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2024/25シーズンFAカップ準決勝2ndレグの結果とハイライト映像
・ファイサル・ハリムがベンチ入りしたスランゴールは逆転で決勝進出
・ジョホールはクダに圧勝でFAカップ3季連続優勝に王手

8月4日と5日にマレーシアFAカップ準決勝の2ndレグ2試合が行われ、スランゴールFCとジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)がそれぞれ勝利するとともに、通算成績でも対戦相手位を上回り、決勝進出を決めています。決勝は8月24日となっています。

この両チームは今季のリーグ開幕戦で対戦予定でしたが、その数日前にスランゴールFCのファイサル・ハリムが酸をかけられる事件が起こりました。スランゴールFCはリーグを主催するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)に開幕戦の延期を求めましたが、MFLはこれを却下、その結果、スランゴールFCは出場を辞退し、JDTが不戦勝隣、勝点3を与えられる事態になっています。

ファイサル・ハリムがベンチ入りしたスランゴールは逆転で6年ぶりに決勝進出

マレーシアFAカップ2024/25 準決勝2ndレグ
2024年8月3日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 4−1 トレンガヌFC (通算成績6-4)
⚽️スランゴール:サフワン・バハルディン3(3分、5分、52分)、レジク・バニハニ(90+3分)
⚽️トレンガヌ:イスマヒル・アキナーデ(22分)
🟨スランゴール(2)、🟨トレンガヌ(2)

7月19日に行われたトレンガヌのホームでの1stレグでは2−3と破れていたスランゴールが、キャプテンでCBのサフワン・バハルディンのハットトリックなどで4−1と快勝し、通算成績を6−4として、FAカップ決勝に駒を進めています。

ここ数試合のスランゴールは、開始5分以内にゴールを決めて、相手の出鼻を挫く試合が続いていましたが、この試合もいきなり開始3分に、ヨハンドリ・オロスコの右コーナーキックにサフワン・バハルディンが頭で合わせて、スランゴールがあっさりと先制します。さらにその2分後には全く同じように右コーナーキックをサフワン選手が再びヘディングでゴールを決め、開始5分でスランゴールが2−0とリードを広げます。しかし、トレンガヌもサファウィ・ラシド、アキヤ・ラシドらを中心にスランゴールのゴールに迫り、ついに22分にはイスマヒル・アキネードのゴールで1点を返しますが、結局、前半はスランゴール1点のリードで折り返します。

後半に入ると、52分には今度はコーナーキックからスランゴールが相手ゴール前でボールをつなぎ、最後はそのこぼれ球をまたもやサフアン選手が豪快に蹴り込んで、再びリードを広げると、90+3分にはヨルダンU23代表FWレジク・バニハニがダメ推しとなる4点目のゴールを決めて、この試合はスランゴールが4−1で勝利するとともに、1stレグとの通算成績を6−4として、FAカップ決勝進出を決めています。

この試合は、5月5日に酸をかけられ、その後は皮膚の移植手術やリハビリなどを行っていたマレーシア代表FWファイサル・ハリムが今季初めてベンチ入りするなど、スランゴールにとっては絶対に負けられない試合でしたが、32歳のベテランでキャプテンのサフワン選手率いるチームとスタンドが一体になる熱い戦いで、2018年以来6年ぶりのFAカップ決勝進出を決めています。

FAカップでは過去5度の優勝経験があるスランゴールは、2009年以来の優勝を目指してJDTと対戦します。

試合のハイライト映像。マレーシアンフットボールリーグ(MFL)の公式YouTubeより。

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トレンガヌのサポーターには申し訳ないですが、決勝進出を決めたのがスランゴールで良かった、という印象です。と言うのも、この試合のトレンガヌの先発XIの内、ポストに当たる惜しいシュートを放つなど最後までゴールを狙い続けたFWサファウィ・ラシドとFWアキヤ・ラシド、そしてDFサフワン・マズランはいずれもジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)からのローン移籍の選手で、この試合でトレンガヌが勝っていたとしていも、JDTとの決勝では「紳士協定」により出場できず、ベストの布陣でないトレンガヌがJDTに挑む図式では、公正さに欠けるのではと考えてしまいます。上記の3選手がいたからこそ準決勝まで進むことができたトレンガヌですが、明らかに戦力ダウンとなる布陣で決勝を戦うのであれば、ファイサル・ハリムがベンチ入りしたことで士気が上がっているスランゴールが、連覇を目指すJDTに挑む方か、FAカップ決勝がより盛り上がるのではないかと考えます。

ジョホールはクダに圧勝でFAカップ3季連続優勝に王手

マレーシアFAカップ2024/25 準決勝2ndレグ
2024年8月4日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジムFC 3-0 クダ・ダルル・アマンFC(通算成績5-1)
⚽️ジョホール:フェロズ・バハルディン(50分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(77分) 、フアン・ムニス(84分)
🟨ジョホール(1)、🟨クダ(1)、🟥クダ(1):ソニー・ノルデ(🟨x2)

1stレグではクダにロスタイムのゴールで2-1と辛勝していたジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が、2ndレグでは3-0と圧勝して3シーズン連続の決勝進出を決めています。

前半から激しく攻めるJDTの猛攻をGKカラムラー・アル=ハフィズの好セーブや引き気味の布陣などで耐え凌いだクダでしたが、50分にこの均衡が崩れます。右サイドのショートコーナーからマシュー・デイヴィーズがゴール前へクダDFの上を越える絶妙の浮き球でボールを出したところに走り込んできたフェロズ・バハルディンがこれを押し込んで、ついにJDTが先制します。さらに76分にはフアン・ムニスのコーナーキックをベルグソン・ダ・シルヴァが頭で押し込み2-0とすると、82分にはそれまで好セーブを連発していたクダGKカラムラー・アル=ハフィズがバックパスをJDTに奪われて失点すると万事休す。通算成績5−1でジョホールが決勝進出を決めています。

試合のハイライト映像。アストロ・アリーナの公式YouTubeより。
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