになっています。また2028/29シーズンからは、大会出場国の決定はAFC女子クラブ競技ランキングに基づいて行われます。
今大会は今年3月のFIFA女子ランキングに基づいて上位8位までのFA(*実際にはランキング2位の北朝鮮が出場辞退したため、1位の日本以下、オーストラリア、中国、韓国、ベトナム、フィリピン、台湾、タイ)のクラブがグループステージに出場し、残る13FAのクラブはまず予選に出場し、そこからグループステージの残り4枠が決定されます。
予選ステージC組の集中開催地となったマレーシアからは2023年国内リーグで優勝したサバFAが出場し、PFCナサフ(ウズベキスタン)、APF FCとともにグループ1位に与えられる本戦出場枠を争います。
APF FCは、8月25日に行われたPFCナサフとの対戦で0−1と敗れており、敗退が決定しています。8月31日の最終戦で対戦するPFCナサフとサバFAは、その結果が引き分け以上であればPFCナサフがグループ1位となり、サバFAが予選を突破するためには勝利が必要となります。