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6月1日のニュース
・AFCクラブ大会ランキングが発表:マレーシアは2025/26シーズンACLエリートとACLの本選出場枠各1を守る
・ジョホールがACLエリートに向けてクラブ初となる韓国出身CBを獲得へ
・2026W杯予選:マレーシア代表が練習試合でペラFCに辛勝

スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロは、マレーシアスーパーリーグのペラFCのU17チーム、ペラFC IVのキャプテン、ナスルディン・アフマドが、2023年度の「中等教育修了認定試験」SPM試験でオールAの成績を取得したことを報じています。

これがどのくらい凄いことかを説明するために、まずはマレーシアの教育制度を説明しましょう。マレーシアはその前身のマラヤ連邦が英国植民地だった経緯もあり、教育制度は英国に倣い、義務教育となっている小学校6年間を終えた子どもたちの大半が、5年制の中等学校へ進学します。この中等学校5年生修了が日本でいう高卒に該当しますが、マレーシアの教育制度が日本と異なるのは、17歳の5年生全員に「中等教育修了認定試験」の受験が義務付けられていることです。

中等教育修了証の名前をとってSPM試験と呼ばれるこの試験は、マレーシア語、英語、数学、歴史、イスラム学(イスラム教徒の生徒のみ)/道徳(イスラム教徒以外の生徒)、理科(文系の生徒のみ)の必須6科目と、選択科目を進路などに合わせて3科目から6科目選び、合計9科目から12科目を受験します。そして試験の結果が80%以上の成績にはAが、60%以上はB、50%以上はCがそれぞれ与えられ、C以上の成績が合格となります。

2023年度は37万人の17歳が受験したSPM試験の結果が数日前に発表されましたが、それを受けての冒頭のナスルディン選手の成績の話とつながります。なお、ナスルディン選手は9教科受験でオールAの成績でしたが、これは受験生全体の上位3%に入る成績であったことからニュースとなったわけです。

AFCクラブ大会ランキングが発表:マレーシアは2025/26シーズンACLエリートとACLの本選出場枠各1を守る

アジアサッカー連盟(AFC)は2025/26シーズンAFC主催のクラブ出場大会の各国出場枠を発表し、マレーシアは今季2024/25シーズンと変わらず、ACLからリブランドされたACLエリートと、AFCカップからリブランドされたACL2にそれぞれ1チームが本戦から出場することが確定しています。なおACL2に次ぐ大会のAFCチャレンジリーグの出場枠はありません。

AFC主催のクラブ出場大会の出場枠は、各国クラブがこれまで獲得したポイントをもとにしたAFCクラブコンペティションランキングによって決定します。東西各地区の1位は2025/26シーズンのACLエリート本選に3チーム、ACL2本選に1チームが出場、同2位はACLエリート本選に2チームと予選に1チーム、ACL2本選に1チームが出場するといった割り当てとなっています。

マレーシアは2019年から5年連続本選出場を果たしているジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)や、2022年AFCカップ準優勝のKLシティFCなどが貢献し、横浜F・マリノスが今季のACLで準優勝したことなどにより、31.331ポイントで東地区の6位となっています。例年通りであれば、2025/26のACLEにはマレーシアスーパーリーグ(MSL)の1位がが、またACL2にはFAカップの優勝チームが出場します。なお今季2024/25で言えば、JDTがMSL1位、FAカップ優勝だったことから、MSL2位のスランゴールFCがACL2に出場します。

東地区ではマレーシアと3.372ポイント差の5位がオーストラリアで、7位には2.674ポイント差でベトナムとなっています。5位のオーストラリアは、マレーシアと同じACLエリート本選1チーム出場、ACL2本選1チーム出場となっている一方で、7位ベトナムはACLは本選、予選とも出場枠なし、ACL2は本選1チーム出場、予選1チーム出場となっています。以下は東地区上位12チームと各大会出場枠です。数字は左からACLエリート本選出場チーム数/同予選出場チーム数/ACL2本本選出場チーム数/同予選出場チーム数です。(なお、この記事はゲキサカさんの記事を参考にしました。)

順位 国名 ポイント AFC大会出場枠
1 日本 96.999 3/0/1/0
2 韓国 93.600 2/1/1/0
3 中国 57.764 2/1/1/0
4 タイ 49.546 1/1/1/0
5 オーストラリア 34.703 1/0/1/0
6 マレーシア 31.331 1/0/1/0
7 ベトナム 28.657 0/0/1/1
8 香港 26.888 0/0/1/1
9 シンガポール 17.350 0/0/1/1
10 フィリピン 16.230 0/0/1/1
11 インドネシア 14.816 0/0/0/1
12 北朝鮮 13.923 0/0/0/1

ジョホールがACLエリートに向けてクラブ初となる韓国出身CBを獲得へ

マレーシアの複数のメディアがタイの報道を引用する形で韓国出身のCBパク・ジュンホンが、国内リーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)に加入すると報じています。パク選手はドイツやポルトガルリーグでプレーした経験がある他、水原三星ブルーウィングス(韓国)とキッチーFC(香港)などでプレーし、2021/22シーズンからタイ1部ラーチャブリーFCでプレーしています。タイ1部リーグは今季2023/24シーズンが今月26日に終了したことから、パク選手は6月30日の契約満了後にJDTに加入する予定だということです。31歳のパク選手は身長192cmで、CBの他に守備的MFとしてもプレーするということですが、実際に加入となれば、クラブ史上初の韓国出身選手となります。

今月開幕したばかりの2024/25シーズンのマレーシアスーパーリーグは、今季2度目のトランスファーウインドウが8月1日から8月30日までとなっており、JDTに加入するのは8月1日以降になりそうですが、そのJDTにはマレーシアスーパーリーグの規定で認められている外国籍選手登録上限となる9名が在籍しています。

しかも現在のJDTには、CBにジョルディ・アマト(インドネシア)とシェーン・ローリー(オーストラリア)の2名の外国籍選手が君臨しているだけでなく、その他にも先日発表された2026年W杯アジア2次予選出場のマレーシア代表にそろって選出されたフェロズ・バハルディンとシャールル・サアド、さらにジュニオール・エルドストールなどマレーシア人選手も十分おり、人材的にも不足していません。

このままだと国内リーグには出場することができないパク選手との契約を、敢えてJDTが進めるとすれば、その理由はJDTが出場する2024/25シーズンのACLエリートにあると考えられます。従来のACLからリブランディングされたACLエリートのグループステージ第1節は9月16日から18日にかけて予定されていますが、アジアサッカー連盟(AFC)は今季2024/25シーズンからACLエリートを含めたACL主催大会から外国人選手枠を撤廃するのではとの噂があります。JDTが国内リーグでは起用できないパク選手を獲得する理由は、このACLエリートに向けたチーム強化だと考えられます。

実は同じようなことが過去にもマレーシアスーパーリーグでもありました。2012年当時のスーパーリーグは1チーム最大2名の外国籍選手登録が可能でしたが、この年にAFCカップに出場したスランゴールFA(当時、現スランゴールFC)とクランタンFA(同クランタンFC)は、このAFCカップ出場を理由に、特例としてさらに2名の外国籍選手登録を認められたという事例があります。

2026W杯予選:マレーシア代表が練習試合でペラFCに辛勝

今月のFIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選に向けて合宿中のマレーシア代表は、昨日、ブキ・ジャリル国立競技場でマレーシアスーパーリーグのペラFCと非公開の練習試合を行い、1-0で勝利したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。

マレーシア代表は6月6日にキルギス代表とアウェイで、また6月11日にはホームで台湾代表と対戦しますが、試合まであと5日しか残されていない中、練習試合自体は17分にDFダニエル・ティン(サバFC)がゴールを決めて勝ったものの、現在国内リーグ8位のペラFC相手に辛勝だったことで、改めてFW陣の問題点が明らかになった形です。

このブログでも何度か取り上げましたが、今回の代表チームはケガなどを理由に、ファイサル・ハリム(スランゴールFC)、アリフ・アイマン・ハナピ、ロメル・モラレス(いずれもジョホール・ダルル・タジムFC)、ダレン・ロック(サバFC)、シャフィク・アフマド(クダ・ダルル・アマンFC)と5名のFWが参加していません。このため、パウロ・ジョズエ(KLシティFC)、アキヤ・ラシド、サファウィ・ラシド(いずれもトレンガヌFC)に期待がかかっていますが、昨夜の試合ではこれらの選手の名がスコアシートに載ることはありませんでした。

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ペラFCと対戦したマレーシア代表ですが、代表合宿は今週月曜日の5月27日から始まっていますが、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)とスランゴールFCの選手が参加しておらず、サポーターの間で様々な意見が飛び交っています。

JDTからは、Gkシハン・ハズミ、DFマット・デイヴィーズ、DFフェロズ・バハルディン、DFシャール・サアド、DFラヴェル・コービン=オン、MFエンドリック・ドス・サントス、そしてスランゴールFCからはノーア・レインと、合計7名が招集されていますが、この7名全員が未だ合宿に参加していません。タイ1部のブリーラム・ユナイテッドでプレーするDFディオン・コールズも参加しておらず、前述のペラFC戦も合宿参加メンバー26名中18名で臨んだとことになります。

マレーシア語紙のブリタハリアンは、代表合宿に参加させるためにFIFA国際マッチカレンダー期間より前に、クラブに選手のリリースを強制する規定はないことから、JDT、スランゴールFCともに間違えたことはしていないと説明しています。

「FIFA国際マッチデーには 2 つのタイプがあり、一つは、月曜日の朝に始まり、翌週の水曜日の夜に終わる 10 日間の期間として設定され、もう一つは、日曜日に始まり翌週水曜日の夜に終わる4日間の期間として定義されている。今回に関して言えば6月3日(月)から6月11日(水)に終わる前者であり、FIFAの規定に照らせば、各クラブは遅くとも6月3日の朝までに代

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