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5月17日のニュース
東南アジア競技大会-インドネシアが延長戦を制して32年ぶりにサッカー男子で金メダル獲得
ディオン・コールズがタイ1部リーグの年間ベストXIに選出

東南アジア競技大会-インドネシアが延長戦を制して32年ぶりにサッカー男子で金メダル獲得

東南アジア競技大会通称シーゲームズ2023年大会のサッカー男子の決勝がカンボジアのプノンペン行われ、延長戦の末、インドネシアが5-2でタイを破り1991年大会以来32年ぶりの優勝を飾っています。なおシーゲームズは2001年大会からU23チームの、2017年大会はU22チームの対戦になっていますが、年代別大会となってからはインドネシアは初優勝となります。

試合開始から両チームが激しくぶつかり合う展開となる中、準決勝では大会3連覇を狙うベトナムをロスタイムの決勝ゴールで3-2と破ったインドネシアは、そのベトナム戦同様、ロングスローで相手ゴールを狙います。ロングスローを得意とするプルタマ・アラハン(東京ヴェルディ)はベトナム戦でのレッドカードで出場停止となる中、この試合では右サイドで得たスローインをアルフェアンドラ・デワンガ(PSISスマラン)がゴール前へのロングスロー、これをラマダン・サナンタ(PSMマカッサル)がタイDFと競り合いながらも押し込んでインドネシアが先制します。さらに前半終了間際の45分には、自陣ゴール前からのロングキックをタイDFと争いながら、タイGKソポンウィット・ラキャート(タイ2部プレー・ユナイテッド)のポジショニングを見透かしたように浮き球のシュートを放つとこれが無人のゴールにそのままイン。今大会通算5ゴールで大会得点王に並ぶこのゴールで前半はインドネシアが2-0で折り返します。

しかし準決勝ではミャンマーに3-0と快勝した大会通算14回と最多優勝を誇るタイも、後半の64分にマレーシア戦でもゴールを決めたアナン・ヨドサンワル(ラムプーン ウォリアーズ)が素晴らしいヘディングシュートでゴールを決めて1点差に詰め寄るものの、その後は両チームが激しくせめぎ合うも得点にはならず、このまま試合終了かと思われたそのとき、主審がフリーキックを与えるために吹いた笛を試合終了と勘違いしたインドネシアのインドラ・シャフリ監督らがピッチに飛び出し、試合は一時中断します。そこでインドネシアの集中力が一瞬途切れたのか、それともタイの勝利への執念が勝ったのか、そのロスタイムにやはりマレーシア戦でゴールを決めていた17歳のヨッツアコン・ブラパ(タイ2部サムットプラーカーン・シティ)が劇的な同点ゴールを決め、土壇場でタイが同点に追いつきます。

この同点ゴール直後に両チームの首脳陣や控え選手間で小競り合いが起こり緊張が高まり、試合も東南アジアのサッカーらしいラフプレーが随所に見られる展開になっていく中で、試合は延長戦に突入し、95分にはタイDFのミスからボールを奪ったイルファン・ジャウハリ(プルシス・ソロ)がゴールを決めて、再びインドネシアがリードします。そして、このゴール直後には両チームのベンチ間で再び小競り合いが起こり、インドネシアはコマン・トリスナンダ(ボルネオFC)、タイはGKソポンウィット選手がレッドカードで退場、さらにインドネシアはコーチ2名に、タイは控え選手とコーチの計3名にレッドカードが出される事態となってしまいます。

さらにタイが99分にこの試合2枚目のイエローが出されたジョナサン・ケムディー(ラーチャブリーFC)が退場となり9名となると、インドネシアはその数的有利の機会を逃さず、106分にはファジャル・ファスル・ラーマンがこの試合4点目のゴールを決め、会通算5ゴールで、ラマダン選手と得点王に並ぶと、さらに118分に今度はティーラサク・ポイティマイ(ポートFC)が2枚目のイエローで退場すると、その直後にベッカム・プトラ(プルシブ・バンドン)がダメ押しとなるゴールを決め、そのままインドネシアが5-2で勝利し、32年ぶりの金メダルを獲得しています。なおこの試合の前に行われた3位/4位決定戦では、ベトナムがミャンマーを3-1で下して銅メダルを獲得しています。

東南アジア競技大会サッカー男子決勝
2023年5月16日@オリンピックスタジアム(プノンペン、カンボジア)
インドネシア 5-2 タイ(延長)
⚽️インドネシア:ラマダン・サナンタ2(21分、45分)、イルファン・ジャウハリ(95分)、ファジャル・ファスル・ラーマン(106分)、ベッカム・プトラ(120分)
⚽️タイ:アナン・ヨッドサンワル(64分)、ヨッツアコン・ブラパ(90分)

この試合のハイライト映像。シンガポールのメディア、メディアコープの公式YouTubeチャンネルより

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なお、この試合でイエロー2枚で退場となった長身センターバックのジョナサン・ケムディーは、試合直前に自身のSNSで今大会の決勝を最後にタイ代表からの引退を発表しています。U22/23代表としてこれまで17試合に出場して2ゴールを決めているケムディー選手は引退の理由は明らかにしていませんが、タイ生まれながら、これまでタイのA代表への招集経験はないことから、父親の母国であるデンマーク代表入りも視野に入れてのタイ代表引退宣言ではといった憶測も出ています。

ディオン・コールズがタイ1部リーグの年間ベストXIに選出

タイ1部リーグで今季は既に二冠を達成し、三冠目となるタイリーグカップにも決勝しているブリーラム・ユナイテッド。このチームに今年1月に移籍したマレーシア代表DFのディオン・コールズが、今季のリーグベストXIに選ばれたと、マレーシア国外でプレーするマレーシアに関連した選手を紹介している「ハリマウ・アブロード」が伝えています。

タイリーグのスポンサーになっている携帯電話会社AIS Playによる2022/23年シーズンのタイ1部リーグベストXIには、コールズ選手の他、かつてJリーグの横浜FマリノスでもプレーしたMFティーラトン・ブンマタン、来季は英国プレミアリーグのレスターシティへの移籍が噂されるFWスファナット・ムエアンタを含めて6選手がブリーラム・ユナイテッドから選出されています。この他にはGKミカエル・ファルケスゴーア、DFエヴァートン(バンコク・ユナイテッド)、サミュエル・ローザ(PTプラチュワップFC)らが今季ベストXIに選出されています。

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サラワク州のクチン生まれながら、ベルギーで育ったコールズ選手にとっては、ブリーラム・ユナイテッドへの移籍がアジアで初めてのプレーとなりました。移籍が決まった際のインタビューでは、ブリーラム・ユナイテッドが東南アジアで最大のクラブの一つであり、ちょうど声がかかった時点ではどことも契約を結んでいなかったことに加え、ブリーラム・ユナイテッドが長期契約をオファーしたことが契約の要因となったと説明したコールズ選手ですが、主力選手としてチームの国内二冠達成に貢献し、目指す三冠達成まで後1試合を残すのみとなっています。

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