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3月24日のニュース
国際親善試合-マレーシアは格上のトルクメニスタンに勝利
代表戦の売り上げを「マラヤの虎」保護に
U22代表は本田圭佑氏指導のカンボジアU22と本日対戦

国際親善試合-マレーシアは格上のトルクメニスタンに勝利

今年初のFIFA国際マッチカレンダーで、直近のFIFAランキング145位のマレーシア代表は同135位トルクメニスタン代表に1-0で勝利しています。 昨年6月に行われたAFCアジアカップ最終予選では、マレーシアが43年ぶりの本戦出場を決めましたが、マレーシアとトルクメニスタンはこの最終予選で同組となり、マレーシアが3-1で勝利しており、FIFAランキング上位のチームに連勝となりました。

この試合でキム監督は、前線をセンターフォワードのダレン・ロック(サバ)と両サイドにアキヤ・ラシド(ジョホール)とファイサル・ハリム(スランゴール)、中盤には今年に入ってマレーシア国籍を取得したばかりのブラジル出身コンビ、パウロ・ジョズエ(KLシティ)とエンドリック・ドス・サントス(ジョホール)を早速起用し、ブレンダン・ガン(スランゴール)を加えた3名を配置、また、最終ラインはこの試合ではキャプテンを務めたディオン・コールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)とドミニク・タン(サバ)がセンターバック、そして両サイドバックがいずれもジョホールのラヴェル・コービン=オング、マシュー・ディビーズという3-3-4の布陣を選択しています。

試合は、トルクメニスタンが開始から積極的に攻め込み、最初の10分間はマレーシアサイドで試合が進みましたが、GKシーハン・ハズミ(ジョホール)が好セーブを連発してそれに耐えると、マレーシアも徐々にペースを掴み始め、今季リーグ戦でも好調のパウロ・ジョズエを中心に攻撃に転じます。そして29分には左サイドから得意のドリブルでゴールライ近くまで持ち込んだアキヤ・ラシドが角度のないところから軽くカーブをかけてシュート!トルクメニスタンGKラスル・チャリエフはこれを止めることができず、ボールはサイドネットを揺らし、マレーシアが先制しました。

後半に入ると、あまり機能していなかったエンドリックに代えて、投入したノーア・レイン(フィンランド1部セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ)が代表デビュー戦で早速チャンスを作るなど好機はあったものの得点に至らず、さらにファイヤド・ズルキフリ(クダ)、フェロズ・バハルディン(ジョホール)とその後も初招集組を起用しましたが、両チームが一進一退を繰り返したまま試合は終了し、マレーシアが格上のトルクメニスタンに勝利しています。

この試合でキム監督は、国内リーグ2年連続MVP、しかも今季はすでに3ゴールを挙げている若きエース、アリフ・アイマン(ジョホール)をベンチ外としました。その一方で所属するジョホールの今季5試合中わずか2試合出場、しかも出場時間51分だったことから「ジョホールの選手は試合に出なくても代表になれるのか」とその選出が忖度だったのではとの非難もあったアキヤ・ラシドにそれを実力でねじ伏せさせただけでなく、5名の選手を代表デビューさせながら勝利させるなど、代表サポーターをまたもや熱狂させています。

また格上のトルクメニスタンに勝利したことで、4月6日に発表される最新FIFAランキングではランクアップも期待でき、いいことづくめの今シーズン初の代表戦でした。なお、マレーシア代表は3月28日に同じスルタン・イブラヒムスタジアムで、キム監督がかつて指揮を取った香港代表と対戦します。

国際親善試合
2023年3月23日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
マレーシア 1-0 トルクメニスタン
⚽️マレーシア:アキヤ・ラシド(29分)

試合のハイライト映像はマレーシアサッカー協会FAM公式YouTubeチャンネルより

代表戦の売り上げを「マラヤの虎」保護に

マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府青年スポーツ省が共同して、「マラヤの虎」ことマレートラの絶滅保護に対する活動を行うと発表しています。

マレーシア代表サッカーチームは、虎の文様を模した黄色と黒を基調としたユニフォームを着用し、「マラヤの虎」の愛称で知られていますが、本物のマレートラは1970年代にはマレー半島全域で1000頭ほど生息したと言われていますが、密猟や生息環境の破壊などにより、最新の調査ではその数は150頭以下とされています。この地域の多様な生態系のいわば頂点に立つマレートラを保護することは生息地の自然環境全体を保全することにもつながることから、今回、FAMと青年スポーツ省が協力して活動を行うことが、FAMの公式サイトで発表されています。。

具体的には代表戦のチケット1枚の売り上げに対して1リンギ(およそ30円)が寄付されるということです。FAMのハミディン・アミン会長は「代表戦をスタジアムで観戦することで、マレートラの保護に貢献できることは喜ばしい。」と述べる一方で、ハンナ・ヨー青年スポーツ相は「実際にマレートラが絶滅してしまえば、『マレーの虎』の愛称は単なる愛称でしか無くなってしまう。そのような状況に陥らないためにも、代表チームを支援するサポーターには、代表チームを応援するのと同じ熱量で、この保全活動も支援して欲しい。」と述べています。

U22代表は本田圭佑氏指導のカンボジアU22と本日対戦

A代表がジョホール州でトルクメニスタンに改称した翌日の今日3月24日には、ジョホール水道を挟んだ向こう側にあるシンガポールで開催される大会で、本田圭佑氏が指導するカンボジアU22と対戦します。マーライオンカップと名付けられたこの大会は、この2チームの他、シンガポールと香港のU22代表も出場し、マレーシア対カンボジア戦の勝者と、シンガポール香港戦の勝者が優勝決定戦へ、敗者が3/4位決定戦に回ります

今年5月には東南アジアのオリンピックとも呼ばれる東南アジア競技大会通称シーゲームズがカンボジアで開催されます。初の自国開催となるカンボジアはA代表、U22代表とも本田圭佑氏が指導しており、このシーゲームズが本田氏の指導の集大成となることになっています。

マレーシアも出場するこのシーゲームに出場しますが、U22代表はシーゲームズでの決勝進出を目標としていることをE・エラヴァラサン監督が明言しており、今回のマーライオンカップはその前哨戦として乗り込みます。

「シーゲームズで対戦する可能性があるカンボジアやシンガポールを分析する機会があるのは有益である。今回のU22代表は大半がトップチームの選手で構成されているが、選手たちの所属チームでの試合出場時間は決して多くは無い。なので、今大会で近隣の強豪と対戦できるのは喜ばしい。」と述べたエラヴァラサン監督ですが、キャプテンを予定していたA代表でもプレー経験があるムカイリ・アジマル(スランゴール)が体調不良によりカンボジア戦ではベンチ外となることがすでに発表されています。

ムカイリ選手に代わり、スタンゴールでチームメートのジクリ・カリリが初戦ではキャプテンを務めることを明らかにしたエラヴァラサン監督は、本田GMとコンビを組むカンボジアの廣瀬龍監督同様、初戦は厳しい試合になるだろうと予想しています。

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