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5月24日のニュース
人気ロックバンドのコールドプレイのコンサートが代表戦に影響も
観客トラブルのペラは特定人物の入場拒否を検討も実現は困難

人気ロックバンドのコールドプレイのコンサートが代表戦に影響も

イギリスの人気ロックバンド、コールドプレイは、ワールドツアーの一環として今年11月22日にマレーシアのクアラルンプールで初めてのコンサートを開催することを発表しましたが、ブキ・ジャリル国立競技場で開催されるマレーシア公演のチケットが発売されると、その購入サイトが大量アクセス集中によりクラッシュし、多くのファンから不満の声が上がりました。さらに無事購入できたチケットを高額で転売する輩が現れ、これに対してマレーシア政府の通信マルチメディア委員会がオンライン上での転売を監視することを発表しています。また野党第一党のイスラム原理主義政党は、この公演が「国家にも民族にも宗教にも何の利点ももたらさない」とし、「快楽主義(!)と倒錯した文化を国内に広げようとしている」とコンサート開催を認めた政府を非難し、公演の中止を求めるなど、まだ半年近く先の公演ながら話題に事欠きません。

と、ここまでの内容ならこのブログでわざわざ取り上げることもないのですが、このコールドプレイのコンサートが行われる11月22日は、実はこのコンサートの会場となるブキ・ジャリル国立競技場でマレーシア代表がAFCアジアカップ2027年大会2次予選を戦う翌日となっています。そこで一部サポーターからは、コンサート会場設営準備などで、マレーシア代表がホーム開催の利点を生かせないのでは、という声が上がり、マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長が声明を発表する事態になっています。

ハミディン会長は、ブキ・ジャリル国立競技場を所有するマレーシア政府青年スポーツ省のハンナ・ヨー大臣、さらには管理を委託されているマレーシアスタジアム社のファイズ・サヌシCEOと会談したことを明らかにしたハミディンFAM会長は、FAMはマレーシアスタジアム社とスタジアム使用に関する契約を結んでおり、FIFA国際マッチカレンダーの日程も事前に通告してあることから、「今回のようなことが今後も起こるのであれば、マレーシアスタジアム社とは契約せず、ブキ・ジャリル国立競技場以外のスタジアムとの契約を検討する必要がある。」とも述べ、マレーシアスタジアム社から、今回のコンサート開催について事前に連絡を受け取っていなかったとしています。

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ブキ・ジャリル国立競技場でのコンサートといえば、以前にこのブログでも取り上げましたが、東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022準決勝ファーストレグのタイ戦が今年1月7日に開催された際、1月15日に同じブキ・ジャリル国立競技場で開催される台湾の人気歌手ジェイ・チャオのコンサート会場設営準備により、およそ2万1000席分が販売されない、ということがありました。ブキ・ジャリル国立競技場の最大収容人員は8万人強とされていますが、この試合ではFAMは5万9000人分のチケットが販売されただけで、観戦を希望する多くの代表サポーターを失望させました。その後、ジェイ・チャオはブキ・ジャリル国立競技場の使用予約を2019年3月に行っていた一方で、FAMはその5ヶ月後の同年8月に行なっていたことが発覚、さらにこの三菱電機カップで勝ち進んでいれば、ジェイ・チャオのコンサート翌日の1月16日に決勝がやはりブキ・ジャリル国立競技場で開催されることになっており、こちらはコンサート会場の解体は1日で終わらないとして、FAMは50000人分のチケットしか用意できないことを認めていました。

観客トラブルのペラは特定人物の入場拒否を検討も実現は困難

スーパーリーグ第11節のペラFC対スランゴールFC戦では、試合前に一部のペラFCサポーターがスランゴールFCサポーターのいるアウェイエリアに近づいて挑発行為を行なった上、乱闘騒ぎへと発展、しかもその映像がSNSで拡散しました。

乱闘騒ぎの原因を作ったとされる4名は特定された結果、既に警察が逮捕したと報じられていますが、ペラFCのファリド・シャムスディンCEOは、逮捕された4名が「うわべだけの」サポーターだとして、今後開催する試合では、サポーターが安心して観戦できるよう、彼らのような「チームの名を汚すような」フーリガンの入場を制限する方向で検討を行なっていると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。

フーリガン行為を防ぐにはそういった問題を起こす可能性がある人物を特定し、その入場を制限することが最善の方法だとしながらも、ファリドCEOは本人以外がチケットを入手するなど現時点では仕組み上の抜け穴もあるとして、具体的な方法については言及していません。また今回の乱闘騒ぎがスタジアム内で起こったことから、スーパーリーグを運営するMFLによる処分を全面的に受け入れるとも述べています。

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